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13.剣士修行中

  待合わせ場所に着いた、ヴァルとの対面中は時間が経過しないとはいえ待たせてしまったろう。


「待たせてすまん」

「いや、レオがまだだから」

「レオは迷子だそうです」

「取り敢えず防具買うでし」


 菊姫に聞いて7000シルの防具を購入した。小手なんかもカッコ良くて欲しくなったが今は我慢。待ち時間に【剣術】を1SPで取得。他は実戦してみてだろうか。


 ついでにメニューに増えた『世界の謎』を確認すると、解いた謎の簡単な説明が載っており、その中には「神々の祝福・ヴァル」とあった。

 危ない、祝福のこと言っちゃうとこだよ! いや、貰った特典と謎のある場所は言っていいんだったか。でもあれ、二回目に会うのは同じ方法取れない気がするが。会うシチュエーション色々あるのか? ありそうだな。

  注意書きを確認すると、パーティーでの謎解きの仕方やらワールドアナウンスで流れた注意の細かいのやら結構色々書いてあった。

『特典の◯◯、◯◯にある謎解きで貰った』はOKだ。

 神様探しは謎なんだろうか……ミステリアスもミステリーも一緒なんだろうか……

 で、【ヴァルの祝福】の効果はなんだ?

「風属性との相性UP」と、「俊敏の補正」だった。【風魔術】が【風魔法】になっている、祝福もらって強化されたってことかね?



 しばらくしてレオが戻ってきた。


 話を聞いたら、ここに着いた時流石に早過ぎたらしく疎らにしか店が開いておらず、しばらく待ってからの買い物だったこと。レオは早々に買い物を済ませて暇になり、用水路で釣りをするうち、ポイントを探して用水路を遡り、分岐で迷ったそうだ。

 大通りにでて大回りして戻ってきたというレオに地図の機能を教えてやった。

 昨日メールで一度説明したのに『常に上書き』にやはりチェックしていなかったようだ、私も迷子ったのはおくびにも出さずに笑っておいた。


「さて、東門近いし東から行く?」

「そうしよう」

お茶漬の提案に同意する私。馬車は乗りたくない。

「おー」

武器の貸出をしあって移動を開始する。


私→剣士(菊姫から借りた剣と盾)

お茶漬→拳士(シンから借りたグローブ)

菊姫→シーフ(レオから借りた短剣)

シン→魔術士(ペテロから借りた短杖)

ペテロ→魔術士(私の長杖)

レオ→治癒士(お茶漬から借りた短杖)


 こうなりました。

 シンは長杖持ってみて取り回しがし辛いとのことで結局ペテロが買った短杖を借りている。


「ところで、神殿で『ヴァルの祝福』を貰った」

「祝福?」

「うむ、風属性相性UPと俊敏ついてた」

「へー、どうやるんだ?」

「謎なんで喋れないけど、他の神々からも貰うことが可能なようだぞ」

「って、ワールドアナウンスまた貴様か!」

「はい」

「すげぇええ」

「俊敏欲しい!」

「イベントどっから見つけて来るんだ」


 あれ、アナウンスかかったのこっちじゃないな。

「あと、別の謎で神殿で光と闇両方貰った」

「マジか?」

「マジです」

「短い間に行動が斜め上すぎる」

「やべ、星貰いに謎解きいかなきゃ」


「あと」

「まだあるのかよ」

話す前に半笑いでツッコミいれられた。

「こっちは謎じゃないので話せるんだが、神殿の中庭の巨木に風魔術持ってる状態で話しかけると精霊術貰える」

「まて、風魔術って何だ?」

「基本ででてる五つ取得して使ったら出た。コウモリで使ってたやつだぞ。私は魔術系で色々でたけど他の職でも色々ありそうだ。シンの拳士も技の属性あるよな? 虎とか龍とか、全種類出しておくといい事あるかもよ?」

謎のヒントって訳じゃないからこれくらい大丈夫だよな? 無駄にドキドキする。


「あ、俺も六つ技の系統あるわ、天が風属だ」

シンは身体強化よりも初期で技を多くとっていた模様。反動で技量不足だかで三連コンボ止まりだそうだが。

「じゃあ中庭行ってみたらどうだ?」

「おうよ!」


 お茶漬が掲示板を見ている気配。掲示板便利だけど、神殿の謎は掲示板に拝殿で祈っても変わらないとか書いてなければもっと早く解かれてたのではなかろうか。

「ちょっと魔術士スレ見たら、風属性でてる人と出てない人いるみたい。基本属性修得ともう一つ何か条件があるだろうって。心当たりは?」

「んー?」

他に条件あるのか?


