第22話 魔王
【注意】
この話の冒頭から*まで殆ど官能表現が含まれます。
苦手な方は*までスキップしてください。
大丈夫な方はそのままお進みください。
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目の前には遠いセンチュラルにいる筈のユウの姿があった
どうやら私は久しぶりに予知夢を見ているらしい
「ずっと我慢してきたんだ……。
何ヶ月も……何年も……」
何故ユウは私の上に覆い被さっているのだろう
そして彼の口には既に血が付着していた
恐らく私はユウに血を吸われていたのだろう
そしてユウは再び私の首筋に歯を突き立て血を啜り始める
私は抵抗するがびくともしない
ユウが血を一通り啜り終わる頃には私の体力はとうに限界を迎えてしまっていた
貧血で身体が思うように動かない
『視界が霞む……。』
私の意識が落ちる直前ユウは私に催眠を施した
「もう我慢なんてしなくて良いんだ。
……だから全て俺に曝け出せ。」
瞬間身体がまるで溶けてしまいそうな程熱くなっていく感覚がした
違う、これは催眠ではない……催淫だ
「……何をするのですか……!?
早く解呪してください……。」
「断る。」
先程まで感じていた倦怠感や眠気が吹き飛び、代わりに背筋を這う様な快感と熱がじわじわと下腹部に集まる感覚がした
「何故この様な事をなさるのですか?
貴方にとって私との行為はなんの意味の無いものです……。」
「意味が無い訳ないだろう。
こうでもしなければ涼香はまた俺の元から離れていってしまう。」
私の目を見つめるユウは何処か淋しげで、そして絶対に獲物を逃すまいとする捕食者の目をしていた
次の瞬間ユウは私の唇を無理矢理奪い口内を隅々まで探る様に舌で侵していく
舌で舌を絡め取られ完全にユウの思うテンポに流されている
そして酸欠で頭が回らなくなってきた頃、ユウは器用に私の今一番敏感な二つの突起を服の上から擦り始める
「っ……駄目です……。」
甘い雄に媚びる様な声を押し殺しユウに訴える
「強がらなくて良い……。
だって涼香の身体は俺の熱をこんなにも欲しがっているではないか。」
さっきまで上ばかり触れていた右手が今度は下着越しに秘部を優しくなぞる
「んっ……」
そして私はユウの手で軽く絶頂してしまう
「本当に愛らしい……。
普段のクールな君とは違って夜は子猫の様だな。」
「手を……あっ、退けて……んっ……くださぃ……。」
私はユウに秘部を弄られ甘く絶頂し続け下着にシミを作る
「頃合いだな。」
ユウはもう我慢できないとばかりに今にもはち切れそうなソレを解放する様に外気に晒す
そしてソレを私の下着越しに擦り付けてくる
「だ、駄目……やめて……じゃないと……」
ユウは私の制止は聞くつもりもないらしく私の下着を抜き取りベッドサイドに投げた
そしてユウのソレが私の秘部にあてがわれる
「また一つになろう。
……あの時の様に——」
ユウの先端が慣れた様子で私の園に割り入ってくる感覚がする
『マズい……このままだと……』
『ナニか楽しそうな事してるじゃない』
最悪だ
今にも理性が途切れてしまいそうなこのタイミングで本能は目覚めてしまった
「お願い……今は……ダメ……。」
だが誰もその言葉に聞く耳を持ってはくれない
ユウはお構いなしに私の中へ侵入し快楽を拾おうと腰を打ちつけ始める
「んっ……あっ……いやっ……」
私は今にもユウに襲いかかりそうな本能を抑えるのに必死だった
私の体力が奪われれば奪われる程本能は自由になってしまう
なんとしても必死に抑えなければ——
「何を考えている?
