* Backside
夜の十時前、リーズとニコラと三人でマブを出た。エルミが、私につきあっている男がいるというのをケイネル・エイジのナンパ師たちに話したらしい。つまり嘘がバレた。だが気にしない。どうでもいい。そしてなぜか、リーズとニコラにものすごくお礼を言われた。
彼女たちと別れたあと、祖母の家。私は祖母と少し話をしたあとでシャワーを浴び、部屋に戻った。すっかり忘れていたけれど、カーツァーにメールをしなければなからなかったのだ。
部屋にふたつのナイトスタンドだけを灯し、ベッドに仰向けに寝転ぶ。遅くなってごめんとメールを送ると、彼から電話がかかってきた。
「マジで遅い」電話越しにカーツァーが言った。
すでに夜の十一時に近い。「ごめんなさい」
「いや、いいけど。お前さ、カルロの家のこと、なんか知ってんの?」
家の事情、という意味なのか。「まあ、ちょっとだけ」
「え、なんで引っ越したかとかも? いや、内容は言わなくていいけど」
「うん。三月の修了式の時に話した。あいつも私も、式サボッたでしょ。私は不可抗力だけど。その時」
「へー。んじゃ、俺らが訊いても問題ないと思う?」
「さあ。私はなんか──あいつと話すたび、そこは理由を訊くところだとかつっこまれてて。んで会話の流れで、そこも訊くところなの? って訊いたら、どっちでもいいけどとか言いつつ、勝手に」あまり親に会ってほしくない、とは言っていたが。
「ふーん──なんかさ。俺ら、訊けなかったんだよ。六年の二学期に転校してくるって、わりと半端だろ。地元が隣町だって言うからよけい、親の仕事の都合とかでもない感じで、なんかあんのかなとは思ってたんだけど──訊いていいところかどうかもわかんないし、あいつも話さないし。家がどんな状態かもわかんないから、去年の夏休み、みんなでイヴァンの家に泊まりにってなった時も、あいつだけ誘えなかったんだわ。昼間遊ぶとかは、何度かはできたんだけど。さすがに泊まりってのは誘えなかったから──」彼は一度言葉を切り、苦笑った。「変な言いかただけど、お前が誘ってくれて助かった」
「私は誘ってないし。変な言い方すんな」
彼が笑う。「だな。けど実際変だよ、お前。ちょっと前まで、あいつとぜんぜん話さなかったのに。なんで俺らより仲良くなったみたいになってんだよ」
「なってないし」と、私。「タイミングと話の流れじゃないの? 訊きたきゃ訊けばいいじゃない。私はゲルトに言われた。詮索に敏感すぎだって。話したくない時は、話したくないって言えばいいって」
電話のむこう、彼が肩をすくませるのがわかった。
「それはお前だから言えるんだろ。そう言うゲルトだって、カルロになんにも訊いてないし。まあクラスが違ってたぶん、そこまで仲いいってわけじゃなかったからだろうけど。訊かなきゃいけなかったのは俺とイヴァンだけど、やっぱ訊けんかった。家もわりと近いんだけど、時々気になって、でも今さらだよなって思って、今までズルズルと」
なんとなくわかる。「でもね──今さらだと思うことでも、訊いてよかったと思うことは、あったよ。カルのことじゃないけど──自分が訊いたんじゃなくて、相手が勝手に話してくれたことでも──今さらだと思っても、訊かれて話したり、その逆でも──なんか、すっきりする」
目を閉じたまま、思うことを彼に話した。
「私はずっと、訊いたり話したりってのは、理解ってのが絶対ついてまわると思ってた。質問するからには、理解して受け入れる覚悟がなきゃいけないし、相手に話すには、理解して受け入れてもらわなきゃいけないしって。結果しだいでは、傷つけたり傷つけられたりするかもしれないから、そんなふうになるなら、なにもしないほうがマシだって。でも、そうでもなかった。それほど意識しなくても、やってける。でもなんか、すっきりするの。殻がひとつ破れた感じ。荷物がちょっと軽くなった感じ。カルにだって、訊いてみて、相手が答えたくなさそうだったら、すぐ話題変えればいいじゃん」
