87.まきこまれ?
ジャンルの選び直しの通知が来ていたので
選び直しついでに副題つけました。ネーミングセンスはない自覚はある!
そして誤字脱字、アホウな間違いなどご指摘受けたところを修正しました。
話的には影響はないかと思います。
「ホムラ君?」
笑顔のイーグル。
「ホムラは話せることをキリキリ吐いたほうがいいと思うな、オレは」
肉と玉ねぎを交互に挟んだ焼き串を私に向けてくるガラハド。
「話して楽になったほうがいいわよ?」
笑っていない目の笑顔なカミラ。
「いや、宴席で漏れ聞いた話だ。本当に【使命】とやらでは無い……」
言いかけた時、すべてが白く染まった。
白い空間にこちらに背を向けて肩越しに横顔だけをのぞかせる輝く金髪の神。
注目を待っていたかのように全員の視線が集まると、バッとローブの裾をさばいてこちらに向き直る。
『ホムラ! 白き獣を得た君に宣言どおり武具を授けよう!!』
「帰れ」
「な、なに?!」
エコーがかかった神々しい声を無視して短く答えれば、素の声が返ってきた。いや、素でも十分神々しいのだが、神々しいのだがな。
うん、あのポーズならどこの位置に人がいてもある程度格好はつくよな、話し始めたのも相対してからだし、無駄に学習能力が高い。
「試練も武具の配布もほかの神々からストップかかってるのではないのか?」
「うっ」
わかりやすく言葉に詰まるヴェルス、カマをかけたら図星だったようだ。
ほかの神々がそのようなことを言っていたからな、特にルシャは職人が困ると。とりあえず色々ややこしくなるから帰れ!!!!
「だ、大丈夫だ。次回からは【試練】の頻度も、【試練】の度合いにより与える武具のランクも他の神々と取り決めた。この光の神ヴェルスは 柔らかな闇の帳 森の奥に咲く百合の花 清楚で 愛らしく 可憐で 嫋やかなる 夜のやさしき月影 麗しいその光 美しき女神ヴェルナ と我が名に誓ってそれを守る」
「視線を思い切りそらしているのは何故だ」
「気のせいだ! それよりも君だ!」
「私?」
「この光の神ヴェルスはあの時宣言した、白き獣を得る試練を成し得た者に我も武具を授けよう、と。神が言を違えることは許されぬ」
「いや、そもそも白は試練で得たものではな……」
「私が自由に! 武具を! 授けられる機会はまた暫く無いのだよ」
発言の途中で本音をかぶせてきた。
「……わかった」
いや、私が貰える話だしいいんだが。いいのか?
「よし! ではこの光の神ヴェルスの武具を授けよう! 受けたまえ!」
私の前に大きな光の塊が現れる、それに手を伸ばすと光が消え大剣が一振り残った。
「ふふ、喜びたまえ!! 私のとっておきだ! ああ、おまけだ!」
その言葉とともに私と焼き串を持って固まっているガラハド達のところに先ほどよりは小さな光が。私の前にあるそれは形状を変えず、胸にあるバハムートの青い宝石に吸い込まれた。
「ではまた会おう! ああ、迷宮の食材には私も参加させてもらうよ! なに、礼は食事でいいよ」
《称号【ヴェルスの眼】を手に入れました》
《『ヴェルス断罪の大剣』を取得しました》
《『ヴェルス断罪の大剣』を取得したことによりスキル【断罪の大剣】を取得しました》
《『蒼月の露』を取得しました》
騒がしい闖入者は消えていった。
ため息をついてガラハド達の方を見ると手には焼き串と大剣、焼き串と剣、コーヒーと弓を持った三人の姿と、焼き串の消えたたき火が見えた。
手を付けてない焼き串はヴェルスが持って行ったのだろう。
「えー……、オレにヴェルスの【祝福】が出たんだが」
「同じく」
「出たわ」
ヴェルスが居たあたりを凝視したまま言う三人。
「おめでとう?」
三人が途方に暮れているが、私だって途方にくれる。大剣のスキルなぞ欠片も持っとらんわ!!!
