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ダンジョンと共に往く  作者: 畔木 鴎
序章 地下へと続く道
5/145

魔力蛍

 では、本格的にダンジョンマスターとして活動を始めよう。


 まずは『一階層』へと移動しよう。

 大扉の片側に両手を当てて思いっ切り押す。一階層が出来上がっているのでコレで開くはずなのだが扉は ビクともしない。


 押し問答する事数分後・・・内開きでした。テヘペロ。


 『謁見の間』の大扉は重厚な音を立てて動き出した。見た目ほど重くは無かった。


 え?さっきの茶番は何かって?知らんな。


 □


 カッ、カッ、カッ


 小気味好いリズムが『一階層』に響いていた。俺の革靴の音だ。


 時間が無かったから適当に創った『一階層』。最後の方は部屋を考えるのが面倒だったので、適当に区切って放置しただけになってしまっている。


 創り直そうかとも思ったのだが、微量のMPを消費してしまうので守護者を創造して、余裕があれば手を付けていきたい。


 一階層の様子を言い表すなら、『殺風景』が一番合ってると思う。

 謁見の間の様な調度品が無いのが一番の理由だが、俺が気になるのは細部の構造の部分だ。

 柱も無ければ(はり)も無い。綺麗な長方形の通路を見た時には謎の寒気が体を襲った。

 早めに守護者を創造しなくては。


 『一階層』を一通り見終わった。

 今は『一階層』の大広間に居る。ココが一番スペースがあったのだ。


 取り敢えず、技能の『守護者創造』を使う。


・リストから創造

・自身で創造


 選択肢は二つ。『自身で創造』を選択して次の画面へ。


・ジャンル選択

 ジャンルを選択してください。

  [陸][海][空][死][他]


 ジャンルは[陸]を選択した。[死]でも良かったのだが(しかばね)と一緒に居るのは御免被(こうむ)りたい。


・造形

 音声入力により大まかな造形を作成します。

 音声入力を適応する場合には[開始]。

 適応を終了する場合には[終了]と発音してください。


 ココは音声入力なのか。

 俺のイメージとしては騎士を創りたいのだが、それだけでは味気ない。何かアイデアを探そう。


 そういえば、最初に創った守護者は蜘蛛だったが消費MPは4だった。

 人型で創造した場合はどうなるのだろうか。


 「開始。『人型』。終了」


・造形

 『人型』

 以上で宜しいでしょうか?

 «はい» «いいえ»


 «はい»を選択。


・細部設定

 こちらも音声入力となります。先程と同じように設定して下さい。

 『人型』

 現在消費MP60


 ダメだ一体しか創造出来ない。キャンセルを選択し、『造形』まで戻す。

 ステータスを確認してみても魔力は100までしかない。MP消費の効率が悪いな。今は数が欲しいのでまた考え直す。


 一つ思い付いた事がある。どこまで設定されるかが肝だが試してみる価値はあるだろう。


・造形

 音声入力に・・・


 「開始。『(ホタル)』。終了」


・細部設定

 こちらも・・・


 「開始。技能『MP回収』『MP譲渡』。終了」


・細部設定

 造形『(ホタル)』に『MP回収』『MP譲渡』の技能を追加しますか?

 現在消費MP15

 «はい» «いいえ»


 «はい»を選択。


・技能の変更

 思考を読む限りでは『MP回収』を『魔力収集』に変更した方がよろしいと考えます。変更しますか?

 消費MP15→11

 «はい» «いいえ»


 『MP回収』と『魔力収集』の違いだが、『MP回収』は他の生物からMPを吸収するのに対し、『魔力収集』は周囲から集めて来るようだ。

 体外だと魔力、体内だとMPと呼ぶらしく、同じ物という解釈で構わないと思う。


 ここは«はい»を選択。

 思考を読むとかいう怖い部分があるが、ファンタジーなのでそれも可能と思っておこう。


・最終確認

 造形『(ホタル)

 技能『魔力収集』『MP譲渡』

 消費MP11

 創造しますか?

