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新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~  作者: じゃがバター


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33/388

31.ダンジョン

 一戦目を終えて作戦会議。


「六匹フルででてきたらヤバイな」

「倒すの調整して、毒治してから次倒すか?」

ロイの言葉に暁が答える。この二人が話してるとハードボイルドっぽい雰囲気だ。話しているのはバフンとするキノコの話だが。


「こんなものがあるぞ?」

私が差し出したのは『抗毒薬』。

「抗毒か〜、無いよりマシだけど効くか効かないか運なんだよな」

「運?」

暁に渡しながらロイに聞き返す。

「抗毒すんげぇ珍しいんだけどな、五回判定あっても30%だからな。五回中に一回効けばラッキーか? まあ、効果が微妙だから作らねぇんだろうけど」


 『抗毒薬』は評価によって、効いている時間内の判定回数とレジストできる%が違う。効果時間中に毒を受けてレジストできなければ、判定を繰り返す。治らないまま回数を使い切って効果が切れることもある。逆に、一回でレジストできれば、効果時間中ならば、次の毒でまた判定が起こる。

 今回のキノコのように一回の戦闘で集団で、ばふんばふんされる場合は、判定回数もレジストできる確率も高くなくては意味がないだろう。


「評価9初めて見た」

答えたのはロイだがその言葉にかぶせるように暁が声をあげる。


「9!?」

「おう、9だな。俺も耐性薬って評価5固定かと思ってたくらいだぜ」

あれか、今調合で予防薬持ちは得意調合持ちだけで且つ得意効果二つで評価5しかないのか。と、暁の言葉に当たりをつける。



「判定9回90パーあれば余裕ですー」

「わはは、ありがとう」

「いいのかこれ高い前に手に入らないだろ、いくらだ?」

取り敢えず5個ずつ全員に配る。


「250シルくらい?」

血清が200シルする罠よ。

「それ原価じゃねぇか? 仕入れのツテがあるのは羨ましいがちったあ色つけて払ってやらんと続かないぞ?」

暁が忠告してくる。食物売った時にカエデモミジにも言われたな。


「じゃあ300くらいで。あとロイとお茶漬にはよければこれも。抗毒と併用は出来ないから気をつけて」

「どんな関係かしらねぇけどあとで適正価格調べといた方がいいぞ?」

「会話ズレてない? コレ作ったのホムラ?」

「ああ、そうだが?」

お茶漬が金を払いながら聞いてくる。


「あんた、料理人じゃなかったか?!」

「ブッ、何だこれ!」

なんか二人に驚かれた。


「料理は趣味? というか食うのが好きだ」

「え? 本職どっちだ!? 職補正無しであんなに色々作ってたのか」

そう言われると『技巧の手袋』入手後に作った料理が大変出し辛いです。そしてもっとレベルが上がったら職補正がないとどうしようも無くなるんだろうか。


「『生命活性薬』も評価9になるとこんな薬になるのか、すげえ」

「『魔力活性薬』もひどい」

「お褒めいただきありがとうございます?」


 取り敢えず戦闘再開。

 洞窟内の他の敵はスケルトンとコボルドだった。五から六匹で現れて、スケルトンソルジャー、スケルトンガード、スケルトンメイジなど職業持ちだった。コボルドも同様、職業持ちはスキルを使ってくるので侮れない。


 だがしかし何が出てきても同じだ。

 お茶漬の『ルルー』と、レオとモミジの【不意打ち】が炸裂している。強いて言えば、時々プリーストに魅了が効かなかったが、先にプリーストを倒すことで問題は無かった。ルルーを呼び出せるのは一戦に一回だけのようだが魅了が切れる前に余裕で倒し終える。お化けキノコも毒の重複を気にせず倒せる。


 途中、パーティーを組んだ状態で敵を連続で1,000匹を魔法を使って倒したことで、スキル【マジックシールド】をゲット!

