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ダンジョンと共に往く  作者: 畔木 鴎
二章 枕戈待旦
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守護者創造day

 パペル・カルタside


 ノーマリー王国、王城。

 ダンジョンマスター、エバノへの供給物資リストは既に国王が目を通しており、物資が王城へと集められている。


 エバノ殿がコチラに頼んだ物資はどれも安価で手に入るものばかり。それなりの物を用意しようとすれば値段が張るが、量が欲しいとの事なのでその心配も無い。


 話を聞いた貴族は貧乏臭いと笑っていたが、彼が着ていた服を知らないからそんな事が言えるのだ。一目で分かる仕立ての良さ。それもダンジョンの中枢に関わる人間には全て配布しているのだ。

 王侯貴族と張るかもしれない。いや、彼は既に一国の王なのだ。当然か。


 物資の搬入率は30%と言ったところ。

 半日でここまで集まったのは良かったのだが、国庫の中は減る一方だ。

 鏡を貴族相手に売るので益は出るだろうが、その間商人達が力を得てしまう。


 ノーマリー王国でも鏡の製造はしているのだが、如何せん数が少ない。

 他国からの輸入に頼っているの現状では大きな利益になるだろう。


 教会相手にも売らなければならない。

 ダンジョンが産まれれば、神からの神託が降りる。その報告を受けて国が冒険者ギルドに働きかける。

 そのような流れがあるのだが、教会と冒険者が単独で動く事もある。


 教会は賄賂を渡しておけば大人しくなるが、冒険者はそうはいかない。

 冒険者は自由を掲げており、国境を超えても税が掛からない存在だ。

 エバノ殿なら軽く一捻りそうなものだがコチラの弱点が増えるのは避けたい。


 「パペル様ーーー!大変です!ぼ、冒険者が」


 冒険者ギルドにダンジョン攻略停止を告げに行っていた使者が戻ってきたが、様子がおかしい。

 ・・・ふと頭の中に浮かんだ考えを一旦捨てて話を聞こう。


 「落ち着け。どうだったんだ?」

 「冒険者ギルドは無事に話を受け入れたのですが・・・」

 「まさか」

 「そのまさかです・・・。既にアルトゥーロ率いるクランがエバノ様のダンジョンへと出発している可能性が高いです」


 手を目頭に当て天を向く。

 あの脳筋どもめ・・・余計な事をしてくれる。


 「で、そいつ等はどうなったんだ」

 「一昨日にニェーバの街を出たそうですがまだ戻って来ていないそうです。あと一日様子を見て、戻ってこなければ既に死んでいるかと」

 「様子見は別に構わんぞ、もう死んでるだろう」


 幾ら腕利きの冒険者とはいえダンジョンでは簡単に命を落とす。

 彼のダンジョンなら尚更だ。既に死んでいるものと見て行動した方が良いだろう。


 「アルトゥーロのクランハウスにめぼしい物が無いか盗みに入らせろ」

 「よろしいので?」

 「死人に口なしだ。バレなければ構わんさ」


 これ以上エバノ殿に面倒を掛けるわけにもいかない。

 騎士団から誰かを常駐させるべきか。それならばダンジョンの様子も確認出来る。

 ヴェデッテが食客として居るので、ダンジョン側の食料消費量が心配だが、派遣する際に食料をある程度持たせて行けばいけるだろう。


 騎士団から数名有志を募って貰えるように話しておこう。


 □


 黒木 鴎side


昼食を食べ終わると、リェースが話し掛けてきた。


「野菜とれるけど、どうするの」

「あー、もう収穫が出来るのか・・・、そうだな。食堂を拡張しておこう」

「ん、分かった。夕食の時に持ってくる」


もう野菜の収穫が出来るようだ。

食堂の奥に一部屋創って、ソコを厨房にしよう。

火と水は魔法で対処できるので、包丁等の調理道具を購入しよう。


そう言えば誰か料理できるのか?

守護者には期待してないので、ヴェーデに聞いてみる。


「お料理ですか?・・・私は給仕役の方がいらっしゃったので」


 要は出来ないという事か。

 俺が出来ないこともないが、ダンジョンのマスターがすると言うのも外見が悪い。

 給仕役の守護者を創ろうか・・・。

 新しい『二階層』の守護者も創らなければならない。

 今日は守護者を創っていれば終わりだな。

 前述の他にも守護者の構想はあるので、今日は守護者創造dayにしよう。


 取り敢えず『二階層』の守護者達を創ろう。


・自身で創造

・ジャンル選択[陸]

・造形『人形(男)』

・細部設定 技能『幻術』『刀術(ブースト+66)』『指揮』『人剣一体』

 消費MP124→190


 今までは女性形しか居なかったが、初の男性型だ。

 男性型創らない宣言をしておいて何だが、城の主を女性形にするのもどうかと思ったので男性型を創ることになった。


 (ブースト)の表記は、このままでは弱いので何か出来ないのかと色々やっているうちに見つけたものだ。

 +66は追加したMPの値。コレがどう反映されるのか楽しみだ。


・創造しますか?

