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新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~  作者: じゃがバター


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99/388

97.販売

総合評価 7,777pt

先ほど見たらちょうどこの数字だった!

思わずこぴーあんどぺーすと。

ブックマーク評価ありがとうございます。

 お茶漬たちと合流。

 依頼品の受け渡しをしたわけだが、相変わらずレオの現金が心もとなく物々交換に変更。


 大棘カサゴ、虎口鱒(とらぐちます)、ナナ星アマゴ、穴子鰻(あなごうなぎ)、ハモ(はも)青若鮎(あおわかあゆ)一角鮪(いっかくまぐろ)……聞いたことのない魚が大量に。


「あれか、レオが金がないのは釣り道具と危険地帯移動の弊害か」

値段の見当がつかんがおそらく貰いすぎだ。


「わははははは! 逃げ切るの大変でな! よく失敗する!!!」

「自重して?」

お茶漬が疲れた声でレオに反省を促す。


「値段わからんが、量あるし委託で売り払ったとしてもきっと魚のほうが高いぞ」

「うんのが面倒だからいい!」

好きなことだけする姿勢は羨ましくも見習った方がいいのか、後先考えろと説教した方がいいのか。


「まあじゃあこれも付けとく。【釣り】持っていない身としては魚が大量なのは嬉しいしな」

高HP回復薬と活性薬をレオの荷物に放り込む。


「あ、そうだ。シンもこれやるから余ってる何かよこせ」

「なんだ? 『ファイア・ポリプのグローブ』? お、能力いいな。レア?」

「ファイナのレアボスドロップ。火属性使うならピッタリだろ? 外見は生産職になんとかしてもらえ」

委託販売の端末から自分の契約ストレージがいじれるため、余った時間で倉庫整理をしていた私。

 そろそろファイナのレアボスも遭遇した人が出てくる頃だろう、たぶん。


「うーん、こないだの藁とか(なら)とか素材ならあるけど、ドロップ装備でホムラが使いそうなのないなあ」

「楢くれ楢」

「そんなんでいいのか?」

「杖の材料だからな」

「オッケーオッケー」

交渉が成立して楢×10を受け取る。


「藁とか木とかレンガとかは取っておいたほうがいいよ。クランハウスで自室作る時使うって」

「藁がでしか?」

「土壁に混ぜるとかか??」

「なんか大工に取ってこいって言われるクエストあるみたい?」

「あぶねぇ、売っぱらうとこだった」


「長男オークの藁、次男のオークの木、末っ子のオークのレンガ、各三つ必要だって。運が悪くない限り一回で済むよね。余ったの売るならクランハウスに使うことがもうちょっと広まってからのほうがいいかな? きっと戦闘しない金持ちな生産系クランが高く買ってくれる」

ちなみにシラユリ情報だそうだ。


「ロイたちはもうクランハウス買ったのか?」

「いや、まだみたい。下準備で買うために説明受けたらそう言われたらしい」

「金持ち〜! 転移代でもツライのに」


「迷宮のボスやってる人まだ少ないでしから、迷宮素材が高く売れるでしよ? なんでそんなにお金がないんでし? そっちのほうが不思議でし」

「まさか上限決まってる委託に放り込んでるとか……?」

「え? 他の方法あんの?」

お茶漬のツッコミに聞き返すシン。


「アホなのバカなの!? ニーズに合わせて売ったり値段決めるの面倒なら、プレイヤーの露店で買取専門店だってあるのに!!!」

「「えぇ〜っ!」」

悲鳴が二つ聞こえた。


「レオもでしか!」

「なんというか子豚シリーズのドロップが無事でよかったな」

もう少し経ってたら二束三文で売り払われていたかもしれん。


 レオとシンの二人はお茶漬から教育的指導をされながら買取露店の場所を聞いている。商業ギルドの委託販売は端末がジアース以外にもできて便利だが、値段の設定はギルドの定めた設定値の間で選ぶため、まだ珍しい素材もそんなに高くは売りに出せない。


 値段の自由に設定できる露店で売れば高く売れるものを、面倒がって委託販売で売りに出すのを狙って一般的なログイン時間の終わりあたりに出物はないかと委託端末に張り付いてチェックする人もいるそうだ。


 そんな私も分かってはいるが面倒なので後で、と売りもせずに溜め込んでいるものが多いのだが。なので二人への説教は眺めるだけにとどめた。

 お披露目するといろいろ出自を聞かれそうなものが多いのも溜め込むのに拍車をかける。委託販売名はレンガードなので平気なのだが、対面取引は仮面を着けていても避けたいところ……。



「そういえばクランハウスどうする?」

「「欲しいけど金がない」」

「共通ストレージがつくんでしよね?」

「うん」

「共通?」

聞いたら偶にはお知らせを読みなさい、と叱られました。


 共通ストレージはまんま、クランメンバーで共通で使える倉庫。基本はクランメンバーなら出し入れ自由な容量が100、他に個人が各50までで個人の倉庫は本人しか出すことはできないが、入れるほうはクランメンバー外でさえ自由。プレゼントの送り合いや、生産素材の共用などができる。

 容量は商業ギルドに金を払うことで増やせる。


 あとは店舗と同じように生産施設も入れられるし、転移プレートも置ける。金を払えば、だが。どこまでも金が付いて回る。


「クランハウス作るとしたらどこ希望?」

「南国南国」

「緑があるところ」

「海あるとこ!」

「便利なとこがいいでし」

お茶漬の問いに答えたのはシン、私、レオ、菊姫の順。


 ちょっと前まで迷宮にこもっていて、出てきてもこの街は砂色だ。屋根だったり、干してある布なんかは原色系が多くて派手なのだが、迷宮を抱えてそびえ立つ断崖の色が基本色。たぶんそこから切り出した石が建材なのだろうから仕方がないといえば仕方がない。