 味方に攻撃魔法が当たらなくなる有難いスキルだ。……『シャドウ』に勤しんでいるので、現在あまり関係なかったりするのだが。



 サクサク来すぎて問題発生。

 またプレートがあるのだが、菊姫達のパーティもあちらの何処かにあるプレート乗らないとこちらのプレートが発動しない。



 そういうわけでプレートの上で食事をしている。


「何というか、俺たちのパーティーって、王道パーティーだったんだなあ。手順通り進めてるというか」

ロイが何かボヤいている。

「ああ、俺もモミジに火力で負ける日がくるとは思ってなかった」

それにぼやき返す暁。

 何かため息つきながらしみじみしている二人。ピリ辛にした干し魚をかじる姿がやたら似合う。


「【不意打ち】気持ちよかったですー」

「だな! だが腹が減った!」

モミジとレオ、どっちも治癒士経由でレベルはモミジのほうが大分高いのに、ちょっと低いくらいでそん色ないダメージをたたき出してるレオにもびっくりなんだが。


「レオって武器何使ってるの?」

不思議におもったのは私だけではなかったようだ。

「自作の短刀! 弟子入りしたとこで教えてもらった!」

ここにも生産が反則臭い人が。


「生産特化みたいなのが二人いるし、『シャドウ』からの【不意打ち】の組み合わせは取り入れさせて貰うとして、お茶漬の『ルルー』は一番反則だと思うぜ……」

「何かカエデのほうも、ペテロさんが見たことないスキル使ってるって言ってますー」

「寄り道だらけの攻略してるからかな。変なスキル持ちなのは」



「というかホムラ、お前が他の面子にレベル追いついてるのも凄いんだが」

はっはっは!

 ……何をやったかは教えられないな!



「お? シラユリたち着いたようだ」

「おー! 行くか~!」

「おー」

全員が立ち上がるとプレートの周辺が白く光り転移が始まった。


「ボスなのね」

「ボスだな」

「ああ」

「飛んでるね」

「飛んでますなあ」

「まずアレを叩き落したいがカエデが向こうなんだよな」

カエデは弓職だ。


「『ファイアランス』!」

羽根を狙って魔法を放つ。

「【投擲】!」

私めがけてボス、グリーが落ちてくる。

 ダメージを負ったから落ちてくるのではなく、攻撃のための下降だ。姿は巨大な白頭鷲。


「おおおおおっ!!」

私を後ろに下げロイが割ってはいる。

 スピードに乗って上から落ちてきたグリーの巨体を受けたロイはHPを減らしながらも支えきる。受けてから2メートル以上も後ろに押し込まれて足元には二筋の溝が出来た。


「『蔦』!」

だめもとで動きを拘束する魔法を放つ。こうなると重力系の魔法が欲しいところ。あるかは知らんが。


「ナイス!」

ロイに回復をかけながら言うお茶漬の声に上手くいったことにほっとする。


「【ラッシュ】!」

すかさず暁がスキルを放つ。

「【ポイズンブレイド】!」

「【ハイドインシャドウゥ】!」


 さて、いつまで大地につなぎ止めておけるか。


 パターンが決まれば楽だ。

 グリーが飛び立てばロイが挑発してタゲをとり、盾のスキル発動で攻撃を受けきる。ロイが受けている間にお茶漬がロイを回復し、私が『蔦』でグリーを地上に絡め取る。


「『蔦』の拘束時間短くなってきているから気をつけて」

何回か繰り返すと耐性が出来るのか、繋ぎとめる時間が短くなっていっている。


「おおっ! だがこれで終わりだッ!!」

暁の大技が決まりグリーが咆哮を残して地面に伏せる。

「やったー?」

「おー!」

「いや、何だ?」

倒したと喜びかけた時、大気が震えた。


 倒れたグリーの側に波紋のような渦が現れ巨大なライオンが姿を現した。それと同時に私の後方へ菊姫達が転移してくる。


「合体するんですね、分かります」

登場直後のペテロのセリフに、形状的にグリフィンになるのか、じゃあライオンのほうはフィンとか言う名前だろと思いながら自分のMPを確認し体勢を整える。


「タフさも倍かねッ!」

暁がいいながら殴る。

「そのようですね」

予想通りグリフィンとなったその腹の下から荊棘がはえ羽根と足とを絡め取りスキルを封じる、しかも防御力低下のステータス異常つき。

 クラウの使うのはドルイド魔法、木魔術ではない。


 ドルイド魔法は、支援系統のようで本人が与える一回のダメージは多くはないが、敵の能力低下、味方の強化。パーティーの与える合計ダメージ、受けるダメージ軽減を考えれば絶大な効果を発揮している。

