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新しいゲーム始めました。~使命もないのに最強です?~  作者: じゃがバター


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225.水着の正しい用途

「きゃーでし!」

悲鳴をあげながら飛び込んでゆく菊姫。青と白のワンピース型の水着。


「ぬおおおおお!」

悲鳴をあげながら飛び込んでゆくシン。黒と赤のハーフパンツ型の水着。


「わははははは!」

笑いながら飛び込んでゆくレオ。赤いブーメランパンツ。


「あーれー」

悲鳴をあげながら飛び込んでゆくお茶漬。赤い六尺褌。


「……」

おもわずペテロを見る私。


「普通にハーフパンツだからね」

「越中だったらどうしようかと思った」

現在、教会の建つ崖の上である。やり残した亀再び! ということで夜が明けたところで再びチャレンジしにきている。ドロミルの転移門を解放しておいてよかった。


 守護獣戦とその移動の途中の戦闘でクランメンバーにも【水中移動】【水中行動】【水中機動】【水泳】【ドルフィン】【人間魚雷】など新たなスキルが出ている。それぞれスキルポイントを消費して覚えるタイプ、レベルがあるタイプと様々で結構謎なんだが、お茶漬曰く「相性と水落回数じゃない?」とのこと。【人間魚雷】はレオにしか出ていないし、それまでの行動もあるかもしれない。


 崖の上で着替えてダイブ。あ、私もハーフパンツ型です。特にインナーは穿いていないので異次元空間が見え放題だが、異次元空間なので気にしない。というかインナーの上から穿いたらマントさんがですね……。


 ダイブすると、高さによる衝撃のためかうっかり溺れかけ、亀に助けられた――イベントで強制的に溺れるのかもしかして。そして亀を助けるのではなく、亀に助けられるのか。気づけばラコノス島の浜辺だった。


「無事全員ついたね」

「溺れてるので無事かどうか微妙だが……」

町で得た情報にしたがい手に入れておいた『アオクラゲ』を亀に差し出しながらペテロに答える。もっちゃもっちゃと亀が食って、これでクエスト完了だ。次回から、海辺で亀を呼んで『アオクラゲ』を差し出せば乗せてくれるはず。


「ちょっと今日はタイムアウトでし。ラコノス島( ここ )のダンジョンはまた今度〜」

「しばらくお預けかな? 明日は第二陣来るからね、引きずり回さなきゃ」

お茶漬のいう通り明日は発売日にゲームを手に入れられなかった友人がくる。メインは30レベルまでは上がりやすく、サブは20まで上がりやすい。それを超えるとレベル差がある敵から得る経験値が大幅に減らされるそうで……。


「ボスツアーしてさっさと移動できるようにするぞ〜!」

「わはははは!」

明日はスパルタが決定しているのだった。


 【空中移動】系のスキルを取得したらしいレオが飛び込んでは崖の上に戻り、飛び込んでは崖の上にもどり……。私も以前、二回飛び降りてそれぞれスキルが出たので何度かやったが、五回で終了。【空跳び】【飛行】【空中停止】【水面移動】【漁】などの空と水に関するスキルがリストに上がってきた。どれもスキルポイントを消費するタイプ、あれか、命の危険がないからか? 【漁】はダイブついでにウニとかエビとかを取ってきたら出た。同じ場所でランクのついたウニをレオたちが獲るのを見ていると、取得すべきか大変迷う。

 ペテロも【捕獲】とかいう狩人由来のスキルでランクのある魚がとれる。魚以外にも使えるそうなのでそっちにも興味がこう。


 今度こそクランハウスにもどり、軽い食事にする。

 本日は獲りたての魚介。海風に吹かれて少し冷えたので熱い蟹汁。火傷するほど熱くしたので味噌の風味は飛んでいるが、代わりに蟹味噌が主張している。具は味噌も身も濃厚な『富裕蟹』と蟹の味を邪魔しない大根だけ。


 レタス青じそに一口大に切って揚げた『春夏秋刀魚(しゅんかさんま)』にスイートチリソースをかけて、好みで香菜を。骨まで食べられる熱々の秋刀魚に甘辛いような甘酸っぱいような少しさらっとしたタレがよく合う。


「ホムラ、僕のは香草マシマシでお願いします」

「ぐえええ! 俺のほうに寄るなよ!?」

お茶漬とシンの味の好みには大きな壁がある。


「ぬあああ! 途中で切れたあああ!!!」

「あーあー、勿体無い」

『角サザエ』にパセリとニンニクたっぷりのエスカルゴバターを乗せて焼いたもの。サザエはオスの肝は白でメスの肝は暗緑色だという、決して海藻を腹いっぱい食ってるから緑になったわけではない、食物で色が変わるのは殻だそうな。

 そして殻からうまく取り出せない男、レオが身と肝の境でぶっちり切れまくってる模様。その隣で器用に取り出しながら酒を飲んでいるのはペテロだ。


「おのれええええ! こうだ!! えええええッ」

殻を破壊して肝を取り出そうとするも、肝ごと潰してゴミと判断されたのかレオの手の中で消えてゆくサザエ。シーフ始まりで器用さは高かった記憶があるんだが気のせいだろうか。


 ナヴァイ貝を炙った焼き串を焦がしバター醤油タレで、酒飲みがいるのでちょっとニンニク風味。菊姫は黙々と飲む態勢に入っている。


「ニンニクの匂い、気にしなくていいからいいね」

ペテロがサザエの身を取り出しながら言う。

「【生活魔法】便利だな」

【生活魔法】を教えてくれたアルには感謝だ、現実世界でも欲しい。


 雄の『青岩エビ』と長ネギと三つ葉の小さめのかき揚げ、衣はサクッと身はしっとり味が濃い。雌の『赤岩エビ』のむき身をプチプチとした食感の卵と一緒に昆布醤油で和えたもの、雌のほうはねっとりと身が甘い。飲まない私とお茶漬、レオには唐辛子味噌を塗ったおにぎり。