称号【ヴェルスの眼】は欺瞞・隠蔽・偽りなどを見抜く。
『ヴェルス断罪の大剣』は白銀に輝く大剣、下手をするとレオや菊姫よりデカイかもしれない、片手盾より幅がありそうだ。良かった金色じゃなくて。
能力はぶっ飛んでる上に、ヴェルスの与える武器の中で最強とか不穏な文字が見えるのだが、大剣の適正職もスキルも持っていない私は振れない罠よ。振ったら多分剣に引っ張られて体ごと障害物に突っ込んで行くか、剣を地面に振り落として腕をシビレさせるかのどちらかだ。ランクは相変わらず『神器』とか見えるし、使えないならガラハドに、と思えば【ホムラ固有武器】とか載ってやがるし、当然のように【譲渡不可】だし。
本気でヤツは自由にやれなくなるからって人の都合を考えず自分の好きな武器置いてきやがりましたね。
まあ、これに限らず頂いた神器装備は【譲渡不可】がついていて耐久値の表記がないものがほとんどなのだが。今から大剣スキルとったとして神器を使えるレベルまで上げるってどこまで上げればいいのか。
あれ、職業的に扱えない? Rank20以上は適正職でないとスキルがあっても扱えないんだったか、大剣は魔術士始まりの魔法剣士には持てなかったような……。
後で調べよう。
スキル【断罪の大剣】は武器固有スキルであるらしい。戦闘を続けると与ダメージに応じて力が溜まり、一定以上になると撃てる必殺技のようなもの、のようだ。どうやらこの剣でダメージを与えなくともいいらしい。やってみなければわからないがこの説明の通りなら大剣自体は振れなくてもスキルの発動させられるかな、どうだろう。
『ヴェルス断罪の大剣』はとりあえず仕舞っておこうとしたら、私の腕の中に消えていった。
え、ちょっと勘弁してくれ。ヴェルスが造ったものがずっとひっついているとか何かヤダ!
《固有武器の登録が完了し『ヴェルス断罪の大剣』が使用できるようになりました》
ぐふっ
そういう仕組みなのか。
使えないものよこしやがってとか思っててすまぬ、すまぬ。呼べば出るようです。
エフェクト的には私の掌から白い光が現れだんだん伸びていって剣の形をとる、みたいな。自分のなかにあるものだから私が敵にダメージを与えれば力が剣に溜まるのか? ようわからんが。
だがしかし、大剣を振ってみるとかなり不格好だ。ダメージはいくのかもしれないが、【大剣】スキル持っておらんからだろう、ヨタヨタヨレヨレに見えるんじゃなかろうか。見えるだけでなく、当たれば大ダメージ、当たらなかったら自分がスキだらけみたいな。
一応【剣王】なのに情けない。
『蒼月の露』はバハムートが姿を変えていた首飾りが、デザインそのままに首飾りになった。
言っていて日本語がおかしい気がする。
説明文に「バハムートの住処、中に潜む間バハムートを癒す」とあるので今の首飾りはバハムートとは別物として在るのだろう。効果は先述のものと「装備する者の周辺はバハムートの攻撃等の影響を受けない」だった。
大剣よりこっちがメインアイテムじゃあるまいか。これがないとバハムートが復活したら一番に戦闘不能になりそうだ。元の大きさに戻るときに悪気なく尻尾でぷちっとか笑えない。
ついでに先ほどサラマンダーとのボス戦で手に入れた称号、アイテム。
【火の制圧者】火属性系からのダメージ半減、灼熱などの気候、溶岩などの地形からのダメージ効果無効。
『炎の短剣』ステータス異常【燃焼】の効果がついた短剣、たぶん短剣としては能力値が飛びぬけているのだが、投げナイフしか持っていないので比較ができない。炎のエフェクトつきで振るうとエフェクトが大きくなる。
こっちは大体名前で分かるので後回しにしていたが、まあ予想通りの効果、効果の大きさは半減とか無効とかの文字が躍っていて予想より大きかったが。
「オレは最年少で円卓の試練を受けてアシャの【祝福】貰ったし、自分では今まで【祝福】を受ける儀式に対して堅っ苦しくてあほらしいと思ってたんだが」
ガラハドが手にある大剣を見ながら言う。
「なんというか、結構あのカッコつけた儀式って高揚感があって好きだったんだなって自覚した」
直訳するとヴェルスがヒドイ、でよろしいか?
「うん、私も【アシャのチラリ指南役】に触れずに避けていたくらいには、アシャから【祝福】を賜る場面のあの荘厳な雰囲気を好いている」
聞かれないと思ってたら避けてたのか。【房中術】と違って神々関連のところにあるのに聞かれないからちょっと不思議に思っていた。
「厳粛な空気って大切だと思ったわ」
「三人が三人ともアシャの【祝福】持ちなのは何か決まった試練を受けて獲得してるのか?」
最初にみたときは三人一緒にアシャに会ったのかと思ったが、どうやら別々の時期に会っているようだ。もしや円卓の騎士――いるかどうか確定していないが――とその候補は全部が全部アシャの【祝福】持ちなのか。
「ちょっと特殊な"騎士"になるための試練なんだけどな。とりあえずホムラからアシャのことを聞くのは止めとこう。オレの中の大事なイメージが絶対崩れる気がする」
うん、初対面パンイチだったからな!