 その合間に使う魔術は【火】と【時】、【火】は扱う魔術を限定しているせいかレベルが高いらしく私の覚えていない呪文を使う。【時】に至っては私の知らない魔術だ、隠者の称号を得た謎解きで【時魔術】を取得したそうだ。


 グリフィンは左右の前足による強烈な横薙ぎと羽根による突風の範囲攻撃、ランダム対象の突進がある。

あまり飛ばないのが救いだ。先にライオンを倒すと対空戦になり、代わりにここまでタフで無くなることを知るのはだいぶ後だ。


「【影のナイフ】!」

ペテロが斬りつけるとそれを追うように黒い刃のナイフが何本も現れグリフィンに突き刺さり消える。

 暗殺依頼遂行済みだな? それどう見ても暗殺者のスキルだよな? 密偵のスキルじゃないよな?


「流石にダウンは無理かね」

「ホムラ先生¥¥」

お茶漬の目が¥にしか見えない罠よ。


「先に精霊使っておく! シャドウはお休みだ!」


 ランス系しかまだ使えないのだが。道中4レベルだった属性を積極的に、といってもシャドウの合間に使い5レベルにはしたがクラウの使う魔法の半分程度、良くて三分の二のダメージしか出せない。レベルも魔術レベルも、剣士を取ったことで知力もクラウに及ばないのだから仕方がない。

 風金風水と繋いでゆく。自分のどっちつかずのせいで威力の低い魔法を、メインで使う人の前で披露するのを少々恥ずかしくおもいながら。


 トータルダメージでは負けるだろう。


 だが。

「グリフィンから離れろ! 土の槍!」

私の声に近接組が二、三歩さがったのを見て最後の魔法を発動させる。

大地から生み出された六本の巨大な石の円錐がグリフィンを串刺しにする。ロイをカスッたように見えたけど気のせいだろう、たぶん。

 ボスも私を取り巻いて廻っていた光の文字も消え、クリアのアナウンスが流れた。



《お知らせします。魔獣の洞窟の『グリフィン』がロイ他5名、レオ他5名によって討伐されました》


「お?」

「黒百合のパーティー追い越した?」

「やったでし?」

「初だった?」

「まあ道中アレだけサクサク進めば……ボスはビーストスレイヤーあるし」

一瞬自分の事かと思ったが、ロイ達もセカンのボスを初討伐してビーストスレイヤーは持っているのだと思い当たる。


ロイたちのパーティーは全員名前を公開設定にしているが流石にアライアンスでは各パーティー代表者一名の名前が流れるのみのようだ。こちらのパーティーリーダーは菊姫だが、非公開なので次にパーティーに入った私……も非公開なので飛ばして公開設定のレオの名前が流れたのだろう。



