表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~  作者: じゃがバター


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/388

56.クラン

「おっと、ランク試験は個人だから先にクラン設立申請しようか」

「よろしく〜」

昇格試験は個人のイベントフィールドに入るためかパーティーが解かれてしまうのでクランの登録を先に済ますことになった。


 冒険者ギルドのカウンター、こちらをみて笑顔を向けてくれた受付嬢にお辞儀をして端による。

 ……私相手の笑顔でよかったんだよな? 違ったら恥ずかしい。

 本日も受付嬢のファンはギルドに出勤している。こいつらいつ冒険してるんだろう。


 ちなみに「よろしく〜」などと余裕をかましていたシンはクランの登録料頭割り金五万シルは持っていたが個人の登録料十万シルにははるか足らなかった。ついでにレオも。

仕方ないので二人にキリよく十万シルずつ貸し出す。

「すまんすまん」

「ありがとう!」

「いいけど、返せよ?」

「おー!」

「貯めよう」


「あー、クランの名前何にする?」

カウンターから振り返ってお茶漬が聞いてくる。

「ゾディアックでいいんじゃね?」

「うん」

「それでOK」

ゾディアックは他のゲームで使っていたチーム名だ。



 クランの構成と主な権限は以下のとおり。


 マスター 1人  様々な権限を持つ

          バイスの任命、バイスの権限

          の白紙化、除名。

 バイス  2人  様々な権限 をもつ

          ビジターをコモンにできる。

          チーフ権限の白紙化、除名。 

 チーフ  ー   勧誘した冒険者をビジター

          として招待と取消可能。

          共有スペースの模様替え。

 コモン  ー   一般メンバー。クラン内に

          部屋を持つことができる。

 ビジター ー   クラン会話、クランハウス

          の一般共有スペース入場可能。

          お試し入団。


 マスターが一ヶ月ログインしないと就任歴の長いバイスがマスターと交代する。



「バイスって副マスのことかね」

「だろうなぁ」

「ん、終了。ゾディアック片仮名通らなかったから英語にしといた」

「Zodiacか」

名前はかぶってはいけないようだ。

「そそ、勧誘メール出したから参加よろ」

メールを開いてクランに参加を選ぶ。

 これでビジターだ。

 すぐにお茶漬からコモン昇格のメールが届く。


「コモンのメール行ったら、受付で金払って終了かな」

「了解」

お茶漬の言うとおりカウンターで手続きをする。ギルドカードにクランの情報が書き込まれる。手続きを終えるとメールが三通。コモンへの昇格、チーフへの昇格、バイスへの昇格。


「おい、肩書きいらんぞ」

「不規則ログイン代表と平均的ログイン代表にしてみた。レオのお守りもよろしくね」

「いらないでし〜!」

「拒否権を発動する!」

「わははは」

「頑張れ!」

「よろよろ」

マスター押し付けたらバイスを押し付けられた!


「じゃあそれぞれ昇格試験だな」

「おー」

「また後で」


 誰かが受付嬢に話しかけるたびパーティーから消えてゆく。イベントのシングルエリアに入って自動でパーティーから抜けてゆくのだ。私が闇の神ヴェルナと会った時は死に戻りを心配させてしまったが。

 離れていても同じクラン所属ならパーティーを組んでいなくとも、会話ができるようになったが、イベント中は生憎クラン会話もメールも届かない。クラン会話は切ることも、参加だけしてこちらの音を伝えないで聞いているだけにすることもできる。

 クランのコモン以上の掛け持ちはできないが、他のクランのビジターになることはできる。



 そして私の今のギルドカード。


 ホムラ

 Rank  C

 クラン  Zodiac

 種族  人間

 職業   魔法剣士

 称号   【ビーストスレイヤー】



 称号は複数持つ場合自分で表示を選べるのでグリフィンを討伐しているし当たり障りがないものを選んでみた。レベルや使えるスキル、ステータスをフルで表示する方法もある。こちらは野良で不特定多数と一時的にパーティを組む場合、自分のできることを説明する手間がかからず便利だ。

 一応、開示用に【隠蔽】したパターンも作った! ギルドカードをいじったというか、私自身を【鑑定】して出る結果をいじったのだが。まだ称号とスキルを消すことしかできないので、ロイ達にばれているものを残しつつ消してみた。