「この唐辛子味噌ちょうどいい辛さ」

「もうちょっと辛くてもいいぜ!」

お茶漬にはちょうどよく、レオには刺激が足りなかったらしい。


「かき揚げ美味しい、酒がすすむね」

「日本酒おかわりお願いするでし」


 食べ終えたら解散。少し時間が中途半端なのでそれぞれ倉庫の整理や半端になっている生産など、明日からは友人を引きずり回すので忙しくなるので今のうちに済ませておくことになったのだ。


 宵っ張りな私は少し余裕があるが、この機会に【魔物替え】をどうにかすることにした。とりあえず委託に出ている魔石を買いあさり、幸運をあげるために甘いものを用意。おやつともいう。島に転移すると、リデルとレーノがいた。レーノがリデルに水を汲んでもらってたのかな? 収穫の類は今のところ、リデルとクズノハしかできない。


「マスター」

パタパタとリデルが走ってきて止まり、はにかみながら笑い、かかとを上げ下げしてゆらゆらと揺れる。

「ホムラ、生産ですか?」

「ここの魔物をメタルジャケットボアに変えるやつだ」

追いついたレーノの問いにリデルをなでながら答える。


「ああ、僕が獲ってきてもいいですが、ここにいると便利ですね。皆さんに食べさせたいです」

ついでに『オカウミウシ・緑』というヌルヌルした【行動阻害】つきの体液を吐いてくるの面倒な魔物をなんとかしたいと話すとレーノとリデルが手伝ってくれることになった。


「面倒な敵ですがこの島の中ではレベルも低めですし、対象としても妥当でしょう。テイム系と一緒で弱らせたほうが成功しやすいかもしれませんね」

と、いうわけでパーティーを組んでレーノが戦い弱らせたオカウミウシの緑を私が【結界】『隔離結界』で囲んで【魔物替え】。リデルは薬によるレーノの回復と、ナイフと薬剤の【投擲】による攻撃。


「対象2にNo.023『溶解液』を投擲」

「同じく対象2にNo.014『暗闇』を投擲」

リデルの職業は【錬金術士】、生産メインな職業なはず。だが様々な色の液体の入った試験管を投げ、状態異常の付加や行動阻害をしまくっている。あれです、戦ったらオカウミウシよりすごく厄介そうです。


「こんなものですかね?」

「ありがとう、やってみる」

レーノが弱らせてくれた対象1……じゃないオカウミウシを中心に『隔離結界』をかけ、外界と隔離する。あとはせっせと【魔物替え】。


「二匹目もいいですよ」

同じスキルをかけ続けると一時的に耐性が上がってしまうので、一匹目の結界が解けたら二匹目に移って同じことをする。一匹目はリデルが回復も交えて生かさず殺さずでキープ。二匹目の結界が解けたら再び一匹目に戻るを繰り返す。


「周囲の他の敵は僕が適当に狩りますので、気にせずに作業してください」

「頼む」

甘やかされた環境で作業を続けたせいか、トビウサギの魔石が無くなる前に成功する。いや、成功した時より多めの魔石を用意しているので無くなってもらったら困るのだが。一回目の成功よりは早い、あとはレベル順に替えて行くだけなので楽なはず! 


 『トビウサギ』を『暴れ鶏』に。『暴れ鶏』を『ブリムヘビ』に。【魔物替え】のレベルも少しずつ上がるが、【結界】のレベルがうなぎのぼり。


「マスター、どうされました?」

順調に来たところで『ハイゴブリン』『ゴブリン・ソーサラー』『ゴブリン・シーフ』はしばらく入れ替え続ける。それを不思議に思ったのかリデルが聞いてくる。


「いや、このレベル帯の魔石が一番多いのでな。レベルはあがらんがキャップになってるだけで経験値があるなら貯めておこうかと思って」

 これより上の魔石は、流れている量が少ないのだ。【魔物替え】は同じレベルの魔物替えに成功しないと上がらないが、経験値は蓄積されているっぽいので姑息にせっせと稼いでいる。ここまでくると【結界】のレベルの伸びは頭打ち、なにせ初期の『隔離結界』しか使ってないからな。


「終わった〜!」

「お疲れ様です」

「マスター、おめでとうございます」

【魔物替え】を『オカウミウシ・緑』より3レベル上にあげた。この島の魔物の最高レベルが大体そのくらいなのだ。これで同じレベル帯の『メタルジャケットボア』に変えるのは容易になった。


「ありがとう。あとは目に入るたびに【魔物替え】を使ってせっせと替えて行こう」

とりあえず二匹のメタルジャケットボアが島に放たれた。今後、今いる『オカウミウシ・緑』を倒すと、『メタルジャケットボア』がその分リポップするようになる。

 


マント鑑定結果【殲滅したほうが早かった、という気配がする】

 手甲鑑定結果【……うむ】



 何故殲滅。……うん? 一回目に成功したトビウサギ。もしかして『オカウミウシ・緑』を殲滅したほうが早かった、のか? あれ?




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― 新着の感想 ―
菊姫の水着似合ってそう。 多分食事はお茶漬と合いそう。(飲み物は考慮しない) パクチー美味しい。 軽く調べたら、遺伝子レベルで好悪が決まるっぽいのでミントもそうかもしれない?
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