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ぼっち探偵・リトル2  作者: oga
リトル救出
10/17

脱獄 後編

「この時を待っていた。 我が主、黒髪刃を殺した貴様が出てくるのを!」


 目の前のバクは、姿形を変えて私の前に立ちはだかった。

背丈は天井に付きそうなほど高く、2本の足で立っている。

加えて、殴られたら致命傷を負いそうなほどに太い腕。


「紫苑!」

 

 兄さんは後ろで何か叫んでいるが、内容まで聞こえてこない。

私は、足がすくんで動けなくなった。


「お前に、用はないっ!」


 バクのやつ、キャラ変わっちゃってるし……

気性、荒すぎでしょ。

って、そんなこと考えてる場合じゃ……


「ウッ……」


 私は、思いっきりバクの太腕で殴られた。

そのまま壁に激突する。

ああ、最後の最後で何やってるのかしら……

意識が朦朧とする中で、私は声を出した。


「……に、げて」


 声になったかも自分では分からない。

頭から流れる血で、視界が赤く染まっていく。

でも、確かに、その姿だけは見えた。


「……」


 兄さんが、バクの前に立っている。

そして、その背中ごしからでも分かった。


(兄さん…… めっちゃキレてる……)

 

「おい、てめえ…… 死にてえのか?」


「死ぬのは貴様だと言っているっ!」


 ……生身で勝てるわけない!

バクは私から100メートル以上離れることはできないし、階段の入り口に入れるか微妙な大きさだ。

走れば逃げ切れる。

それを伝えないといけない。

兄さんは頭に血、登っちゃってるし……

その時だった。

私のポケットから、指輪がまるで自分の意思を持ったかのように、転がり出した。

コロコロとそれは転がって、兄さんの足元で止まった。


「グオオオオオオオオオオオオオオオッ!」


 バクが拳を振り上げる。

兄さんが床の指輪に気付き、拾い上げてはめた。

ドオオオオオン、という衝撃音。

振り下ろされた拳で、床がえぐれる。


「にい…… さんっ!」


「……!?」


 立ち込めた土煙が揺れ動いたかと思うと、突然、刃が閃いた。

兄さんは、寸前で攻撃をかわし、アームズモードでポワロの刀を手に持っていた。


「燕返し!」


 下から上に向かっての斬撃。

バクの左腕を切断した。

そこから、飛び上がり、繋げるように上から下への斬撃を食らわす。


「甲羅割り!」


 バクはどうにか反応して、ガードしようと右腕を構えたが、それも骨ごと断つ。


「ギャアアアアアアッ」


 振り下ろされた刃は、そのままとどめの動きへと移る。

流れるように左右に振られ、相手の胴体を切断した。


「流し斬り!」


 相手が倒されたのを見届け、私の意識は途切れた。


 

技名がちょいダサいですね(笑)


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