カーツァーは静かに苦笑った。
「たとえば、お前はなんで引っ越したんだろって話題とか?」
タイミング的に、予想外の言葉だった。「まあ、言うだけならかまわないわよ──っていうかやっぱり、ゲルトやセテから聞いてないの?」
「ちゃんとは聞いてないな。お前が詮索嫌いだってのはいい加減、あいつらから言われてるし。まあ知らなくてもやってけるし。なんとなくわかるし。去年カルロに、お前がニュー・キャッスルに住んでたって言っちまって、あいつがゲルトに訊いたけど。“さあ”で終わった」
「へえ。お察しのとおり、離婚よ。小学校三年の時、夜中の怒鳴り合いがはじまった。まだ仲いい両親ってフリはしてたけどね。そのうちそれもなくなって、四年、五年、六年──私にとっては地獄の日々。ろくに話もしなくなって、六年の十二月、三月に離婚して引っ越すって言われた。で、私は中学入学前の春休みから今も、おばあちゃんと二人で暮らしてる。両親とはその春休みの三月以降──もう一年以上、ずっと会ってない」
彼が深刻そうな声を返す。「──マジで?」
「うん。離婚と引っ越しのことは、中学入学前後に、アニタとゲルトに言った。そこからセテにも伝わってる。さっき言ったような細かい話は、今年の二月にやっとアニタに話して、ゲルトにもこのあいだ──トルベンのことを訊くのに電話した時、ぜんぶ話した。セテが聞きたいって言うなら話すって言ってて、けっきょくぜんぶ話してる。ゲルトは矛盾してるのよ。詮索に敏感すぎだとか言うのに、自分は訊いてこない。もういいかと思って、自分から話した」
だってこれは、アゼルに話したことに比べれば、ずいぶん軽い話だ。こっちに引っ越して一年が経って、やっとそう思えた。
私は続けた。「気にするほどのことじゃないって、あとから思えることだってある。話してラクになることもある。もちろん話したからって、妙に暗い雰囲気になったり、気遣ったり気まずくなられたら困るわけだけど。だからやっぱり、それなりに仲いいヒトじゃないと無理だけど」
「まあ──っていうかお前のそれだと、イヴァンには話すの、アリだとしても、カルロは無理ってことになるわけ?」
話す必要はないと思うのだが。「まあ、どっちでもいいわよ。気にしないことにする。その、カルロに家のこと訊いたとして、ゲルトやセテですら知らなかったってことがわかれば、私の口の堅さが証明されるわけでしょ。それなら言いふらしたりはしないだろうし、あいつもいちいち聞いたなんて報告、してこないはず。それ以上突っ込んでも訊かないでしょ。それがないならいい」
「なるほどな。こっちもやっとひとつ、すっきりした。あ、んじゃついでだけど、三年の時のトルベンの話は? それほど興味ないけど、訊いてもいいの?」
笑える。「興味がないなら訊かなきゃいいと思うけどね。イヴァンに訊きなさいよ。トルベンのアホが、親の離婚でジョンアの苗字が変わったことをからかって、それに私がキレたってのを、ゲルトから聞いてるはずだから」
「言ってんじゃねえか」彼はつっこんだ。「でもなにげに最低なことしてるな、あいつ」
「ガキってヤだよね。でもその前にさ、担任がそれ知らせるのに、ジョンアをみんなの前に立たせて報告したらしいのよ。だから一瞬にしてクラスのみんなに広まったらしい」
「うわ。最低」彼の声には嫌悪感が滲んでいた。「で、お前は殴り飛ばしたわけ? それとも蹴り?」
「してないし。なんか冷静な口調で小学三年生らしい脅しかけて、奴らを引かせたらしいわよ」
彼は笑った。「それはそれで怖い。三年生らしいってなに? 先生にチクるぞ、みたいな?」