《ボス初撃破報酬『力の小手』を手に入れました》

《称号【バードスレイヤー】を手に入れました》


《グリフィンの羽×4を手に入れました》

《グリフィンの皮×4を手に入れました》

《グリフィンのマントを手に入れました》

《グリフィンの魔石を手に入れました》

《グリフィンの羽冠×10を手に入れました》



「おー【ビーストスレイヤー】きた!」

「こっちは【バードスレイヤー】だ」

どっちかランダムでもらえるのか、ビースト持っていたからバードのほうになったのかどっちだろう。


「羽冠はダウン報酬かな?」

「ホムラ先生、お仕事ご苦労」

「生産規格外だとおもってたら戦闘も規格外なのか」

「先ほどの魔法は興味深いですね〜」

「凄かったですー」

「びっくりしたです~」


 ダンジョンの外に出るともう真っ暗だった。

黒百合たちのパーティーがもどってくる前に、さっさと移動しようということになりフォスの街を目指す。『帰還石』が欲しいな。

 街に着いたらそろそろ休憩をとらなければ強制ログアウトになってしまう。


 道中私が使用した魔法について聞かれ、神殿の謎を解いた称号だと答える。


「未だ謎解けねえ〜っ!俺の【星】!」

シンはまだ謎解き迷子のようだ。

「私、他のスキル取っちゃって魔法が遠いんだ」

暗殺スキルですね?ペテロは謎解き前の6属性揃える所でひっかかっている様だ。

「拳士だけかと思ったら魔術士もあれイケるのか」

暁はクリア済みだそうだ。


「光と闇両方貰えると聞いて、私も後でチャレンジするつもりですよ」

クラウとは道中お互いの称号やらを話しているのでそんなに驚いてはいない。魔術話だったので剣術系の称号やらの話はしていないけど。

 ちょっと私もクラウのように支援魔法でパーティー全体の火力をあげるなり、自分の通常攻撃の火力をあげるなりしなくては。




 宿はロイ達が昨夜泊まったと言う飯も風呂もまあまあな宿だ。これから宴会を始めそうなメンツにログアウトしないとまずいからと言い先に寝る。ログアウト時間の警告メッセージなんて出るんだな。

 現実世界でももう草木も眠る丑三つ時だ。ちょうどいいから寝ようとして、睡眠時馬車移動を思い出して二十分後再びログインする私の姿。


 ログインするとレオから、からまれたああ! とメールが届いていた。

 何にだ。


 本人はログアウトしていたので、これから寝るというお茶漬に何があったかメールで聞けば態々宿に黒百合達がきて絡んでいったらしい、ロイ達が矢面にたって私達のスキルやら精霊やらは内緒にしてくれたそうだ。いなくて良かったと思わず胸を撫で下ろす。


 とりあえずファイナは全ての街を解放しないと開かない予感なのでファストへ神殿から転移、セカン行き直通の馬車に乗り込む。



 さて今度こそ

 おやすみなさい。



□    □    □    □    □    

・増・

レベル+1

称号

【バードスレイヤー】

スキル

【マジックシールド】

□    □    □    □    □ 


ホムラ Lv.28

Rank D

職業  魔法剣士 薬士(暗殺者)

HP   863

MP  1090

STR 41

VIT 22

INT 54(+2)

MID 18

DEX 21

AGI 31

LUK 19


NPCP 【ガラハド】【-】

称号

■一般

【交流者】【廻る力】【謎を解き明かす者】

【経済の立役者】【孤高の冒険者】

■神々の祝福

【ヴァルの祝福】【ヴェルナの祝福】

■スレイヤー系

【リザードスレイヤー】【バグスレイヤー】

【ビーストスレイヤー】【ゲルスレイヤー】

【バードスレイヤー】

【ドラゴンスレイヤー】

■マスターリング

【剣王】


スキル(7SP)

■魔術・魔法

【木魔術Lv.5】 【火魔術Lv.5】【土魔術Lv.5】

【金魔術Lv.5】 【水魔術Lv.4】【☆風魔法Lv.5】

【☆雷魔術Lv.5】【光魔術Lv.4】【☆闇魔法Lv.11】

■剣術

【剣術Lv.15】【スラッシュ】

【刀Lv.11】

■召喚

【白Lv.1】

■精霊術

 水の精霊【ルーファLv.3】

 闇の精霊【黒耀Lv.2】

■才能系

【体術】【回避】

■生産

【調合Lv.11】【錬金調合Lv.2】【料理Lv.8】

■収集

【採取】【採掘】

■鑑定・隠蔽

【道具薬品鑑定Lv.4】【植物食物鑑定Lv.5】

【動物魔物鑑定Lv.5】【スキル鑑定Lv.4】

【武器防具鑑定Lv.5】【看破】

【気配察知Lv.6】【気配希釈Lv.5】【隠蔽Lv.5】

■強化

【腕力強化Lv.3】【知力強化Lv.4】【精神強化Lv.3】

【器用強化Lv.3】【俊敏強化Lv.3】

【剣術強化Lv.3】【魔術強化Lv.3】

■耐性

【酔い耐性】

■その他

【HP自然回復】【MP自然回復】【暗視】【地図】【念話】

【装備チェンジ】【生活魔法】【☆運び】【マジックシールド】


☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの

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― 新着の感想 ―
あくまでメンバーをシャッフルしただけだから、ホムラのパーティーのリーダーは菊姫、なのね。何度目かの読み返しでやっと理解したー!
[気になる点] 何度も読ませてもらい、楽しんでいます。 マジックシールドを取得したのに、ロイに土魔法が掠ったのはなぜでしょうか? [一言] 更新を楽しみにしています。 お忙しいとは思いますが、よろしく…
感想一覧
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