 «はい» «いいえ»


 何時ものデモ表示を確認後、«はい»を選択。

 同時に、床に方陣が光る現れた。

 光が収まれば2cm程の蛍の姿があった。


・名称

 名称を決定してください。


 名称は適当に『マナフライ』と入力。

 その後、リストに登録するかを聞かれたので«いいえ»を選択して終了する。


 初めて創造した可愛い守護者に鑑定をかけてみる。


名前 : マナフライ

種族 : [陸]

HP11

MP11


 ダンジョンマスター畔木により、魔力効率を上げる為に試験的に創造された。

 戦闘行為は期待出来ない。

 1.5cm〜2cm程の大きさ。

 魔力が貯まると腹部後方が発光する。


・技能

 魔力収集

 MP譲渡


 一応は完成した。消費MPが守護者のHP、MPに関係あるようだ。つまり俺と同じような人間を創りたければ魔力が100は必要という事になる。


 マナフライが一度にどれだけのMPを譲渡してくれるのかは分からないが、11〜10って所だろうか。あくまで憶測で、だが。


 追加で八体を作り上げた所で、俺は急激な眠気に襲われた。

 マナフライは何も言わなくても周囲に散開し『魔力収集』を行っているようだった。

 ・・・よしよし。重くなる瞳に耐えられず、目を閉じた。


 □


 ビーーーーー!!


 ん・・・なんだ・・・。

 朝か・・・、起きないと。

 こんな目覚ましの音に設定していたかな?


 虫?あぁ、マナフライか。

 ・・・って不味い!


 異世界に来ていたのを思い出し、急いで飛び上がり周囲を確認する。

 俺を起点にマナホタルが九体飛び交っていた。発行しているので魔力が溜まっているのだろう。

 そして目の前には飛び跳ねている!(エクスクラメーション・マーク)の姿が。どうしよう。嫌な予感しかしない。


 !ピョーン !ピョーン


 なかなかシュールでずっと見ていたいが、仕方ないのでタッチ。



 侵入者が現れました。

 至急迎撃してください。


 侵入者現在地『地図情報』

 侵入者映像『映像情報』



 映像によると、侵入者は二人。

 未だに出入口でウロウロしている。探索と言うよりは調査と言った感じか。

 壁を手で触ったりと、警戒している様子だ。


 俺が居る広間まではかなり距離があるが、迎撃用の守護者を創っておくべきか。


 現在のMPは82。残り1から結構回復している。

 MPの最大値が初期値のMPである100なのかが分からないが、『守護者創造』で人型を創ろうとすると最低でもMPが60は必要になる。


 マナフライがどれだけ供給してくれるか分からないが100は超えるだろう。試してみるか。


 指示を出すと、マナフライ達が俺の体に止まる。

 発光していた腹部後方の輝きが治まるにつれて俺の体が軽くなっていくのを感じた。


 MPを確認してみると、MP145と表示されている。

 82→145なので、増えた量は63。マナフライは九体居るので、一体当たり7という計算になる。

 コレで創ってみよう。


・自身で創造

・ジャンル選択[陸]

・造形『人型』

・性別『女性』

・細部設定 技能『剣術』『暗殺術』『隠密』


・最終確認

 造形『人型』『女性』

 細部設定 技能『剣術』『暗殺術』『隠密』

 消費MP74

 創造しますか?

 «はい» «いいえ»


・名称『ギフト』


 急いで創造した。

 マナフライの時には無かった『性別』だが、俺がマナフライの時に性別を考えていなかったのが原因と思われる。

 顔や髪型も俺の理想というか、考えが強く反映される様だ。


 男だと見苦しいので女性を選ばして貰った。

 恐らく、『人型』を創造する際は全て女性になるとおもう。・・・趣味丸出しです。ハイ。


 毒小蜘蛛やマナフライとは異なり、人一人が入れそうな魔法陣が現れ、光が収まると一人の女性が現れた。


 「・・・何で裸?」


 創造した守護者、ギフトは服を着ていなかったのでオロオロしてしまったが、DMOで購入するという考えに思い至る。


 急いで購入の仕方を調べる。

 確か手紙には証を確認しろと書いてあったな。


・証

 ダンジョンマスター

 DMO所属ダンジョンマスター


 新たに増えた忌々しい証をタップすると説明文が現れた。


・DMOダンジョンマスター

 DMOに所属するダンジョンマスターの証。

 DMOの施設を利用する事が出来る。利用方法は『ストア』と発音すれば可能。


 「ストア」


 発声と共にウインドウが現れた。

 [薬屋][武器屋][防具屋][服屋]といった店類がズラッと並んでいる中から[服屋]選ぶ。


 お金で購入では無く、魔力で購入なので助かった。

 現在のMPは71なのでそれ以下で買えるものを探す。

 最低額の黒い服を購入。服というよりは腕を通せる布に近い。


 プレゼントボックスが目の前に出現したので開封してギフトに渡す。


 「申し訳ないがコレで我慢してくれ」

 「かしこまりました。ありがとうございます」


 武器も必要か。

 [武器屋]でロングソードを購入。


 同じように届いたロングソードも手渡す。

 思ったよりかったがギフトは思い・・通りに扱えているようだ。ギャグでは無い。


さて、侵入者は・・・ソコソコ進んでいるな。

迎撃開始だ。

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