 全く気付かなかったが、一定時間空を眺めて風を感じること、が条件と後から解明された。そう言えば石板の文句にも「空は風の流れで廻り」とわざわざ一文入ってたな。

 同じ方法で拳士の技が増えたそうな。シンも何で取れたか無自覚だったが、魔術士は治癒士の方でなく拳士とパターンが似ているのか。



「ぬあああ!」

ファストブリムのトビウサギや、暴れニワトリと戦ったあと湿地に来ています。

敵が虫です! デカイです! 蚊です!


「菊姫の気持ちがわかった、アップが嫌すぎる」

EPも大して減ってないのに肩で息する私。

「お陰で人が少なくて稼ぎ放題でしょ?」

「貴様ら知ってたな!?」

「いやあ、治癒士HP足らないから剣士しようかと思ったけどモンク目指すねコレ。ここで盾やりたくないわ」

「昨日わたちも通った道でし! がんばるでし!」

「この先にいる蜘蛛に触りたくなくて治癒士にした!」

蚊は仲間を呼びやがります、顔よりデカイ五匹に集られる図を想像して欲しい。

 泣くわ!!


 奥にはレオの言った通り蜘蛛とスライムがいた。スライムの方は夜の川にいたヤツほどではないが、やはり物理が効き辛くペテロとシンにタゲが行きがちになった。途中から私も魔法使ったら私の方がダメージ量多いオチだったが。

 武器補正どころか剣で魔術にマイナス補正ついてるけど、ほぼINT振り魔術士だったからな、まだ負けぬ!


 調子に乗ってたら火魔術が5になった。覚えたのは『エンチャント』、【火属性】を武器や防具につける魔法だ。魔剣士目指す身としては必須っぽい魔法だ。




「そろそろ昼休憩しようか」

「おー! 広いとこ移動しようぜ」

湿地ではぬかるみと水没している場所、足場がある固い場所があり、足場のある場所以外では動きが悪くなったのでその場所まで敵を誘導して戦っていた。単純に中に入るの気持ち悪いしな。


 みんなが座れる広さの乾いた地面を見つけて昼食にした。

 トビウサギのステーキをだす評価5だけど! お茶もつけよう。

 みんなにふるまって喜ばれた。特に肉スキーなシンに。

「ステーキ売ってくれ」

「すまぬ、作るのに金掛かって、結構うっぱらっちゃったんだ。今売れるほど持ってない。肉取ってきてくれたら他の材料代30シルで作るよ」

「おう! 後で狩っとく」

とか言ってたらトレード画面が来てレオから魚を渡された。


「レベル上げに焼け!」

「ありがとう、焼いて返す。そう言えばレオに貰ったヨルマス。評価あがらなかったけど食ってみる? あと多分この魚レアだぞ」

あがらなかったとは言え、普通よりやや高い評価5だが。

「わっはっは、失敗したか。だが食ってやろう。そう言えば釣った時なんか称号もらったな」


「おお、どんなの?」

「んと、【幻魚を釣った者】でワンランク上が釣れやすくなって【夜を告げる魚】で夜釣に補正がつくかな」

「二個も貰えたの?」

「それ片方ワールドアナウンス称号じゃないか?」

レオはレオだったオチか?

