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第24話 来訪者

誤字や文章羅列に問題があった為訂正と加筆させて頂きました。


あれから半年が経った。

本能(彼女)が暴走して以降、依頼のランクを一つ上に引き上げる事にした。

総合的な収入は以前よりも減ったが、低ランク過ぎないのでそこそこの収入にもなる。

それに依頼を複数受けずに一点集中すれば良いだけなので数をこなさない分時間を作りやすくなった。


そうして時間を作ってはアリスといろんな事をして遊んだり、時にはアンも連れて出掛けたりもしていた。

今日はいつもより楽な依頼にあたる事ができたので早く仕事を切り上げる事ができた。

日が落ちる黄昏時、今日の夕飯は何を食べようかと考えながら帰路に就く途中町の市場に寄る。


「昨日はキャベットの肉巻きだったから別のものがいいかな。

今日は露店のおじさんにキャロッツをまけてもらえたし、キャロッツを使った料理に挑戦してみようか。」


そんな独り言をブツブツ言っていると後ろから私の独り言に返事が返ってきた。


「それなら奥さんトマのスープも悪くないんじゃない?

今日はトマもお買い得ですから。」


声のする方向を振り向けばそこには目深くフードを被ったローブ姿の男がいた。


「……何のご用でしょうか?」

「そんな警戒しないで!決して怪しいものじゃないから!」

「いや何処からどう見ても不審者ですけど?」


私は冷たくそう言い放つと男はフードを脱ぎその素顔を明らかにした。


「やあ、久しぶりだね涼香ちゃん!」

「……アイル様!?」


私は驚きで目を見開く。

彼はノエル国にいる筈だ。

何故こんな所にいるのか見当がつかない。


「アイル様は何故ファフコールにいらっしゃるのですか?

それも大して見るところもないこの町に。」

「うんうん!何で僕がここに居るのか意味不明!って顔してるね。

じゃあお兄さんはとっても優しいから教えてあげるよ!」

「手短にお願いしますね。」

「ちぇ〜涼香ちゃんたら前と変わらず釣れないな〜。」


そう言い唇を水鳥の様に尖らせるのは止めて欲しい。

可愛らしいアリスならまだしも、私の十倍以上生きているおじさんにそれをされると結構キツい。


「今各国の間でファフコールの遺跡に眠っていた黄金のドラゴンが目覚めたって大騒ぎになっててさ、それの調査をしに一番暇だった僕が駆り出されたってワケ。」

「……一番暇って、確か貴方様はノエル国でもかなりの立ち位置だと記憶しているのですが……。」

「あ〜それね、女の子と遊ぶ時間減るの嫌だから仕事は部下に全部任せちゃってるんだ。」


彼は悪びれる様子もなくテへペロ⭐︎とジェスチャーを私に見せつけ可愛いこぶる。


「ノエル国の部下達に同情します。」


では私はこれでと適当な所で話を切り上げアイルの元から退散しようと翻す。


「ちょっと待って!黄金のドラゴンの事教えてよ涼香ちゃん!

どう考えても今の流れなら何か手掛かりとか教えてくれるところでしょう!?」


そう言いながらアイルは私の腕を掴む。


「別に私はそんな事どうでもいいので失礼します。」


その探し求めている黄金のドラゴンが現在私の家で娘と二人で留守番してますなんて口が裂けても言えない。

正直に言ってしまえば後からとても面倒な事になるのは目に見えている。

私はアイルから離れる為必死に振り解こうとするがかなりの怪力なのか全然振り解けない。


「どうでも言い訳ないでしょ!?

アウルムの皇帝無き今、黄金のドラゴンは首輪の外れた犬、神獣とはいえ今の状態だと凶悪な魔獣と大差無いんだよ!」

「いやだからドラゴンなんて普通に生活していたらそんな頻繁にお目にかかれる訳が無いでしょう。」

「いーや僕知ってるから、黄金のドラゴンはまだこの国の何処かにいるって事。

それ涼香がこの町の冒険者ギルドで地味だけどかなり功績を上げているって事。」


どうやらアイルは意図的に私に接触している様だった。

私はこの場から一刻も早く逃れる為言い訳を並べる。


「そろそろ夕飯の支度をしなくてはいけないのでいい加減離してください。」


そんな事をしていると私の背後からここ最近聞き馴染んだ声がした。


「おお!涼香こんな町中で何しておるのだ?

逢瀬の時間にはちと早過ぎるぞ。」


私は油の切れた人形の様に首と視線を後方に向けた。


「アン……それとアリス何故ここにいる?」

「うむ、一日家の中では退屈じゃとアリスが申しておった故、こうして二人で町を散策しておるのだ。」

「ママそのひとだれ?」


視線を前に戻せばアイルは何処か遠い目をしていた。


***


「わざわざ晩御飯ありがとうね!このお礼はいつか返すから!」

「それを食べたら帰ってください。

女三人の家に男性を泊めるわけにはいかないので。」

「いやいや僕そこまで無神経じゃないから!

宿くらい自分でちゃんと取ってるよ。

それに……そこのドラゴンに何されるかわからないし……ボソッ」

「聞こえておるぞ元勇者。」

「はい……。」


アイルとアンは二百年前に大陸で起きた戦争時代の生き残りだ。

何かしらしがらみがあっても仕方無いのかもしれない。


「して勇者よ、余の存在を嗅ぎ回った挙句涼香に絡むとは……。

何をするつもりであったか申してみよ。」

「いえ、ただ今まで洞窟のみで検知されていた貴方様の魔力とオーラがここ最近違う地域で確認された為、国の命令で調べていただけなんです……。」

「ふむ……。」


アンは少し考えた後アイルにこう答えた。


「別に余が何処に居ようが勝手であろう。

報告でもなんでもするが良い。

……ただし涼香やアリスにちょっかいをかけてみろ。

貴様の国ごと焼き払ってくれる。」

「ハイ、わかりました……。」


アイルは町で出会った時よりも何処かげっそりとした顔をしていた。

その後食事も済ませ私はアイルを泊まっているという宿まで送り届ける為に付き添う事になった。


「そう言えば涼香ちゃんて娘が居たんだね。」

「はい、私の唯一血の繋がった家族ですから。」

「父親は?まさかあのドラゴンじゃないよね?」

「違いますよ。」


そうしていると案外私の家からは離れていない様で目的の宿はすぐに見えてきた。

近くだったのならお見送りは玄関でも良かったかもしれない。


「では私はこれで「最後に一つ、伝えさせて。」


そう言うとアイルは私の耳元に顔を近付けた。

前にも似た様な事があったなと思い出す。


「ユウ君は涼香ちゃんの事一生懸命探してるみたいだよ。」

「え……。」


私の思考はフリーズした。

ユウが私を探している……。

私の思考が停まっている隙にアイルは宿の方へ歩いて行ってしまう。


「あっ……ちょっと待ってください!」


私は突然の情報に精細さを掻きアイルを呼び止めるが、彼は宿の中へ姿を消してしまった。



to be continued……


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