新『二階層』設定
ギフトside
気が付けば暖かい何かに包まれていました。
大変心地がいいです。
暖かい何かの招待が知りたくて、うっすらと瞳を開けるとマスターの顔が近くにありました。
とても気持ちよさそうな寝顔です。
私は他の守護者に比べてマスターと比較的長くいます。僅かな差かもしれませんが私にとっては大切な事です。
マスターと一緒に居たい。
それが私の願望。
一人でいると恐怖が心を支配してしまいます。
ソレはとても寒くて怖いです。
実はマスターと共に浴場に居た女性の話を盗み聞きしてしまいました。
『人宮一体』の練習をしていると、初めて感じる気配があったので、つい覗いてしまったのです。
話を聞く限りでは女性はマスターの第二の母親の様でした。
そこで聞き捨てならない言葉を聞きました。
「あ、言い忘れてたわ。感情が昂ってる時に守護者を創ると結構引っ張られるから気を付けることね」
「どういう事ですか?」
「アクルとディアは三大欲求の中でも性欲が優先されやすい、とかね」
この様なやり取りなのですが、その中で私の願望の出処を知ったのです。
私がマスターと一緒に居たいと思うのは、マスターが寂しかったから。
私が一人で居ると恐怖を覚えるのは、マスターが見知らぬ土地に一人で来て不安だったから。
私は当時のマスターの映し鏡だったのです。
捨てられたくない。離れたくない。死にたくない。
そんな感情達が私の中を駆け巡り、私を不安にさせるのです。
気が付けば玉座の前にに居ることがあります。
マスターが居ない玉座は私の不安を後押しします。自室を創られた後は尚更です。
だからでしょうか私は自分の主を待つかのように空の玉座を見上げるのです。
でも、マスター。運ばれるのは恥ずかしいので普通に起こして欲しいです。
彼の目尻を指でなぞって、この幸せに感謝をします。
もちろんマスターにも、ね。
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畔木 鴎side
目を覚めるとギフトが微笑みながら眠っていた。
・・・いい寝顔しやがって。
ギフトを起こさないように『謁見の間』へと戻り、玉座の後ろに隠してあった黒い服を取り出す。
最初にギフトに購入した服だ。服というよりは布なのだが、この際どうでもいい。
アイリードに出てきてもらって服を裂いていく。
何をやっているのかというと、布の切れ端を腕に巻こうとしているのだ。
玉座の前に居た彼女の姿を見て神からの言葉を思い出した。
行動に現れている点から見ても、寂しい等の感情が移入しているのは分かった。
なので、俺がこれを巻くことで何か変わるのでは思ったのだ。
初めての贈り物を常に身に付ける事で安心感を与えようという、馬鹿みたいな考えだが、俺からはコレが精一杯だ。
さぁ、夕食にしようか。
昼食が遅かったので丁度いいぐらいだろう。
ギフトを起こさないとな。
夕食を食べ終わり『謁見の間』へと戻って来た。
夜は守護者に爵位を与えた後、鏡の購入をして寝ようと思う。
ギフト(公爵『第一階層統括公位』)
マイン(侯爵『戦力指揮統括候位』)
クローフィ(候位『宮廷魔道士指揮統括候位』)
リェース(公爵『第三階層統括公位』)
アイリード
アクル
ディア
鏡の枚数 150枚
アイリードとディアは武具なので、爵位の名称を考えるのが難しい。
アクルから付けよう。
「守護者アクルを伯爵、『宮廷魔道士第二席伯位』に任命する。有事の際にはクローフィ卿の指揮下に入るように」
名前 : アクル
HP130(+35)→165
MP180(+35)→215
・証
伯爵『宮廷魔道士第二席伯位』
・技能
土魔法[熟練度0.00]
水魔法[熟練度0.00]
光魔法[熟練度0.03]
闇魔法[熟練度0.00]
方陣魔法[熟練度0.02]
魔法射程距離増加
MP消費削減→MP消費半減
MP増加
・伯爵『宮廷魔道士第二席伯位』
ダンジョン内の魔法使いの第二席。
魔法使いの育成。魔法の習熟が主な目的。
有事には戦闘に参加する。
技能『MP消費削減』の付与。
アイリードとディアの爵位は思い付かなかったので別の機会にしよう。
鏡は休み休み購入して、現在は250枚。
物置も、幾つか部屋を統合してスペースを取ってある。迎撃用の部屋は余るほどあるので問題は無い。
俺達の戦い方は不意打ちが主な所だ。
少人数の相手だと余裕で勝てるが、大人数だと少し難しい。小部屋に誘い込むのも手だが、手間が掛かりすぎる。
新たに守護者を創るか?それも手だが、トラップを利用するのも良いかも知れない。
いっその事、階層を繋げてみるのも面白いかもしれない。