ホムラ Lv.33

Rank C

クラン Zodiac

職業  魔法剣士 薬士


HP   1108

MP  1406

STR 47

VIT 25

INT 84

MID 32

DEX 27

AGI 52

LUK 37


称号

【優雅なる者】

■スレイヤー系

【ビーストスレイヤー】


■魔術・魔法

【木魔法Lv.26】【火魔術Lv.25】【土魔法Lv.25】

【金魔術Lv.25】【水魔法Lv.26】【風魔法Lv.25】

【光魔術Lv.19】【闇魔法Lv.25】

■魔法系その他

【マジックシールド】

【範囲魔法Lv.20】

■剣術

【剣術Lv.28】【スラッシュ】

【刀Lv.27】

■精霊術

 水の精霊【ルーファLv.9】

■才能系

【回避】【剣の道】

■生産

【調合Lv.19】【料理Lv.18】

■収集

【採取】【採掘】

■鑑定・隠蔽

【鑑定Lv.22】

【気配察知Lv.31】【気配希釈Lv.31】

■強化

【知力強化Lv.6】【精神強化Lv.6】

【剣術強化Lv.5】【魔術強化Lv.6】

■耐性

【酔い耐性】

■その他

【HP自然回復】【MP自然回復】【暗視】

【地図】【念話】

【生活魔法】【盗み防止Lv.21】【罠解除】

【開錠】【アンロック】



 これは今、私を【鑑定】して出る鑑定結果でもある。相手の【鑑定】レベルにもよるが、高レベルであればフル表示される。

  そして【鑑定】が【隠蔽】より10レベル以上、上であれば、段階的に見破られる。職業やら、隠したスキルや、スキルレベルやら……まだ【隠蔽】でできることが少ないのであまり意味はないのだが。【隠蔽】でいじれるようになる順番で見えやすいようだ。

 それに【看破】やら【鑑定眼】やら隠したものを見破るスキルや、【鑑定】の上位スキルやらもあるので、あくまで目安にしかならんのだった。


【看破】のほうの説明に、"対象の【隠蔽】レベルが高いと失敗するが、成否はわからない"、とあるので【隠蔽】さんには頑張ってもらわないと。それに早く職業を書き換えたいところ。



 さて私はどうするか。

 古本屋に本を渡しに行こう。もしそのまま読みふけってしまっても今回は待ち合わせ時間が決まっているわけでなく、クラン会話かメールで集合がかかるだろうから大丈夫だ。



「やあ」

古本屋の主人カディスは何時もどおりカウンターの奥、読んでいる本から顔を覗かせただけでニコリともしない無愛想さだ。パトカをもらえた程度には親しくなっているはずなのだが。

 それでも以前と違い少しだけ歓迎されているのがわかる。


「なんだ、また読みに来たのか」

「それもあるが、先日アイルに行ってな。この辺りでは見かけん本を手に入れたので土産だ」

「ほう?」

読んでいた本と吸っていたパイプを脇によけこちらに向き直るカディス。

「宝石の種類と素材に使った場合の主な効果が載った本、杖に使う木の良し悪し、魔法使いの装備関連が多いかな」

どんな本なのか伝えながらカウンターに積んで行く。

 

「けっこうな量だな?」

「図書館に行ったら棚卸ししていてな、傷んだ本が籠に入れられて捨てられそうだったんでもらってきた。修復する本は別に分けられてるようだったのでこれに希少本はないと思うし、実際同じ本が数冊ずつあった。傷んでいるがこっちなら珍しいかと思ってな」

たぶん処分されそうだったこれらは学生が授業の参考書として一斉に使うようなもので定期的に新しいものと入れ替えているのだろう。図書館に登録した時、無造作にカウンターの横に置かれていた。