 緑が恋しい今なのだ。



 ただいま二の郭の揚げ物がうまい食事処でダラダラしながら会話中。


「まず土地の確保だけど、異邦人(プレイヤー)向けに売りにでてるのって基本決まってるから」

お茶漬曰く買えるのは以下の場所だそうだ。


 ジアース国 サーにある森と泉の別荘地。

 ターカント公国 迷宮探索に便利な首都バロン周辺。というかターカント公国はバロンしか都市がない。

 アイル国 アルバルとヴァルノール……って小国挟んで帝国側だ、きな臭い。

 ファガット国 カナル周辺の小島


「まだ生産組がギルドハウスというか、店舗をクランで広めなのを建ててるだけかな? クランとして販売実績あれば店舗としてファストに出せる可能性もあるけど僕らは無理ね」

お茶漬が補足しながら説明してくれる。


「そういえば私、ファストに雑貨屋と酒屋出すぞ」

「ぶ! なぜに二店舗も!」

「なんか酒屋がファストにないんで出して欲しくてしょうがなかったらしい。私のというか接客とか全部商業ギルド職員だな。私は作るだけ」

「何をどうしてそうなった」

「あー、ファストの酒あんまおいしくないよね」

酒を飲む菊姫とシンにえらく納得された。


 いざとなったら酒屋の三階が空いているが、さすがに六人には手狭だし、どうやって借りたか根掘り葉掘り聞く奴が出てきて皆に迷惑かけるかもしれんなぁ。



「冒険者ランクが上がればもっと街中とかに選べるらしいけど、この世界は大工さんによる建物解体運搬建替えがあるそうなんで、選べるようになるのまだまだ先そうだし売りに出てるところから素直に選んでいいんじゃないかな? もしくは街中に借家。すぐ欲しいなら借家かな、お財布事情的に」


「とりあえず何かのついでに売りに出てるところとか借家とか見てきて考えるでし」

「小島が夢が広がリング」

「全員揃ったら転移タクシーするからそれぞれのおすすめ見て歩こう。転移門開けてないところには連れて行けないから各自下見がてら開けといてくれ」


 そう言いつつ、あげられた場所をもう一度考える。

 ジアースが攻められるとしたら魔物から、強い魔物はナルン山脈にいる。サーはナルンに一番近い街。

 カナルの小島は隔離。こう、どこも冒険者を盾にするか、隔離するような世知辛い場所だと思うのだが、私がひねくれてるんだろうか。まあ、バロン以外自然環境は良さそうだ。


「参考までにいうと掲示板で、生産板の店舗をどこで出すかというのの結論がファスト、ファスト溢れたら次点でドロップよければ迷宮のあるバロンだったんで、転移代考えると一緒の場所がいいんじゃないかなってのもあった」


「ぶっ!」

「シビアだなおい」

お茶漬の話に金欠二人組が悲鳴をあげる。


「他国だと買い物のたびに神殿の転移に四万払うことになるからね。同国内だったら大した影響ないだろうけど」

「まあ、そのうちさらに違う国も増えそうだしな」

「お金貯めつつ様子見するでしか?」

「国だけでも決めとくといいかな? 住みたい国のギルドクエこなして信頼度上げると、今買ったり借りたりできない場所も解放されるらしいよ?」


 ああ、Bランク昇級クエは住民の信頼度がどうとか言っとった気がするな。初期の頃広場でバザーとかやって迷惑かけとるし、強さを持った得体の知れない異邦人はまとめて隔離しとけ、という気持ちもわかる。排除でないだけいいと思う。ちゃんとそこから安全そうなモノ、自分たちに益になるようなモノは区別して受け入れる、というのはアリだろう。



「まだCランク達成したのがチラチラいて転移代のせいでジアースのダンジョン先に攻略してるとかのほうが多いから、平気だけど。あんまり様子見しすぎてると今度は先に押さえられちゃって埋まっているという罠がある」

特にファストは生産職で埋まり始めたらしい。


「ジアースに家借りて安く済ませて、買い上げは金を貯めて個人で。さらに金が溜まってランクが上がった頃にクランハウスをどこかに購入、がいいんじゃないか? その頃にはあちこちもうちょっと気楽に行けるようになってるだろうし」

「あー借家も早くしないと埋まりそうだし、お財布的にもそれがいいかな〜。まあファストにマメに戻らないなら他の国でもいいけど、最初は借家探す方向でどうよ?」

私が提案すれば、お茶漬が少し修正して同意する。


「その方向でいくか〜。借家でいいとこ探そう!」

「おー! でも小島もいいとこあったら見る!」

「わかったでし」

「お値段も考えてね?」


「転移代は転移石一万で売ってやるから、国外は往復二万が一回にかかると念頭に置いて選べ」

今委託販売で出ている闇と光の属性石が委託上限の5,000シルで出ていることが多いため委託で買った材料で作ったら原価である。

私は幻想ルートで拾ってきた分があるし、妖精までならソロでもいけそうなので、他のプレイヤーが来ていない今、通えば結構な儲けになる気がする。


「げ、そういえば往復か! 神殿八万!!!!」

「うぇぇぇぇ」

金欠二人組が一番ハウスに対してドリーマーなんだが、大丈夫なんだろうかと何となく心配になって、転移代の提案と確認をすればやはり少々甘く見積もっていた様子。




 まあ、私も開店準備終えたらあちこち見にいこう。



 ……その前に騎獣か。





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― 新着の感想 ―
活動拠点としての家か、俗世間から遠ざかる為の家か、それが問題。てか、ゲーム内でも金欠とかw
お家はほどほど都会でよく行く場所に近いのが正解
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