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ダンジョンと共に往く  作者: 畔木 鴎
四章 魑魅魍魎
39/145

砦の吸血鬼-2

・ジャンル選択[空]

・造形『蝶』

・細部設定 技能『吸血』『催眠術』『魔法効果増加』『水魔法』『回復魔法』『光魔法』『MP増加』

消費MP52


・.創造しますか?

«はい» «いいえ»


・名称『デクレア』


回復魔法使える奴が居ない?

それなら創れば良いじゃない。


・『支配域創造』による消費

MP1907(-600)→1307


・『守護者創造』による消費×5

MP1307(-260)→1047


・オグル殲滅による増加

MP1047(+3375)→4422

クスんだ赤いステンドグラスの様な羽根をした10cm程の大きさの蝶が少女に止まり、『回復魔法』を施していく。

脇腹から血に染まったディアが押し出されるように這いずり出て、少女の服で器用に血を拭うと俺の元へと帰ってきた。


「・・・ハァ、ハァ」


少女が息を整えている間に、再度『支配域創造』を使う。今度は上手くいった様だ。


「ん?」


俺の領域になった事により分かったのだが、俺と少女以外にも生体反応がある。オグルはミストーカー=デスが殲滅しているので、この場には俺と少女以外には誰も居ないはずなんだが。

反応はこの部屋にある入ってきたのとは別の扉からだ。


「・・・だめ。それ以上は行かせない」

「何度やっても同じだ」


俺の視線が扉に向いている事に気が付いたのか、少女が立ち上がり、扉を守る様に俺の前に立ち塞がった。

やはり何か居るのか。『映像情報』で確認すれば少女よりも幼い少年少女が身を寄せあって震えていた。


「アイツらも吸血鬼か?」

「っ! あぁァーーーーーー!!」


俺の質問に返ってきたのは、拳。

魔法が効かないのは分かっているのだろう。確かに正しい判断だ。

相手が俺で無ければな。


心臓めがけて突き出された拳は、俺の体から出てきたアイリードに貫かれ、二股に別れた。

床に膝を付き、六本指になった手を抑えながらも少女の瞳は闘志を失わない。

だが、ふと諦めた表情の後、少女は降参の声を上げた。


「お願いします!あの子達だけでもどうか助けてください!私は何でもしますから」

「殊勝な事だな」


このまま戦っても勝ち目は無い。そういう判断をしたのだろう。頭を下げ、小刻みに震えながらもお願いしてくる少女。

この様子に、俺の一時の激情は治まって来たので、少し考えた後、条件を伝える。


「・・・分かった。隠れている奴は殺しはしないし、拷問もしない」

「本当ですか!?」

「ただし、条件がある。まず、お前は俺に尽くすこと」

「それだけ、ですか?」

「そして、隠れている奴らは俺のダンジョンで面倒を見る」


言葉に詰まりながら縋るように聞いたのであろうが、俺の言葉は無情にも少女を突き放した。


「お願いッ!お願いだからぁ!助けてッ!!」


ベストを掴んで顔を涙と涎でグチャグチャにしながら俺へと懇願する少女。

俺も彼女と同じ様に膝を付き、瞳を見据えながらそれに答える。


「いいか。お前が居なくなればアイツらはどうなると思う?この森には魔物がたくさんいるぞ。食う物はどうする。蓄えがあっても直ぐに尽きるだろう」

「それは・・・」

「だから、これがお前が望む最善のはずだ。例え、自分をボロボロにした相手に託すとしてもな」


こうして俺は犠牲者を一体出し、新たな戦力を手に入れた。



リーグナの墓石がある『七階層』。そこに新たなクリスタルの墓標が加わった。


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