 アイルの歴史書的なものもあったが、「国の情報」をアルに注意されているのでアイル国のデータ的なものが載った本は避けてある。


「なるほど。普通の図鑑という体だが、確かにこの国(ジアース)では珍しい。ここに古本を持ち込む冒険者も珍しいがな」

「? 古本屋なのに本を仕入れないのか?」

「いや、冒険者が持ってくるのが珍しいのさ。大抵読むだけ読むか買うだけ買ってあとは音沙汰なしだ、読む方もアンタみたいに通うのは稀だ」

「なるほど」

「ふむ、しばらく読書はやめて修復に励むことになりそうだ。いくら欲しい?」

「いや、これはタダで仕入れてきたものだし金はいらん」

「商売でそれはいかんな」

私の周りには自分の仕事に生真面目なタイプが多いらしい。

 だがしかし、持ってきた本の相場がまったくわからん。


「では金の代わりに本の修復を初歩でいいので教えてくれるか?」

少し考えてお願いする。

「ふむ、初歩ならな」

「これを修復したいのだが」

私が修復したいのは光と闇が隠れてしまったことが描かれている絵本だ。辞典辞書風の本に挟まれるように手のひら大の所々破れた薄い絵本があった、読めないわけではないが今にも綴り紐が切れて分解してしまいそうだ。どうせなら綺麗にしたい。


「ほう、絵本か。どれ、教えてやろう。絵本や童話は時に歴史書よりも真実を含む」

そういえばこの店にも絵本や童話が多い。

 試練の崖の話もここで古い童話を読んで知ったのだ。ちなみに迷宮都市の初代の王、騎士伯ガルレイの話もここで読んだ。やたら関連した本があるのだが、ガルレイのファンなんだろうかカディス。


「これはまた、闇の神と光の神が現在神殿に祀られていない理由を示唆しているのか」

カディスも修理しながら興味深そうに絵本を見ている。

 ページの下にロウを塗ったツルツルした紙を敷き、破れた箇所に針で丁寧に小麦粉糊を塗ってゆく。カディスの指導のもと私も別なページに同じ作業を施す。糊を塗り終えたら紙を当て、修復箇所から外側に向かってそっと撫でる。(こて)で熱を加える場合もあるそうだ。

 綴り紐は切ってしまい今本はバラバラだ。順番がわからなくならないよう付箋をしてある。

幸い欠損箇所はないのであとは新しい綴り紐で綴り直し、背に新しいクロスをつけて出来上がり。


「ふむ、邪神と闇の神を同一視した時代があったとは聞くがどうやら本当らしい。その過程で闇の神は人嫌いとなり人々の前から消え失せたのか」

「この絵本を読むと対である光の神も独り居るのは意味がないと言い残して消えたようだな」

「神像を作ってもすぐ壊れてしまう。だから今の神殿には光も闇も祀られていない。神殿で光か闇の属性を得られることがあるがそれだけが二柱の神の(よすが)だな」

「それで闇の神は人気のない場所で、『月の女神の涙』を残して行くのか」

人の仕打ちに傷ついているのだろうか。


「どこかに月の女神が闇の神だと書いてあったか?」

私の言葉にカディスが片眉をあげる。

「いや? 書いてはいないが踊っているところに実際に遭遇したのでな。友人に跡に残される淡く光る場所は『月の女神の涙』と呼ばれていると教えてもらった」


「なぜそれが闇の神だとわかる?」

「そう言われると困るが、【祝福】をもらったからな。強化される属性が【闇】だった」

後で闇の精霊を手に入れたし。

「闇の神の祝福を……?」

「ああ。遭遇すれば貰えるんじゃないのか? まあ、闇の神の眷属の神、というオチかもしれんが」

あの時は属性に対応する神々しかいないと思っていたけれど、鍛冶の神などの神々がいると知った今、本当は皆が言うように月の神だったのかもしれないと思い始めた。

 闇の神と言ったときガラハド達の反応も月光石に喜んでいて、そういう意味では薄かったしなぁ。


「いや、得た加護が闇だというならそれは闇の神であっている。月の女神……闇の神は人が来ないような場所に現れ、人に見られるとすぐに消えてしまう。そちら方面の本もいろいろ読んでいるが月の女神が闇の神だと今初めて知った。どういう状況で会ったんだ?」

カディスにその時の状況をかいつまんで話す。


 今思うと、お茶漬達を呼んだ時、問題なく来れてしまったら【祝福】をもらえなかったのか。危なかった。


「どうやら一人ということと闇と光の属性の何かを持っていることが条件のようだな」

「そのようだな」

「今までは人が行かんような場所に一人で行くような酔狂者がいなかったので知られていなかったか。確かに月の女神の目撃者はいつも複数だと思われる記述ばかりだ。そうか地上から消失してしまったと言われている闇の神はまだこの世界に細く繋がっているのか」

やたら感慨深そうなカディス。

 今まで信心深そうには見えなかったのだが。



 絵本を受け取って外に出たところでお茶漬からメール。

 迷宮都市の迷宮へ行くことになったから集合とのこと。じゃあ迷宮都市で待ってるとメールを返し、東西の大通りにでて神殿を目指す。四万シル支払って迷宮都市と呼ばれるバロンに転移。



 ……レオとシンは転移する金あるのか?