「あれ〜?」

「スライムの時に釣ったヤツだよね? アナウンス出てないよな」

「バグキタコレ」

「朝の修正アナウンスか!」

「出した人に出てないとか」

「てか、初釣がヌシなのかよ」

「相変わらずリアルラックすごいでし」

「ワールドアナウンスの半分が知り合いな件について」


 食事後、水の中に鉱石が落ちてるらしく、採掘組は靴を脱いで湿地の中だ。

 最初は気持ち悪がっていたけれど、開き直ったら癖になる感触だとか、田んぼのようなものだろうか……。

 私はそれを見ながら魚を焼いている、塩しかないので串焼きだ。トビウサギよりはこの魚の食材レベルが高いらしく評価は5から7で、6が一番多い。


「あ、」

「何だ?」

他はまだだがビールが出来ている。

「ビール出来たけど誰か飲む? 確認してないから評価不明だけど」

「飲むでし」

「くれ!」

「飲むけど、評価ってことは作れるの?」

このメンツで酒を飲めるのは菊姫、シン、ペテロの三人だ。他は舐める程度である。


「得意料理に入ってた」

「飲めないのに何故」

「聞くな、色々あるのだ」

「日本酒作って欲しいでし!」

「材料何だ? 米と麹? 見たことないぞ」

「探そう」

菊姫とペテロの目の色が違う、本気だ。


 取り敢えずビールを出したら【時間促進】を覚えた。評価は5だった。露店のよりも美味しいと好評だったが、露店は普通の評価4の味なのか。

 取り敢えず葡萄があったのでワインができることを期待して仕込み、時間促進を使ってみる。料理全般はEP消費だがスキル使用はMP消費だ。そして時間促進も当然MP消費でけっこうがっつり減って休憩中に回復しきるか慌てたのだが、そういえば今は剣士だった。




 休憩後、このままスライムと連戦してたかったんだが、蜘蛛が裁縫の素材を出すらしく菊姫のリクエストで蜘蛛と連戦にシフト。嫌だが今まで盾をやってくれてた菊姫の頼みは断れん、蚊よりマシだと思おう。それにスライム相手に魔法使ってたら剣術あがらんしな。


 装備が揃っているし、スキルもあるしで夕方にはレベル16になっていた。HPはあるので力押しで数をこなした結果でもある。

「んー、もう少し行くと思ったんだけどな」

「レベル上げだけなら灰色オオカミがいいね、仲間呼ぶし」


 再び休憩中。レオは湿地でさっきからザリガニを釣り上げている。


「ここ夜なにが出るんだ?」

「さあ?」

「昨日は夜になる前に帰ったでし」

「ぎゃー、エサがねぇ!」



 夜の敵はワニと南とは違う種類のカエルだった。

 虫に比べたら全く問題ない! カエルはともかくワニが顔は私をタゲりながらシッポバシーンで一度に二人にダメ入ってるけど私的には問題ない! ちゃんとタゲは固定しているからな!

 尻尾に噛みつきほどのダメージがないことと、お茶漬も回復に参加で一応問題なく狩れている。【仕手】はタイミングがシビアらしく菊姫が苦戦しているようだ、ペテロと違いダメージ表示がでていないのでスキルが効かなかったというより当たってないんだろう。

 大変そうである。


 そう言えば夜の森、コウモリのでる端しかいってないな。黒オオカミがばしばしでるとかだろうか。

 避けることも味方の攻撃同士潰し合うのも心配せずにワニを正面から数回に一度スキルを挟んで殴っているだけである。

 蚊みたいにたくさんいる場合は忙しいが、一匹だけだしHPの管理はレオがしてくれるし楽だ。たぶん菊姫みたいに仕手をとったり敵のスキルや行動を止める技をとると途端に忙しくなるんだろうことは予想できる。今の私は考え事の余裕があるが、本職の盾って大変だな。


  そして結局【剣術】とレベル11で【スラッシュ】レベル12で【剣術強化】その後【HP自然回復】【体術】【腕力強化】【俊敏強化】をとった。魔法と違って属性で分かれていないから剣術の育ちっぷりに吃驚している私が居る。一応属性全部合わせて考えれば魔術のほうが育ちやすくなっているようだが。

 【剣術】は刃物を装備しているときに攻撃力に補正がかかるのもあるけれど、大きいのは動きに補正がかかることだ。運動音痴でも腕や足をどう動かせばいいのか瞬時に判断できるようになる。剣術のレベルが上がってゆくたびに爽快さも上がって行く。

  菊姫に聞いたら、【盾術】のほうは自分が不動の山にでもなったような何者にも左右されない気分になるそうだ。


 【魔術】でそんな気分になったことはないけれど、そのうち魔術のレベルがあがれば魔法が派手になってまた違った爽快感を持つのだろうか。

  そして【HP自然回復】は魔術士だったときは3SPかかったけれど剣士は2SPだったので取った。【俊敏強化】はたぶんシーフになって取るのが一番SP消費しないのだが、転職予定がなかったので取得。

 ステータス強化系は早めに取れというお茶漬のアドバイスに調子に乗って取りすぎた気もする。 挑発系のスキルをまったく取っていないダメ盾だ。それが許される友人パーティーは有難い。

 

 虫のだまし討ちは却下だが!


