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R E D - D I S K 0 2  作者: awa
CHAPTER 01 * NEW DAYS
5/119

* Role

 放課後のLHRのあと教室で話をしていると、タスカの机に座ったマーニが突然思い出したように、プリントに落書きしてよこすのはやめろと言いだした。

 「“オレンジとレモンが合体したからオ・レ・ジモン”。ってなに!? 意味わかんねえよ」と、マーニ。

 笑い声の中、私はあっさり言葉を返した。「いつまでもその席にいるのが悪いのよ」

 彼が反論する。「いやいや、それはハーネイのせいだから。ハーネイが替わろうとしないからだから」

 ゲルトは訂正した。「違うだろ。替わってもいいっつったくせに、お前がギブするのが早すぎるからだろ。誰が替わるかジャンケンで決めろっつったのはベラだし」

 こちらも反論する。「じゃあそれに負けたタスカが悪いんじゃん」

 「なんでオレ!?」彼は声をあげた。「完全なとばっちりじゃねえか」

 カーツァーが割って入る。「いや、っていうか落書きが問題なんだろ。席の問題じゃないよな」

 「そこは言っても仕方ないんだって」そう言うと、ガルセスはマーニへと視線をうつした。「こいつの前後にいたら、一日平和でいることなんてまずないと思え」

 今度はアニタが口をはさむ。「平和がないんじゃなくて、いつでも笑わされる覚悟をしてなきゃなんないんだよ。ベラはいつなにを仕掛けてくるかわかんないからね」

 「わかった」と、私は両手の平を彼らに見せた。「結論。カーツが悪い」

 彼らが笑うと同時にカーツァーが怒る。「なんでだよ」

 私はなぜだと思うかとアニタに訊いた。

 身を乗り出し、強気に微笑んだ彼女が答える。「問題をすり替えたから」

 「正解。そのとおり」

 それでまた彼らは笑った。

 「わかった、とりあえず明日から元の席に戻る」マーニが言う。「っていうかなんでお前ら、普通に席変わるとかできるわけ? コロコロ変わるから、オレらを知らねえ先公、みんな混乱してたじゃねえか」

 「だから」ゲルトが言った。

 ガルセスが私を指差す。「ベラがいたら」

 「常識なんてもんは無効化するんだって」カーツァーが締めた。

 私はアニタと顔を見合わせて笑った。

 「ひどいよね」アニタが言う。「常識がないわけじゃないのにね。常識はあるけど、それを守ろうとしてないだけだもんね、ベラは」

 すかさずゲルトがつっこむ。「だからそれもフォローになってねえよ」

 それでまた笑いが起こる。

 「もうダメだ」私は笑いながら言った。「このメンツ、やっぱダメだ。超うるさい。マジうるさい」

 カーツァーがマーニにアドバイスをする。「とりあえず、よけいなことをされたくなきゃ、ベラの前後左右には行かないほうがいい」

 「けどベラ」タスカが私に言う。「カーツにはあんま、嫌がらせしないよな」

 「だって、カーツはあんま乗ってくれないんだもん。さらりとかわされる。落書きしても消すか無視するし。シャーペンでちょっかい出しても、手はたかれて終わりだし。冷たい時のゲルトと同じくらいさらりとかわしてくれるから」

 「冷たい時のってなんだ」ゲルトが口をはさんだ。「わざわざお前のバカ高くなったテンションに合わせてるんだっつの。そりゃもちろん、ガルやヘイズは年中無休でお前がふざけた時のテンションだけど!」

 また教室に笑いが響いた。いつのまにか教室は私たちだけになってる。おそらく相当うるさいから、みんな避難したのだろう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 教室後方の戸口からアニタの名前が呼ばれた。オリジナル制服を着たぺトラが立っている。

 「もう帰れる?」

 アニタは帰ると彼女に答えた。

 「どうなの? B組は」私は彼女に訊いた。

 「あー、ちょい待ち」

 中に入って教室の戸を閉め、ペトラがこちらへと歩いてくる。

 彼女は癖のあるボブカットのダークブラウンの髪で、ぱっちりとした大きな瞳もブラウンだ。学校とは関係のないところでテニスをしてるらしく、背は私よりも少し低いものの、ほどよく筋肉がついている。女子の中では声が低いほうだ。私も彼女とはよく話すし、アニタと三人で遊びに行ったりもする。その一方で彼女はエデたちとも仲がいいし、地味真面目グループとはあまり話さない。見下しているというわけではないのだろうが、話が合わないのだ。性悪でうるさい連中のほうが気が合うらしい。