□    □    □    □    □    

クラン

Zodiac バイス

□    □    □    □    □ 


ホムラ Lv.33

Rank C

クラン Zodiac

職業  魔法剣士 薬士(暗殺者)

HP   1108

MP  1406

STR 47

VIT 25

INT 84

MID 32

DEX 27

AGI 52

LUK 37


NPCP 【ガラハド】【-】

称号

■一般

【交流者】【廻る力】【謎を解き明かす者】

【経済の立役者】【孤高の冒険者】【九死に一生】

【賢者】【優雅なる者】【世界を翔ける者】

■神々の祝福

【タシャの寵愛】【ドゥルの祝福】

【ヴァルの寵愛】【ファルの祝福】

【ヴェルナの祝福】

■神々からの称号

【タシャの弟子】【タシャの魔導】

【ドゥルの大地】

【ファルの聖者】

【神々の時】

■スレイヤー系

【リザードスレイヤー】【バグスレイヤー】

【ビーストスレイヤー】【ゲルスレイヤー】

【バードスレイヤー】

【ドラゴンスレイヤー】

■マスターリング

【剣王】【賢王】


スキル(1SP)

■魔術・魔法

【木魔法Lv.26】 【火魔術Lv.25】【土魔法Lv.25】

【金魔術Lv.25】 【水魔法Lv.26】【☆風魔法Lv.25】

【光魔術Lv.19】【☆闇魔法Lv.25】

【☆雷魔法Lv.26】【☆氷魔法Lv.22】【☆重魔法Lv.20】

【☆空魔法Lv.21】【☆時魔法Lv.20】【ドルイド魔法Lv.21】

■治癒術・聖法

【神聖魔法Lv.21】

【幻術Lv.1】

■魔法系その他

【マジックシールド】【重ねがけ】

【☆範囲魔法Lv.20】【☆攻撃回復・魔力Lv.9】

【☆魔法・効Lv.11】

【☆行動詠唱】【☆無詠唱】

【☆魔法チャージLv.7】

■剣術

【剣術Lv.28】【スラッシュ】

【刀Lv.27】【☆一閃Lv.24】

【☆幻影ノ刀Lv.19】

■暗器

【糸Lv.16】

■物理系その他

【☆見切りLv.27】

【物理・効Lv.6】

■防御系

【☆堅固なる地の盾】

■召喚

【白Lv.11】

■精霊術

 水の精霊【ルーファLv.9】

 闇の精霊【黒耀Lv.18】

■才能系

【体術】【回避】【剣の道】

【暗号解読】

■移動行動等

【☆運び】【跳躍】【☆滞空】【☆空翔け】

■生産

【調合Lv.19】【錬金調合Lv.18】

【料理Lv.18】【宝飾Lv.1】

■収集

【採取】【採掘】

■鑑定・隠蔽

【鑑定Lv.22】【看破】

【気配察知Lv.31】【気配希釈Lv.31】【隠蔽Lv.27】

■強化

【腕力強化Lv.5】【知力強化Lv.6】【精神強化Lv.6】

【器用強化Lv.6】【俊敏強化Lv.5】

【剣術強化Lv.5】【魔術強化Lv.6】

■耐性

【酔い耐性】

■その他

【HP自然回復】【MP自然回復】【暗視】

【地図】【念話】【☆房中術】

【装備チェンジ】【☆武器保持Lv.21】

【生活魔法】【☆誘引】

【盗み防止Lv.21】【罠解除】

【開錠】【アンロック】


☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そういえば、賢者って職業でなくて称号なんだよな。 職業賢者もどこかに居たら、何となく面白そう。
[一言] 闇の女神、某ブーメランパンツの女神に比べたら圧倒的にシリアスでしたけど、それでも結構人懐っこい印象ありましたけどね… やっぱりさみしいのかな…
[一言] ホムラ(房中術消えた!( *˙ω˙*)و グッ!)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