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第1話   残響編

                遅れて重なる       

 第2部


第1話   残響編


風が通る遅れて。

ギアが立っている。

一人だ。

崩れた構造体の外縁。

景色は変わらない。

空も。

風も。

音も。

だが。

揃わない。

ギアが歩く。

足音が返る。

少し遅れて。


「……残ってるな」


短く言う。

返事はない。

当然だ。

イリスはいない。

沈黙。

風だけが通る。

遅れて。

ギアは止まる。

視線を上げる。

遠く。

何もない空間が、わずかに揺れる。

一瞬。

それだけ。


「……気のせいじゃないか」


誰に言うでもなく呟く。

返事はない。

だが。

少しだけ。

風がズレる。

ギアは目を閉じる。

思い出す。

揃わなかった動き。

遅れて重なる刃。

沈黙。

ゆっくり目を開く。


「……行くか」


返事はない。

それでも、歩き出す。

一人で。

風が通る。

遅れて。

わずかに。

後ろから。





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