06 俺の心は晴れないまま
今週の土曜日は俺らが付き合って1年になる日だ。その為に連絡をとったのだが…反応からして、忘れていそうだ。記念日とかって、男より女の方が重要視するんじゃないんのか?それとも、紗綾は俺のこと何とも思ってないんだろうか…。てか、「好き」って言われたことないしな…。
「はぁー…」
「哲最近ため息多くないか?」
「そーだっけ?」
「そーだって!ため息ばっか~。ここ最近女を連れてる所見たことねぇーけど、欲求か?」
「ちげーよ」
「そっか?」
俺そんなにため息ついてんのかけけど…そーかもな、指摘されるまで気付かなかったけど、ここ最近ずっと、俺と紗綾の今の関係について、考えてるわ…
「じゃー気分転換に合コンでも行くか?」
「パス」
「ほんとっ、最近つれないよなー」
「知るか」
「お前がいないとなかなかいいのが集まんねーんだよな~」
「俺を餌にすんな」
「まっ、いっか…。てかさ、てかさ、渚って可愛いよな?」
「え?」
突然こいつから紗綾の名前が出てきたから何も言えなかった。
「あれ、やっぱ俺だけなんか?誰も同意してくれねーんだよな~」
「・・・・・急にどうしたんだよ」
「いやさー、1年の時はクラスが違ったから知らなかったけどさ…。よーく見ると可愛いよな~って!」
「・・・やめとけよ」
「え、なんで?」
「いや、うーん・・・なんとなく?」
俺と紗綾の関係については誰にも言っていないのが仇になったか…。今の関係でも少し怪しいのにその間にコイツに入られても困るし・・・。
「なんだよそれw」
「…ってか、お前今彼女いるだろ」
「ん?あ、そーだったな!」
「忘れてたとか最低だろ」
「お前も似たようなものじゃなかったっけ?今はなんでか落ち着いてるみたいだけど」
この話はこれで終わって、いつも通りの日常を過ごした。俺の心は晴れないままだった。
不安なまま土曜日になった。