 「やっぱ微妙だね」と、ペトラは言った。「スケッチブックの件から、みんなもエデたちも、わりと普通に話すようにはなったけど。もうなんか、できるだけ三人でまとまってることにしたらしいわ。誰かがあの中のひとりと話そうとしても、あんまできないっていう。しかもあんたらが全員が同じクラスだってのが、わりと気になるみたいよ。なんかD組に近づいて覗こうとするもん」

 「へー。でも制服は真似してるわけでしょ?」

 「してる。けど、やっぱ微妙な気分みたい。みんなの目が気になるというか」

 どこまでもアホだな、と思った。「じゃああんたの感想は?」私は口元をゆるめて彼女に訊いた。「どうよ? みんなしてるからって、非公式な制服着てきた気分は」

 ペトラは苦笑いながら答えた。「すごい気まずい。まずさ、親がホントにいいのかって訊いてきたわけよ。だからベラもアニタも、みんなしてるっつって、そこはどうにかなったけど。登下校はたいていアニタたちが一緒にいるからともかく、まだセーラーのままの子と校舎の外歩く時は、やっぱ気まずいわ。けど思ってたよりは三年に睨まれないよね。そこがいちばん意外」

 荷物を詰め終わったアニタは席を立ち、カバンを肩にかけた。

 「そりゃそうじゃん。むしろ睨むべきなのはベラのほうだよ。なに真似してくれてんだコラ! って。ベラがそれをしなかったんだから、三年に二年を睨む資格はない!」

 「お前、だんだんベラに似てきたな」呆れた顔でゲルトが言った。「屁理屈がうまくなった」

 「屁理屈言うな」

 私はペトラに言う。「でもあんたも、セーラーの冬服よりはそっちのが似合う。どっちかって言うと、ベストはアイボリーのほうがいい気もするけど」

 「いやいやいや。確かにそれも着たいけど、さすがにそんな勇気ないから。あんたみたいな度胸ないから」

 度胸とは違う。「んじゃアニタと一緒にすればいいよ」彼女へと視線をうつす。「したら──」

 アニタは眉を寄せ、唇も尖らせていた。「無理ですごめんなさい」

 彼らは笑った。

 「なんでよ? 私は着たくても似合わないのよ、絶対」

 なにがおかしいって、用意できるかどうかというのでリボンをつけたりつけなかったりはあるものの、私がずっと紺色ベスト着てるからといって、みんなその色のベストしか着ないことだ。さすがにブレザーを意識した真冬のジャケットを真似る生徒はおらず、私はセーターを着るくらいならパーカー羽織ればいいと思っているのでベスト止まりなのだが、そのせいか、似た格好をしている生徒は全員、同じようにベストにパーカーを羽織るという姿になるか、そうでなければ学校指定のセーラー服に戻るという状態だ。どんなだ。

 私は天を仰いだ。

 「着たいモン着ろよめんどくさいな」

 「お前は我を通しすぎだアホ」と、ゲルト。

 「だって、男はズルいじゃん。カッターシャツがあって学ランがあるでしょ。でも学ランの下にシャツじゃなくて、Tシャツやトレーナーを着ることができて、しかもそれを見せられる。学ランの上にパーカーを羽織ったり、トレーナーを着ることだってできる。男は選択肢が多いのよ。女はセーラーの下になんか着込んでムクムクになるか、上にパーカー羽織るくらいしかできない。だってセーラーのボタンをはずしたら変だから。そんなの卑怯じゃない」

 私の意見にはペトラも同意した。「それは思ってた。確かにズルい。女子は選択肢少なすぎ」

 「その点、今の状態はいいよね」アニタが言う。「パーカー羽織れるし、夏服セーラーがあるし、いつだって冬服セーラーに戻せるし。ベラさえ動いてくれれば、ベストじゃなくてセーターだって着られるわけだから」

 カーツァーは呆れ顔だ。「ぜんぶベラ頼みかよ」

 「ベラが面倒だって言う気持ちがちょっとわかった、今」と、ガルセス。

 タスカも苦笑う。「っていうか、女子がそこまでセーラーに不満持ってるとは思わんかった」

 マーニがつぶやく。「女はワガママすぎる」

 「女のワガママ度とベラの度胸が同じくらいだってことだっつの」と、アニタ。「セーターはアリ?」私に訊いている。

 「わかった。家にひとつあるから、明日着てくる。どうせすぐ暑くなって脱ぐんだろうけどね」

 彼女はにやりとした。「よし」ペトラへと視線を移す。「エデたちに啖呵切った奴とは思えないよね」

 彼女は笑った。

 「見方によってはね。けっきょく、どれもこれも度胸なんだよ。うちらの学年、ぬるいの多いから、エデたち相手にキレようとする奴なんて他にいないし。みんななんかされたり言われたりしたって、たいていは黙ってるもん。ベラがキレたのは、あんたが被害者だったからだよ。他の子が被害者になっても、ベラはたぶん動かないし」

