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R E D - D I S K 0 2  作者: awa
CHAPTER 14 * HOLE DAYS
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* Consultation

 また十二月がやってきた。毎年毎年、当然のように巡ってくる冬だ。喜びたくても喜べない冬の到来──それでも去年の記憶があるからか、それほど卑屈にならずに済んだ。

 昨日はゲルトへの誕生日プレゼントを買うため、アニタとナンネ、ジョンアと一緒に、チック・ノーティド・ショッピングセンターまで買い物に行った。というか、ゲルトに誕生日プレゼントを渡すついでに他のみんなにも渡すという、ちょっとおかしな私の恒例行事を利用し、ダヴィデにプレゼントを買いたいナンネに押し切られて。

 ちなみにナンネによると、ダヴィの誕生日は四月二十五日らしい。季節はずれにも程があった。なぜ彼女が知っているのかは知らない。長年のリサーチの成果なのだろう。

 そして本日月曜日。朝登校すると、学校で彼らにプレゼントを渡した。ダヴィデのぶんをナンネが買ったことは言っていない。

それはいいのだけれど、昼休憩時間。エルミがナンネとジョンアを連れ、二年D組の教室に乗り込んできた。

 「は? 打ち上げ?」私は脇に立つエルミに訊き返した。「やらないよ、めんどくさい」

 アニタが口をはさむ。「え、やらないの? てっきりやるもんだと」

 セテは笑った。「ぜんぶベラ頼み」

 「けどな、文化祭の打ち上げもやったし」ダヴィデが言う。「もういいんじゃね」

 「やりたきゃ勝手にやれって、ベラが言ってる」と、ゲルト。

 「そうだよ。やりたきゃやりゃいいじゃん」私はアニタに言った。「私は全力で拒否する」

 カルロは携帯電話を操作しはじめた。「ちなみにな、今年は二十一日の金曜が終業式だろ。クリスマスイヴが月曜で、クリスマスが火曜だって」

 ゲルトがエルミに言う。「打ち上げって、ようするにクリスマスパーティー的なことがしたいわけだろ? 二十一日ってのはさすがに、どうなの」

 「え、土曜とか日曜でもよくない?」彼女は適当すぎる答えを返した。「それこそ文化祭の打ち上げみたいに」

 ダヴィデが応じる。「それ言ったら、またカラオケ行くみたいにならないか? 金かかりすぎな気が」

 セテも続いた。「文化祭の打ち上げの時、勝負抜きなら、一人千フラムくらいだったよな。しかもそれ、なんも頼まなくての話だし。あん時は奢ってくれた奴がいたけど」私のことを言っている。「そいつが来なかったら、けっきょくただうたうだけ、みたいになるような」

 「ある意味実力勝負できるよな」と、カルロ。

 「それは言えてる」イヴァンも同意した。「っていうか、カラオケだとベラはよけいイヤだって言うし」

 ゲルトがつぶやく。「強制する奴がいないと、どうなるか微妙だな。あのカラオケも、なんだかんだで男共にうたうこと強制したの、ベラだし。っていうか部屋に入って並び順で悩んでる奴らに、さっさと座れとかキレてたし」

 アニタは空笑いをした。「ごめんね、まとめきれなくて」

 「あれはまとめるってのとは、ちょっと違うだろ」セテが訂正した。「単にキレてただけだぞ」

 ダヴィデもさらに言う。「っていうかあれだって、男女仲をってのがあったわけだろ。もうわりとじゅうぶんだし」

 「今年も一年、平和に終わりそうな」そう言ったものの、セテはカルロとイヴァンを見やった。「あ、平和ではなかったか」にやつき顔をアニタへと向ける。「お前も」

 「うっさいな!」と、アニタ。

 カルロと一緒に、イヴァンも苦笑った。

 「ある意味平和だって。結果的に悪くはなってないし」こちらに言う。「ベラがいちばん平和じゃなかったよな」

 「っていうか私、今現在、存在消してるつもりだったんだけど。消えてなかったの?」

 「お前の存在が消える時ってどんなだ」カルロが言った。「っていうか──なんか、あれだな」アニタへと視線をうつす。「──なんかな」

 とたん、彼女は不機嫌な表情になった。「は? なに」

 ダヴィデが苦笑う。「ベラが口出せば、ぽんぽん話が進むのに。なにこのぐだぐだ感」

 ゲルトは笑った。「確かにぐだぐだ」

 「話進んでないし」と、セテ。

 「去年のあれは、いきなり決まってたもんな」懐かしそうにカルロが言う。「階段でベラに会って、はじめてまともに話したと思ったら、ものすごい無関心な部分見せつけられて。どっか行ったと思ったら、教室使う許可もらってきたとか言って」