«はい» «いいえ»


・名称『ブリッツ』


 «はい»を選択。


 「お初にお目にかかります、主よ」

 「期待している」


 ブリッツは優男と言った風貌。黒髪に優しげな瞳。イケメンさんである。


 MPを10残るようにブーストを振ったのだが、気分が悪くて仕方ない。

 さっさとやる事やろう。


名前 : ブリッツ

HP190

MP190


・技能

幻術[熟練度0.00]

刀術[熟練度6.60]

指揮[熟練度0.00]

人剣一体[熟練度0.00]


 どうしよう、思ったより強い。

 MPを100つぎ込めば最初からカンストした状態で生まれるという事だ。

 技能の数は減るが、即戦力として利用出来るのは喜ばしい。


 時間を置いて服と刀を購入。

 最強はやはり武士でないと。銃器は除く。


・自身で創造

・ジャンル選択[陸]

・造形『ガーゴイル』

・細部設定 技能『身体能力強化』『物理抵抗』

 消費MP68


・創造しますか?

«はい» «いいえ»


・名称『ガーゴイル』


 流石に造形の設定で『ガーゴイル』と言うのは無理かと思ったが、思った通りに出来ている。


 長く曲った鼻に、醜悪な顔。ひどい猫背からは一対の羽が生えている。それらの全てが石で出来ているが、普通に動く事が出来ている。

 ガーゴイルはマナフライと同様に量産型の守護者で、城の護りの要になる予定だ。

 俺の想像でガーゴイルを創っているので実際とは違うと思うが、全く一緒のガーゴイルなんていないだろうと開き直る。


 気絶しない様に一体ずつ創っていき、計三体が出来上がった。

 追加でガーゴイルを三体増やして計八体。


 コイツらには城の入口に各二体ずつ着いてもらう。


・自身で創造

・ジャンル選択[空]

・造形『妖精』

・細部設定 技能『時魔法』

 消費MP42


・創造しますか?

«はい» «いいえ»


・名称『妖精』


 妖精は身長が15cm程で、虫のような透明な羽を持った人間だ。

 『四階層』でリェースと共に畑の管理をしてもらう。戦闘では期待していない。


 十体創って、それぞれに服を購入する。

 妖精用の服も取り扱っていたのには驚きだ。


 さて、本日最後の新しい守護者を創ろう。

 コレは調理役なので、設定は簡単だ。


・自身で創造

・ジャンル選択[陸]

・造形『人型(女)』

・細部設定 技能『料理術(ブースト+100)』

 消費MP165


・創造しますか?

«はい» «いいえ»


・名称『マーゲン』


 よし、コレで大丈夫だろう。


 「初めまして、マスター」

 「よろしくな。それじゃ、リェースと合流しようか」

 「かしこまりました」


 マーゲンは特徴が無いのが特徴だ。女性の顔を平均したような感じ。

 可も無く不可も無く。あえて言うのであれば、のほほんと落ち着いていると言った感じか。


 マーゲンと厨房に向かう。リェースにも来るように伝えてあるのでもう時期来るだろう。

 厨房を見渡して、何か足りない物がないか確認した後、リェースがやってきた。


 「・・・これ」

 「美味しそうですね!任せてください」


 リェースが持ってきたのはキャベツやレタス、トマトと言ったものだった。


 マーゲンはリェースと軽く相談をすると、献立を決めたようでテキパキと動き出した。


 「何作るんだ?」

 「スープでも作ろうかと」


 足でまといになりそうだったので、マーゲンから離れて様子を見守る。

 そういえば火種が無いな。クローフィを呼んでおこう。

 スープに合うのは何だろうか。

 そうだ、チャーハンにしよう。


 食料を調達出来るのは嬉しいが、守護者が増えてしまったのでMP(食費)は増えるばかりだ。

 守護者は食事を取らなくてもいいハズなんだがなぁ・・・。

 『二階層』はガーゴイルの様などう足掻いても食事が取れないようなタイプにするべきか。

 妖精は俺の中では魔力を食べてるイメージなので数に入れていない。


 今日の夕食は美味しさのあまり、全員から悲鳴が上がった。

 技能[熟練度10.00]☆の恐ろしさを体感した瞬間だった。

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