「そう。ついでに親にも注意してもらうわよって」
「マジか。それに比べたら、お前もかなり成長したよな。今もう、それどころじゃないもん」
「だよね。今はさすがにそんなセリフ、吐こうと思わないもん。なに? 親にチクってなんになるの? みたいな」
「ダメージがある奴はあると思うけどな。無駄に怒らせると小遣い引かれるんだよ、うちみたいに」
私は思わず笑った。
「それ、べつに困らないよね。だってキホン、ウェスト・キャッスルにいるでしょ」
「そりゃそうだけど。漫画とかゲームとか、イヴァンと分担して買ってるからな。俺んとこは、小遣い関係なく買ってもらえることはあっても、臨時の小遣いなんてのはめったにもらえないし。月に三千フラムもらっても、ゲームなんか買ったらすぐなくなる。年明けに集まる金なんて、自由に使えるの、ほんの一部。ほとんど貯金させられるから」
「じゃあ高校生になったら、もっと苦労するんじゃないの? なんかね、お金かかるらしいよ。友達が増えても地元がバラバラだから、センター街で遊ぶことになって。夕飯だのカラオケだのゲームセンターだのってなるんだって」
「だよな。今んとこ、高校に上がったら五千フラムって言われてるけど、足りる気がしないもん。でもバイト禁止とか言われたり」
じゃあイヴァンたちと、いつまでもウェスト・キャッスルで遊んでるしかないね」
「地味すぎる。さすがに無理だろ。来年は塾行けとか言われてるしな。志望校も決めてないのに」
「真面目だな」さすがニュー・キャッスルだ。「可哀想だから、花火の時にアイス奢ってあげる」
「そんな小さいのでどうにかなるレベルじゃないよ。いや、でも奢ってもらう。あとジュースな」
わがままだ。「わかった。花火は少なめでいいよ。私が多めに用意する」
「ん、まあ適当に」
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カーツァーとの電話を切ると、すぐメールが届いた。ルキアノスからだ。
《彼氏いるんじゃん。なんとなくわかってたけど。番号とアドレス、登録しといてまずい感じなら消していいよ。アドニスのぶんも。とりあえず今日、楽しかった。ありがと》
律儀だ。以前アドレス交換した男はこういうのではなかった。確か“今なにしてる?”というありきたりなメールが届いたから、お前に関係ないだろって送ってやろうかと思って、それすら面倒でやめた。
やりとりをするのは、リーズに悪い気がした。彼女のあの感じ──相当楽しそうだった。頬を赤く染めて、ずっとうわついた様子だった。以前スカジャン男に惚れた時とはまた違った感じだった。礼を言われる理由がわからないけれど。まあいい。返事を打つ。
《ごめん。ナンパ待ちじゃなかったのはホントなんだけど。登録とかは、まずくないから平気。でもオトコがどうこうとかじゃなくて、そんなにセンター街に行くこともないし、今日はリーズたちじゃないほうの付き添いだったから、遊びの誘いに乗るってのもないと思うから、リーズたちと遊んで。おやすみ》
送信した。
よく考えもしなかったけれど、自分のところに来たナンパ師を紹介して、しかもそれにリーズたちが惚れたりしたら、こういうことになるのか。面倒だ。言いかたは変だけど、まわしただけなのに。彼女たちの好みなど知るはずもなく、よく考えもせずに押しつけただけだ。だが後々面倒になるのだとすれば、あまりしないほうがいいのかもしれない。
恋愛は面倒だ。そこに女のトモダチづきあいを絡めると、さらに面倒だ。
ナンネも、私がダヴィデと仲がいいことに関しては黙認して、それでもファーストネームで呼ぶようになったことには反応した。それは他の女たちも同じだし、球技大会の一件で、それもなくなったけれど。