 アニタがこちらに訊く。「そうなの?」

 「どうだろうね。状況しだいじゃないの」私は彼女に答えた。「いちいち駆け込み寺扱いされても困るわけだけど。とりあえず誰からだとしても、話を聞いて誰が悪いかが明白で、その時その気になったら、私に関係ないことだろうと、そいつ相手に仕返しに行く。でもあんたも知ってのとおり、私は基本的に無関心。動かない時のほうがたぶん多い。ただね、キレるっていうのを、誰かにされたくないのよ。それは私の特権にしておきたい。大げさに言えば、いい意味で目立つ役は、ぜんぶあんたにあげていい。けど悪役は私のモノにしておきたいの。わかる?」

 数秒かけて意味を理解したらしく、彼女はつぶやくように口を開いた。

 「なんか、そういやそうだよね。あんたが目立ちたくないのは知ってるし、あたしは目立つの好きだから、それをやってきたつもりだけど。考えたら、悪役はぜんぶベラだ」ペトラに言う。「どうしよう。なんか、楽しい役ばっかりもらってる。どうしよう」

 彼女は肩をすくませた。

 「だからさ、それでいいんだって。それがベラなんだよ。っていうかベラからすれば、それがあんたとのコンビ。ベラが考えて、あんたが引っ張る。あんたが笑って、ベラが怒る。大げさに言えばそういうこと」視線をこちらにうつす。「でしょ?」

 私の口元はゆるんだ。「そういうこと。で、便乗するのがガルとタスカ。呆れるのがカーツ。ときどきガルやタスカも呆れるけど。んで、怒るのがゲルト」

 彼らは笑った。

 「で──」マーニに訊く。「あんたはなに? 呆れ?」

 「とりあえず今はまだ呆れだな」と彼は答える。「けどそのうち普通に便乗するかも。怒るってのはないわ。怒る度胸はない」

 私は鼻で笑った。

 「あんたなんかに怒られてもちっとも怖くない」

 「はいはい」と、彼はどうでもよさそうに返事をした。

 「あんた誰のことも怖くないじゃん」アニタが私につっこんだ。だけどすぐに悩ましげな表情に変わった。「あれ、でもゲルトは?」

 彼は口元をゆるめている。そのイヤな視線を感じながら、私は彼女に答えた。

 「ゲルトはね、怒る時、ものすごくイヤな眼するのよ。なんていうか、私と同じ、冷酷で容赦ない部分があるから──その気になったら、私のキライなモノを平気で押しつけてくる。だから本気で怒られる前にやめる」

 「まさかハーネイがお前の弱点?」マーニが訊いた。

 「弱点てのはちょっと違う。私だって、なにが自分の弱点なのか、よくわかんないわけだから。でもゲルトは絶対、なんかするのよ。私が嫌がることをするのよ」

 「本気でムカついたらな」と、ゲルトも補足する。「俺もなにがベラの弱点なのかはわかんないけど、たぶんベラと一緒で、ムカついたら出てくると思う。真っ先にわからせる方法が」

 私は顔をしかめっつらをアニタに向けた。「ほら怖い」

 彼女たちは笑った。

 「お願いだから、ベラが嫌がるようなことはしないでよ」アニタがゲルトに言う。「ベラ泣かせたら、あたしがゲルトにキレる」

 彼女以外全員、数秒黙った。どこからともなく小さくふきだす声が聞こえると、全員が彼女の視線を避けるようにして苦笑った。

 「え、なにその反応」

 「気にするな」アニタに言い、私は机からおりた。「帰ろ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 校舎を出てぞろぞろと正門へ向かっていると、第一校舎正面入り口前のポーチに同級生二人と座って話をしていたケイを見つけた。