大丈夫、今は更生してる、具体的に言うと服を着ているよ!
って言ったら凹むだろうか。
「ホムラ君、あったら酒をくれないかな?」
「おう、飲ませろ!」
「確かに、ちょっとこの微妙な気分をお酒で流したいわね」
宴会になりました。
カナッペ三種。薄切りバケットにチーズ、さらに粒マスタードをひとつまみ乗せて焼いたもの、生ハムとトマト、トマトとモッツアレラ。ししとうを素揚げして塩胡椒をしてスティックサラダのようにコップに縦に突っ込んだもの。普通のスティックサラダ。マグロのタルタルをアンティーブに乗せたもの。つい最近までアンティーブを白菜の中の方かと思っていたのは私だ。
唐揚げには楊枝を刺した。そのほかとりあえず手で摘めるようなものを適当に出して行く。
ガラハドは火酒、イーグルは冷えた黒ビール、カミラはワインだったか。
私はアイスティ。
「使命の話、とりあわねぇですまなかった! 食材とかそらっとぼけて韜晦してんのかとおもってたぜ」
「実はファルの泉の話も面白おかしく脚色して話してると思っていた」
え、私だいぶ残念女神のことは端折って裸みたがるとかパンツは伏せたよな? それでもアウトだったのか?
「ごめんなさい、なんというか、あなたから漏れ聞く神々の姿が今までピンとこなかったんだけど……」
「ヴェルス見て本当だと腑に落ちたんだな?」
気まずそうに視線をそらす三人。
元々持っていた神々のイメージと先ほど見たイメージが戦っている模様。
「で? 何を貰ったんだ?」
まだ戸惑っている三人を見て話題を変える私。
「『ヴェルス断罪の大剣レプリカ』! そのまんまレプリカなんだろうが、なかなか能力スゲェし固有スキル【断罪の大剣】がついてる」
ガラハドが景気づけか火酒を一気に飲み干してから答える。
「私は『ヴェルス断罪の剣レプリカ』だ。固有スキル【断罪の剣】、同系統だろうね」
「『ヴェルス断罪の弓レプリカ』、固有スキル【断罪の矢】。やだわ、私、弓なんて上がりにくくなったレベル30で放置してるのに」
弩とか大弓など平均的でない弓以外は【弓術】スキルで対応できる。同じく剣も大剣や突剣などでなくただの剣ならば【剣術】でいける。
「安心しろ、私なんて【大剣】スキル持っていない」
うわあ、ご愁傷様って口に出さないけれど顔で丸わかりな表情でみられた。おのれ。
「ホムラのでかいのがオレのレプリカの本物?」
「かな? 『ヴェルス断罪の大剣』でスキルは一緒だ」
「では少なくとも私の持つ『剣』と、カミラのもつ『弓』の本物があるのかな?」
「あるんでしょうね」
ガラハドの持つ『ヴェルス断罪の大剣レプリカ』は私の持つものより装飾が少なく、表面もつや消しのように鈍く輝くのみだ。ちょっと待て、私的にはこっちの方が格好良いんだが。
「ヴェルスの【祝福】ってヴェルナと同じく幸運が上がるのよね、ちょっと嬉しいわ。ところで称号【まきこまれた者】も取得したんだけど」
「オレもだぜ」
「『光の神ヴェルスもしくは火の神アシャに勇者と共に会うことによって与えられる。通常称号【勇者の仲間】など、対象となる勇者等の持つ周囲に効果を及ぼす称号の恩恵10%増』」
イーグルが称号効果を読み上げる。
ううう、巻き込んだことを否定できない!
「仲間であることを自覚した時、対象となる勇者等のスキルを一つ使うことができるようになる。ただし効果は半減、固有スキル不可。精霊、召喚獣などは相性や親密度にも左右される」
「ふふ、何を選ばせてもらおうかしら?」
イーグルの後を受けてガラハドが効果の続きを読み上げ、カミラが笑う。
スキルを選ぶということは"仲間"と思ってくれているわけだ。
ちょっと、いや、だいぶうれしい。
「そうだな、ホムラはスキルの数が多いからな。ゆっくり選ばせてもらおうかな?」
「で。ずっと言いたいのを我慢してたんだが【房中術】って何かな?」
「ぶ!!!」
「ホムラ君? 【房中術】って名前からしてアレなきがするんだが」
「ちょっと、どこにあるの?」
「【生活魔法】【地図】とかにまじってんだよ」
覚悟はしていたけど、バレた!!!!!!