ナンネは見ているだけでいいと言うから、少し会わせる程度の協力ならしてやろうかと思える。だけど他の女はおそらく、違う。たとえばエデたちのように、影で私の悪口を言ったり、イラつきが溜まると、嫌がらせをしてきたり。そういうのは女特有の習性だ。妬んで僻んで、でもなにもできずに悪口や嫌味を並べる。あげく、影でなにかする。
だけどもしかすると、ナンネも本心では、妬んで僻んでいるかもしれない。恋愛感情ではなかったが、私と会ったアゼルたちがまるくなったことに対して、自由奔放に生きる私に対して、リーズが羨みに近い感情を持っていたように。
これだから女はイヤだ。考えはじめるとキリがない。疑いはじめると、すべて疑えてしまう。今度アニタに女の生態というものを教わろうか。いや、彼女はこちら側か。それでも、私がいなければ男と話せない側になっていたかもと言っていた。よくわからない。
メールが届いていることに気づいた。またルキアノスからだ。
《いいよ。あの二人も友達だったってのは気づかなかった。普通に話しかけて一緒に帰っていったからビビッた。悪いことしたな。リーズたちは乗り気だったから、あの子らがナンパされたくない側なんだってのはなんとなくわかったけど。ベラが遊ぶ気ないとなると、こっちは友達として──遊ぶ時は三対三か、リーズとニコラとアドニスと俺、になるかな。今リーズとメールしてて、エルミはそんなに仲いいってわけじゃないって言ってるから。アドニスは、ベラと遊びたいって言ってたけど。もし気が向いて、彼氏のほうが問題なくて、もしまたセンター街に来たら、メールか電話して。暇だったらすぐに行く。おやすみ》
思わずぎょっとした。リーズとメール中? ああ、もうだめだ。イヤだ。やめよう。返事はしない。
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私はアゼルに電話した。二回目の呼び出し音が途切れ、彼の声に変わる。
「なに」
「なんでもないですごめんなさい」
「あ?」
どうして電話したのだろう。「なんかさ、今リーズが一目惚れしたほうからメールが来て、つきあってる男がいるってのがバレたらしいから、それをあやまったのね。で、その返事が届いて、今リーズともメールしてるとか言われて。リーズはイヤだよね、そういうの」
「いや、知らねえよ。俺にわかるわけ──ちょい待て」
「はい」
電話越しに小さく声が聞こえた。マスティとブルだ。まだいたらしい。しばらく待つと、ドアを閉める音がした。
「今三人であのゲームやりこんでる」アゼルが言う。「明日また勝負するって」
ゾンビゲーム。「どんだけ必死なの」
彼は笑った。「中古のゲームソフト買いに行くかとも言ってる。しかもお前が不得意そうなやつばっかり」
「は? なんの嫌がらせ?」
「気にするな。で、なんだっけ──ああ。べつにいいだろ。っつーか、リーズに文句言う権利ねえじゃん。お前が引っかけたんだから」
「いや、引っかけたのはむこうよ。私じゃないわよ」
「けど連れてって紹介したわけだろ。ナンパされたのはお前。番アド交換したのもお前が先。話したのが五分だろうと十分だろうと、先に知り合ったのはお前。気にすることじゃねえ」
正論だ。「それはわかってるんだけど、普通の女なら、イヤなんじゃないのかなと」
「ああ──そういう感情は知らねえし、あいつがどんだけ嫉妬するのかは知らねえけど。狙ってる男がお前のほうに気があるってなったら、イヤかもな。けどそれだって気にすることねえだろ。リーズとそいつがつきあってんならともかく、そうじゃねえし。あいつらだってオトコつくっても俺らと遊んでんだから、そんな小さいことに文句言う権利はない」