 「あ、ベラ!」

 ほとんど同時にこちらに気づいた彼に声をかけられ、私はひとり立ち止まった。

 「さっさと帰れ」

 立ち上がった彼がこちらに来る。「うっせーアホ。それよりお前、電話持ってる? 携帯電話」

 「あるけど」

 「んじゃ番号とアドレス教えろ」

 「うそ、ケイ!?」ゲルトたちの後方、私の数歩先でペトラと並んで立ち止まっていたアニタは声を上げた。こちらに近づく。「マジで!?」

 ポケットから携帯電話を取り出しなら、彼も彼女を確認した。

 「誰だっけ、このアマ」

 「ちょっと待て」アニタは引きつった表情をこちらに向けた。「なにこの相変わらずの生意気度」

 「ね。私も相変わらずだと思った」

 そう言って、彼の脳天に軽い手刀をお見舞いした。

 ケイが私を睨む。「痛いわアホ!」

 「年上年下でどうこう言うつもりはないけど、せめて言葉は選べ。特に女には」どの口が言っているのだろう。

 彼は仏頂面を彼女へと向けた。「どなた様ですか。っていうか、顔はなんとなく覚えてる。名前が出てこねえ」

 私は代わりに答えた。「アニタよ。私がよく遊んでる友達」

 「ああ」思い出したらしい。「アニータとかチキータとか言ったら怒った、やたらうるさい女だ」

 アニタは唖然としたが、私は再びケイの頭に手刀をお見舞いした。

 「いい加減にしろ」

 「わーかったって。とりあえず番号とアドレス!」

 私は呆れ混じりの深い溜め息をつき、携帯電話を入れているスカートのポケットに手を入れた。

 「ごめん、帰って」彼女に言う。「一年以上会ってなかったあいだに、身長と共に口の悪さがかなり成長したらしいわ」出した携帯電話をケイに取られたものの、かまわず続けた。「なに言いだすかわかんない」

 彼女はげっそりした様子で溜め息をつき、うつむいたかと思えば、怒り混じりに笑った。

 「そだね、帰る。これ以上ムカつかないうちに帰る。明日ね」

 「うん、明日」

 苦笑うペトラやゲルトたちにも手を振り、彼女たちの背中を見送った。

 ケイは左手に持った自分の携帯電話の画面を見ながら、右手に持った私の赤い携帯電話を操作している。赤外線というものを使う気はないらしい。

 「あんたも赤にしたんだ、電話」私は彼に言った。「機種は違うけど」

 「んー?」彼は操作に夢中。「うん、なんとなく」私の携帯電話から自分の携帯電話を鳴らしたらしく、バイブレーションが震えた。すぐに切り、視線を上げる。「登録はお前がする?」

 「どっちでも。友達いるんだから、早くしたほうがいいんじゃないの?」

 「ああ、帰るの面倒だって言ってただけだし」彼はまた操作に戻った。「あいつら家が小学校の近くだから、中学は遠い。って、オレがいちばん遠い気もするけど」

 小学校は、ニュー・キャッスルの南側にあるキャッスル・マウンテンという、小さな山の北側のふもとにある。ケイの家はその反対、南側のふもとだ。

 一方中学校はオールド・キャッスル側、このウェスト・キャッスルという町のちょうど真ん中あたり。キャッスル・マウンテンをまわり込まなければならないので、中学からだと、ウェスト・アッパー・ストリートは確かに遠い。

 「自転車禁止だもんね。私はオールド・キャッスルに引っ越して、かなり近くなったけど」

 「なんで引っ越した?」

 「親が離婚したから」

 「ふーん」特に反応はないらしい。「──できた!」いつもの生意気な笑顔で携帯電話をこちらに返す。「登録しろ」

 「はいはい」メールメニュー画面のままのそれを受け取った。「シモーナは元気?」

 彼の母親、シモーナとは何度か面識がある。といっても、家族ぐるみのつきあいというわけではない。私たちがウェスト・アッパー・ストリートのヨットハーバーで話している時に、ケイを迎えに来て少し話して、という程度だ。

 彼と知り合ったのは私が小学校四年、ケイが三年の時だった。私がアッパー・ストリートのハーバーでひとりお菓子を食べながらたそがれている時、彼に声をかけられた。お菓子をあげて、それからは会えば話すようになった。家の電話番号の交換などはしていない。ただ私がラストネームや住んでいたコンドミニアムの部屋番号を言ったこともあってか、コンドミニアムのセキュリティを、他の住人を利用してくぐり抜け、家に来たことはあった。突然思い立てば、何度かそうして家に来ていた。私の母親にも、何度か会ったことはある。

 「うざいくらいに」と、携帯電話に私の名前を登録しているケイが答える。「っていうか、その制服なに? さっき気づかなかったけど、ちゃんとしたのじゃないよな。担任に訊いたけど、知らねえの一点張りでさ」

 「二年と三年のあいだで非公式に流行ってる偽制服」

 「なんだそれ」笑いながら携帯電話を閉じ、ポケットに戻した。「夜、暇になったらメールするかも」

 「うん。あんま買い食いは勧めないけど、千フラムあげたら、友達となんか買って帰る?」

 彼は即答した。「帰る!」

 「ちょっと待って」カバンから財布を取り出して千フラム札を抜き、財布を戻した。「おつりはあげる。このあと遊ぶんなら、その時のほうがいい。学ラン姿で食べるのはあんま勧めない。学校の近くとか、キャッスル・ストリートは特に。買ってから誰かの家に行って食べるのがいちばん安全。ささやかな入学祝い」札を差し出した。

 「わかった」携帯電話をポケットに戻して札を受け取る。「サンキュ」

 いい子の部分もある。「気をつけて帰ってよ。またね」

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