 「花見もいきなりだったしな」と、イヴァン。「教室に、しかも腰窓から乗り込んできたと思ったら、花見するとか」苦笑う。「いつも唐突」

 アニタが割り込む。「花見はあれだよ? 一月に、あたしと──」言葉を切ると、眉を寄せて視線をそらし、こちらを見た。「そういや、言いだしたのもベラだわ」

 セテは笑った。「けっきょくベラかよ」

 「そろそろ話まとめないと、またうざいとか言われるぞ」ゲルトが言った。「夏、カルロが暑いから帰るのめんどくさいとか言っただけで、渋ってるその時間が無駄だとか言いだす奴だからな」

 彼はけらけらと笑った。「言われた! さらっと言われた!」

 「で」口元をゆるめたイヴァンがこちらに訊く。「どうなの、この状況」

 「うるさい。めんどくさい。どうでもいい。眠い」

 アニタが反論する。「だってなに言っても拒否されんじゃん」

 カルロが言う。「お前なんか言ったっけ? なんも言ってないような」

 「え」

 エルミは遠い目をして鼻で笑った。「唯一言ったことを拒否された」

 「助けてやれよ」ダヴィデが私に言う。「役目的には、お前は口だしていいところだろ」

 「じゃあやらない。終了」

 彼らは笑ったものの、エルミとアニタは勢いよく声を揃えた。

 「なんでよ!」

 本当に面倒な奴らだ。そう思いつつ、自分の左側、並んで壁にもたれているナンネとジョンアへと視線をうつす。

 「やりたい? なんか」

 彼らの話を聞きながら、ジョンアと一緒になんだかんだと小声で話していたナンネは、戸惑った反応を見せた。

 「──そりゃ、やれるなら」

 正確には“ダヴィデと一緒にいる時間が増えるなら”、なのだろうが、こちらの答えは予測済みだ。私は立ち上がった。

 「ちょっと職員室に行ってくる」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 やっぱりごちゃごちゃとした、久々の職員室。生徒指導主事を呼び、教師たちのくつろぎソファコーナーに腰をおろした。

 教室での話をひととおり愚痴ると、左ななめ向かい、奥のソファに座った主事は天を仰いで笑った。

 「今年も言ってくるのかとは思ってたけど、お前は乗り気じゃないわけだな」

 「ええ、ぜんぜん」私は苦笑って答えた。「だって面倒でしょ。今年、いい加減やったんですよ、あれこれと。これ以上なにをしろと? って話になる」

 「まあな」腕を組み、彼はソファに背をあずけた。「けど職員室に来たってことは、けっきょくなんかやろうとしてるわけだろ?」

 「うーん。悩んでます」視線を落とし、こちらもソファにもたれる。「思いつくことはいくつかあるんですよ。大なり小なり。でも彼女たちに言ったら、絶対大きなことをやりたがる。でも私は本気で、そんなふうに目立つことはしたくない。しかも去年みたいに、密かにってわけでもなくなる。となると、他の学年まで巻き込む可能性が」

 「どんな規模だ。まさか体育館とでも言いだすのか?」

 私はまた苦笑った。「大きいのとなると、そうなり──」

 「おや、ミズ・グラール」と、右側から声をかけられた。校長と教頭だ。

 「こんにちは、校長先生、教頭先生」

 「呼び出されましたか」教頭が悪戯っぽく微笑んで言った。「またなにかやらかしたのかな?」

 私は笑った。「いいえ、愚痴混じりの相談に来たんですが、どちらかと言うと、今から呆れられて怒られる感じです」

 「おやおや」校長は笑い、私の向かいのソファを示した。「座っても?」

 ありがたい。「ええ、ぜひ」

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