私の考えも、同じだ。「私もそう思うけど、ズレてるらしいじゃない。私は特にズレてて、時々あんた以上にズレてるじゃない。リーズやニコラも普通の女なんだとしたら、どうなんだろうって思って。女ってのはきっと、私の考えが通用しないところがある。こっちがいくら筋通して考えても、それを捻じ曲げるのが女だもん。男にもいるけど──もういいかげん、嫉妬でこじれるのはイヤなのよ。面倒だから相手する気もないけど、もうひとりの、ニコラが狙ってるほうが、私と遊びたいって言ってるらしいけど。そういうのも含めてぜんぶ、無視したほうがいいのかなと思って」
電話越し、アゼルは溜め息をついた。
「ケイの時のニコラの話で、相当面倒だなとは思ったけど、やっぱ面倒だよな。お前の場合、なにやっても面倒になる。それほど間違ったことはしてねえのに。けど今の状態じゃ、なんとも言えねえよ。嫉妬されたらされた時に考えて、ムカついたらキレりゃいい。お前とアニタはそうやってきたわけだろ? ムカついたらそれハッキリ言って、ダメなとこはダメ出しして、それで今の状態なわけだろ。あいつらがアニタを羨ましいって言うなら、そうやって喧嘩すんのも、悪くはないはずだろ」
確かに、アニタとはそうやってきた。泣かせたこともある。アニタは根が素直だから、自分が間違ってるというのを受け入れた。私にも、ダメなことはダメだと言うようになった。そうやって、今も私と一緒にいてくれる。
「でも、ぐちゃぐちゃになるかもしれないじゃん」声が弱々しくなった。考えはじめるとキリがない。
「なったらなった時、考えろ。気が向いたらメール返して電話して、遊べばいい。お前にその気がないのに、ダチとしてただ遊んでるだけってのでもあいつらが嫉妬するんなら、それはあいつらが変なんだろ。お前がマスティやブルやゲルトたちと遊ぶことになんも言わねえのに、惚れた男がお前と遊んだからって文句言うとか、相当捻じ曲がってる。それでモメるんなら、その喧嘩は受けていい。それでダメになるってことは、あいつらにとって、お前より男が大事ってことだ」
的確だ。普通の女的にはどうなのか、それは知らないけれど、少なくとも私の考えの中では、的確だ。
わかりきったことだった。私の考えそのものだ。答えは出ていた。アゼルが自分と同じ考えだというのも、きっとわかっていた。最悪な状況になったとしても、間違ってないという後押しが欲しかったんだ。
私の口元は、自然とゆるんでいた。
「──ん。ごちゃごちゃ考えるのはやめる」なんに対しても、考えたくない。けっきょく私は、ほとんどのことで、自分が間違っているとは思えない。私は、そういう性格だ。「適当にする。んで明日、泊まる」
「話変わりすぎだけど。で、制服着てくるわけ?」
思わず笑った。「ヤだよ。変だもん。十月までおあずけ」
「あっそ。べつにいいけど。どうせ生地がちょっといいモンになって校章が入った程度だし」
「そう。その程度。あんたの好きなスカートは変わらない」
「スカートが好きなんじゃねえ。好きなのはその中だ」
「中言うな。あ、来週はね、月曜にアニタが泊まりにくる。で、火曜に帰って、水曜は私が泊まりに行く。木曜に帰ってくる。四日間で宿題やる」
「はいはい。俺も来週は仕事──いつだっけ。火曜と木曜に行く」
時々向かう、知り合いの仕事場はグラナリー・イシュー。隣町だ。
「じゃあ明日の次は金曜かな」
「明日ゲーム中止だな」と、彼が言う。「今のうちにヤッとかねえと」
「ゲームの成果は? 見せてくれないの?」
「ゲームよりヤるほうを優先する」
「じゃあ夜更かししよっか。日曜の昼間は寝る」
「そこはお前、寝る間も惜しんでヤるって言えよ」
「無理です」即答した。「とりあえず、もう寝る。眠いの。ドタバタしてて、疲れた」
「明日はもっと疲れるだろうけどな」
「でもゲームはする。ボコボコにする」
「はいはい。んじゃな」
「おやすみ」
「ん」
電話を切った。おやすみって言え。