 ダメ盾なまま18に成ったところで街にもどった。

「皆はもう転職できるんじゃないか? 20こえたろう?」

「レベルは満たしたけどもうちょいINT上げときたいかな」

「同じくINT上げとく」

「面倒だしホムラが20になるまで付き合うぞ!」

「僕もちょっとここで体力腕力伸ばしときたいのでホムラが20までこのままで。神殿行くの面倒だし」

「もうちょっとスピード上げたいでし」


  レストランでだらだらしながら食事をして宿へ戻る道すがらギルドで報告したり売り払ったり。菊姫にクモの糸を売ったり。 あとは風呂に入って寝るだけだ。


「そういえば、レオ。料理取ったらどうだ?」

「魚焼くために?」

「いや、レシピ5に餌ってあったぞ、取れば釣餌を現地で作れるんじゃないか? そのうち店で買えないような餌でてくるかもしれんし」

「ほうほう、どうやって覚えるんだね?」

「金かかるけど、生産材料屋で料理設備借りて一回実際に料理つくってみた後戦闘で出すのが簡単なようだぞ」

「ん~オレ料理壊滅的なんだが大丈夫かね?」

「シーフやってて器用さ高いだろうし大丈夫じゃないか?」


「レオの料理……」

菊姫が遠い目をしているが……そういえばレオの家に泊りがけで遊びに行ってもすべて外食だったな。

 そんなに酷いのか?


「ペテロは取らないのか?」

「んー、酒のアテは造れるようになってもいいかな」

「まず日本酒でし!」

「掲示板にもまだ米は情報出てないねぇ」

「俺も探すの手伝うぞ~」




いったんログアウト休憩を取って明日は日曜だし続けようという事になった。









□    □    □    □    □    

・増・

レベル+8

スキル

【剣術】【スラッシュ】

【HP自然回復】【体術】

【腕力強化】【俊敏強化】【精神強化】

【剣術強化】【魔術強化】

得意料理

調理方法

【醸造】

□    □    □    □    □ 


ホムラ Lv.18

Rank E

職業 剣士 薬士

HP  454

MP  611

STR  27(+14)

VIT  19

INT  40

MID  15

DEX  12(+2)

AGI  17

LUK 11


NPCP 【ガラハド】【-】

称号 【交流者】【廻る力】【謎を解き明かす者】

【ヴァルの祝福】


スキル(2SP)

■魔術・魔法

【木魔術Lv.2】【火魔術Lv.5】【土魔術Lv.2】

【金魔術Lv.3】【水魔術Lv.3】【☆風魔法Lv.2】

【光魔術Lv.1】【闇魔術Lv.1】

■剣術

【剣術Lv.7】【スラッシュ】

■召喚

【白Lv.1】

■精霊術

 ー

■才能系

【体術】

■生産

【調合Lv.1】【錬金調合Lv.1】【料理Lv.3】

■収集

【採取】

■鑑定・隠蔽

【道具薬品鑑定Lv.3】【植物食物鑑定Lv.3】

【動物魔物鑑定Lv.3】【スキル鑑定Lv.2】

【武器防具鑑定Lv.2】

【気配察知Lv.3】【気配希釈Lv.3】

■強化

【腕力強化Lv.1】【知力強化Lv.4】【精神強化Lv.1】

【俊敏強化Lv.1】

【剣術強化Lv.1】【魔術強化Lv.1】

■その他

【HP自然回復】【MP自然回復】【暗視】【地図】【念話】


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[良い点] 〉運動音痴でも〜剣術のレベルが上がってゆくたびに爽快さも上がって行く。 い〜いなぁ〜!! 是非遊んでみたい!! 格闘好きだけど運動音痴で、センスが死滅してるので格ゲーも無理な自分としては羨…
[気になる点] 現実で特典の取得方法を伝えたら問題なさそう?
[気になる点] 最後、ステータス欄 醸造ではなく→時間促進では?
2020/03/11 18:59 退会済み
管理
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