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『一階層』
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『新階層』
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『一階層』と『新階層』を何度か往復しなければ深層に到達出来ない様に創造すれば、時間を稼ぐ事も可能になるだろう。
トラップを配置すればより強固な物が創れる。
『一階層』と『二階層』との間に階層を創ってから構造を考えよう。
時間を掛けて複雑な通路を設定してやろう。
『二階層』
規模 : 2km四方の正方形×高さ100m
内見 : 未設定
消費MP300
創造時はクローフィにMPを譲渡してもらう予定だ。
名称が『二階層』となっているが、本来の『二階層』は『三階層』へと一つずつズレていく様だ。
デモ映像を眺めながら設定を考えていく。
まずは『一階層』と『三階層』とをエレベーターで繋ごう。
チンタラと謎解きをしたくないので、ショートカットを創造。
エレベーターを簡単に使われても困るので使用可能条件を守護者とソレに準ずる者に設定。
探索する事で使用可能条件に『自身』を追加するギミックも要るな・・・。
攻略不可能にするつもりは無い。
俺が指揮を取れば攻略は不可能になるが、強敵でも無い限り介入は控えようと思う。
さて、この先はどうしよう。
2kmも歩くのはシンドイか・・・。『一階層』の真ん中程(1km地点)にエレベーターを配置し直そう。
『一階層』と『二階層』とを完全に重ねてしまう。
入口からエレベーターまでを石橋で繋いで、今まであった部屋を除去。
客間、各守護者の部屋、物置を『三階層』へと移動して、『一階層』をほぼ空にする。
入口から入ってエレベーターを素通りすると『二階層』に降りられるように、別のエレベーターを配置。
『二階層』用のエレベーターを包むようにしてドーム型の城を建造。半分に切ったアボカドを寝かした様なイメージだ。
高く設定しているので、思い切って城の最高の高さを90m程にしてみた。
ドーナツ型の城の入口を4箇所開けて、適当に部屋などを作っていく。
城の統治については新しく守護者を創るとしよう。
『三階層』へと続くエレベーターを動かすギミックだが、ある印を提示すれば動くように設定する。
印は、『謁見の間』に飾られてある国旗の物を使用させてもらおう。
国旗はオレンジの下地に、赤い斑点模様の薔薇を咥えている白い鳥が描かれている。
玉座がダンジョンの一部だったように旗も一部として見なされていたので、何処にでも配置可能だ。
大体はこんなものだろうか。
往復させるつもりが、見た目重視になってしまっている気がする・・・まぁ、問題無いだろう。うん。
『二階層』を『一階層』と統合しますか?
『一階層』、『二階層』、『三階層』の消費MPを確認しようと思ったが、階層を統合するかどうかの確認が聞かれた。
どうやら階層の区切りが無いのが原因らしい。
『一階層』と『三階層』はエレベーターで区切られているが、『一階層』と『二階層』にソレらしいものは無い。
別に統合しても良かったんだが、爵位によるブーストを期待して統合するのをやめた。
城が完全に沈むように水を引いて、一応の階層の区切りとする。
階層がガラッと変わるので、創造後は爵位の変更もしなくては。
『一階層』
内部変更
消費MP100
『二階層』
規模 : 2km四方の正方形×高さ90m
内見 : 水中
建築物 : 城(ドーム状)
消費MP350
『三階層』
内部変更
消費MP50
合計で500の消費か。MPブーストしてもギリギリだな。
チマチマと変えるだけならMP消費は少ないのだが、大きく変えるとMP消費が多くなる。一つ勉強になった。
創造は明日決行する事にしよう。
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『一階層』
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~~~(水面)~~~
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|| 『二階層』
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( 城入口 )
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※あくまでイメージです。