□ □ □ □ □
・増・
称号
【ヴェルスの眼】
スキル
【断罪の大剣】
【降臨】『ヴェルス』
□ □ □ □ □
ホムラ Lv.35
Rank C
クラン Zodiac
職業 魔法剣士 薬士(暗殺者)
HP 1219
MP 1570
STR 64
VIT 34
INT 123
MID 43
DEX 40
AGI 70
LUK 58
NPCP 【ガラハド】【-】
称号
■一般
【交流者】【廻る力】【謎を解き明かす者】
【経済の立役者】【孤高の冒険者】【九死に一生】
【賢者】【優雅なる者】【世界を翔ける者】
【痛覚解放者】【超克の迷宮討伐者】
【防御の備え】【餌付けする者】【環境を変える者】
【火の制圧者】
■神々の祝福
【アシャの寵愛】【ヴァルの寵愛】
【ドゥルの寵愛】【ルシャの寵愛】
【ファルの寵愛】【タシャの寵愛】
【ヴェルナの寵愛】【ヴェルスの寵愛】
■神々からの称号
【アシャのチラリ指南役】
【ドゥルの果実】【ドゥルの大地】【ドゥルの指先】
【ルシャの宝石】【ルシャの目】【ルシャの下準備】
【ファルの睡蓮】
【タシャの宿り木】【タシャの弟子】【タシャの魔導】
【ヴァルの羽根】
【ヴェルスの眼】
【神々の印】
【神々の時】
■スレイヤー系
【リザードスレイヤー】【バグスレイヤー】
【ビーストスレイヤー】【ゲルスレイヤー】
【バードスレイヤー】【鬼殺し】
【ドラゴンスレイヤー】
■マスターリング
【剣王】【賢王】
スキル(3SP)
■魔術・魔法
【木魔法Lv.30】【火魔法Lv.30】【土魔法Lv.28】
【金魔法Lv.27】【水魔法Lv.27】【☆風魔法Lv.30】
【☆光魔法Lv.28】【☆闇魔法Lv.30】
【☆雷魔法Lv.29】【灼熱魔法Lv.15】【☆氷魔法Lv.25】
【☆重魔法Lv.25】【☆空魔法Lv.25】【☆時魔法Lv.28】
【ドルイド魔法Lv.28】【☆錬金魔法Lv.17】
■治癒術・聖法
【神聖魔法Lv.29】
【幻術Lv.1】
■魔法系その他
【マジックシールド】【重ねがけ】
【☆範囲魔法Lv.29】
【☆魔法・効Lv.24】
【☆行動詠唱】【☆無詠唱】
【☆魔法チャージLv.19】
■剣術
【剣術Lv.31】【スラッシュ】
【刀Lv.32】【☆一閃Lv.25】
【☆幻影ノ刀Lv.19】
【☆断罪の大剣】
■暗器
【糸Lv.35】
■物理系その他
【投擲Lv.6】
【☆見切りLv.28】
【物理・効Lv.17】
■防御系
【☆堅固なる地の盾】
■戦闘系その他
【☆魔法相殺】【☆武器保持Lv.25】
【☆攻撃奪取・生命Lv.7】【☆攻撃回復・魔力Lv.25】
【☆スキル返しLv.1】
■召喚
【白Lv.14】
【☆降臨】『ヴェルス』
■精霊術
水の精霊【ルーファLv.23】
闇の精霊【黒耀Lv.31】
■才能系
【体術】【回避】【剣の道】
【暗号解読】【☆心眼】
■移動行動等
【☆運び】【跳躍】【☆滞空】【☆空翔け】
【☆空中移動】【☆空中行動】
【☆水上移動】【☆水中行動】
■生産
【調合Lv.28】【錬金調合Lv.35】
【料理Lv.33】【宝飾Lv.22】
■生産系その他
【☆ルシャの指先】【☆意匠具現化】
【☆植物成長】【☆緑の大地】
■収集
【採取】【採掘】
■鑑定・隠蔽
【鑑定Lv.40】【看破】
【気配察知Lv.41】【気配希釈Lv.39】【隠蔽Lv.40】
■解除・防止
【☆解結界Lv.1】【罠解除】
【開錠】【アンロック】【盗み防止Lv.24】
■強化
【腕力強化Lv.7】【知力強化Lv.11】【精神強化Lv.9】
【器用強化Lv.8】【俊敏強化Lv.10】
【剣術強化Lv.8】【魔術強化Lv.10】
■耐性
【酔い耐性】【痛み耐性】
【☆ヴェルスの守り】【☆ヴェルナの守り】
■その他
【HP自然回復】【MP自然回復】
【暗視】【地図】【念話】【☆房中術】
【装備チェンジ】
【生活魔法】【☆ストレージ】【☆誘引】
【☆風水】【☆神樹】
☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの




