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ぼっち探偵・リトル2  作者: oga
リトル救出
1/17

プロローグ

「ここが兄さんの使ってた事務所ね」


 私の名前は若草紫苑(わかくさしおん)

年は18で、兄さんの後を追って、大阪から東京にやって来た。

私の家は代々「霊獣殺し」を生業にしているんだけど、兄さんが家出したせいで私が後を継ぐことになってしまった。

私は、あんな陰気臭い商売嫌だったし、兄さんが面白そうなことやってるのを知ってたから、逃げるようにこっちにやって来たんだ。

でも、部屋に入って早速厄介事に巻き込まれた。


 事務所の机の上に、兄さんのスマホが置かれていて、何件か留守電が入っていた。

その中に、大家からのこんなセリフが入っていた。


「リトルさん、いい加減にしてくださいよ! 今月家賃払ってくれないんなら、保証人の妹さんに連絡しますからね!」


 ビックリしたことに、兄さんは家賃を100万も滞納していたのだ。

しかも、保証人がいつの間にか私になっていた。


「リトルって兄さんのことかしら? しかも、勝手に保証人になってるし……」


 私は、はあ、とため息をついた。

お金の件、どうしよ。

本家に連絡して、100万借りてもいいけど……

いや、やっぱり家出してきた手前、頼みにくい。

更に、他にもこんな着信が入っていた。


「リトルさん、先日お世話になった校長です。 逮捕されてしまったようで、ご愁傷様と言ったらいいのでしょうか? 釈放されましたら、私のところに来てください。 指輪を預かっておりますので」


 この校長と兄さんにどんな繋がりがあったのかは分からないが、指輪というのは霊獣の指輪のことだろう。

私は、先にこの校長の所に向かうことにした。






 電話で住所を聞き、四獣学園なる高校にやって来た。

正面の玄関から入り、階段を上って、2階にある校長室にやって来た。

ノックして中に入る。


「失礼しまーす」


 校長は机の上でトランプタワーを作っていた。


「あのお」


「わあっ!?」


 ビックリした校長の肘にトランプがぶつかり、瞬く間にタワーは崩壊した。

ギロッ、と射るようなまなざしが私に注がれる。


「……何だね、君は」


「連絡した、若草紫苑です。 リトルの妹です」


 すると校長は、あわわっ、という声を上げ、慌てて椅子から立ち上がり頭を下げて来た。


「もも、申訳ありませんっ! そこにあるソファにお掛けになってください」


 急変した態度を見て、兄さん、この人の弱みでも握っていのかしら? と私は思った。


「指輪、返してもらっていいですか?」


「ゆ、指輪ですかっ!?」


 引き出しをガチャガチャ開けて、校長は指輪を探し始めた。

……用意しときなさいよ。


「これです!」


 校長の手のひらには、指輪は2つ、乗せられていた。





 

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