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ダンジョンと共に往く  作者: 畔木 鴎
序章 地下へと続く道
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彼は突然現れた。

拙い文章ですが、よろしくお願いします。

  俺の死に際さいごは記憶に新しい。

  死んでからどれだけの時間が経っているのかは分からない。気が付けば再び肉体を得て活動していた。


  目が覚めた。気が付いた。

  どちらが正しいのか知らないが、俺はある空間に居た。

  その空間は、『滅びた国の朽ちた城』こう言う表現が相応しいだろう。正確には、【『滅びた国の朽ちた城』の謁見の間】だが。


  謁見の間を探索していて気がついた事は、ココからは出る事が出来ないという事だ。

  数人掛りでやっと開きそうな重厚な大扉は俺の力ではビクともしないし、窓には何も映っていない。


  不思議なのは、陽の光が無いのに視界が通るという事だ。松明や蝋燭(ろうそく)の類は一切無かった。

  どうやら寒さも感じない様だった。裸足で石畳の床を歩いても何も感じず、常に適温だ。


  □


  そうだ。この謁見の間の間取りを説明しよう。

  正直、一人は暇だ。少し暇つぶしに付き合って欲しい。


  謁見の間の出入口は先程も説明した大扉。

  出入口から玉座までは一直線に敷物が敷かれている。今はボロ雑巾の様だが、かつては敷物だけで王の力が分かったのでは無いだろうか。


  敷物の先には玉座がある。座ってみてもそれなりに余裕がある程の大きさだ。背板と座には黒の革が張られており、微かに残る金の装飾が人の世の栄枯盛衰(えいこせいすい)を示していた。


  玉座の背後には、扉同様に大きなステンドグラス。中心部には剣を取る王が居り、その周囲には平伏す騎士達の姿がある。


  その他の装飾は、敷物を挟むように立っている六本の柱。灯りの灯らない二つのシャンデリア。壁に幾つも掛けられた国旗ぐらいだろうか。


  紹介したどれもが人々を魅了し、王の意向を強めた事だろう。


  騎士は誇りを、貴族は民を、王は国を。

  そうやって護られてきたのであろうこの場所が滅んだのは何故なのだろうか。



  俺は自身の滅びを思い出していた。


  未だ暇つぶしには事欠かない。

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