今は俺だけに集中しろ。」
そう言うとユウは私の奥をグリグリと穿る
「やめて……!それ以上は……おかしくなるから……!」
「涼香はいい反応をしてくれるな。
もっといじめたくなる。」
するとユウの攻めは先ほどよりも激しくなった
私はユウの攻めに圧倒され限界を迎える
そうすればユウは我慢が効かなくなったのかスパートをかけ始めた
そして私の腹の中に熱いナニかが注がれる
『どうしよう……もう限界……もう抑えられない……』
私の意識は朦朧とする
『あーあ
ズルいわ
独り占めなんて
ズルい
ワタシも
混ぜなさい 』
次の瞬間私の意識は暗闇に落とされてしまった。
***
「!?」
目が覚める。
いつも通りの寝室だ。
そこにはユウの姿はなく代わりに隣のベッドには娘とアンが気持ち良さそうにまだ眠っていた。
「あれはなんだったんだ……。」
最近は体調も落ち着き本能も表には滅多に出てこなくなっていたと言うのに今後がとても不安になる。
そして問題はもう一つあった。
「私はそんなに欲求不満なのか……?」
何故今になってユウの……しかも破廉恥な夢を見てしまうのだろう。
まだ未練でも残っているのだろうか。
「ちゃんとしろ私、これはあくまで夢だ。
予知夢だとしても対策すれば未来だって変えられると知っているだろう。」
すると私の声で起きたのかアンとアリスがのそのそと起き上がる。
「ふぁ〜……おはよう涼香。」
「ママおはよー」
「おはよう二人共、朝ご飯を作るのでまずは顔を洗ってきてください。」
「「はーい」」
最近の朝はいつもこんな感じである。
三人で朝食後、私はいつもの時間に冒険者ギルドへと向かった。
私は最近冒険者の街でダンジョン専門のソロ冒険者として活動を始めたのだ。
最初はアンも着いて行くと言っていたがまだ幼いアリスもセットで着いてくる為今はまだ留守番させている。
『ある程度お金が入ったらシッターを雇ってアンと二人でダンジョンを攻略するのも悪くない話だな。』
そんな風に考えながら今日のクエストを受付で受注してもらう。
「今日のノルマはギルド付近のダンジョンに住まうオーガの角二十本を回収とフェーヴ村近くのダンジョン上層部での薬草の採取と魔鉱石の回収だな。」
頑張れば夕方にでも終わりそうな内容だ。
とりあえず早く仕事を片付ける為に手近な案件から片付ける為まずはギルド付近にあるダンジョンへオーガ討伐へ向かった。
最近はギルドももう少しランクの高い依頼を受けないかと打診される事が増えた。
しかし今はまだ娘も幼くアンに面倒を任せっきりなので帰りの遅くならない低級〜中級クラスのクエストで数をこなす方が安定した収入になるからその打診は全て断っている。
そして難易度の高いクエストはリスクが大きいうえに案件によっては一日以上帰ってこられないものもあるのだ。
「今は家族が安心して過ごせる最低限の金額で十分だ。」
それ以上を望んで死んでしまっては残された娘が可哀想だ。
オーガの目標数を討伐し言われた通りに角を回収していく。
すると物陰から凄まじいオーラを纏った何かがこちらに近づいてくる。
私は咄嗟に戦闘体制に入る。
すると奥からはオーガのボスであろう親玉が姿を現した。
通常のオーガよりも大柄で角が一本多い。
恐らくあの個体はこのダンジョンのラスボスの筈だ。
「おっと、これは臨時収入だな。」
自分の能力的にこのボスは攻略可能だろう。
私は斬りかかろうと踏み込む。
しかし飛び掛かろうとしたその時、オーガの親玉に話しかけられた。
「待て、魔王の資質のある者よ。」
「!?」
私は飛びかかるのを止め姿勢を正す。
そしてターゲットに剣を向けたまま会話ができるのかを確かめる為に話しかける。
「言葉が理解できるのか?」
「嗚呼、拙者は上位種故、人語が理解できる。
このダンジョンのオーガの長オグレスである。」
そう言い頭を下げるオグレスに剣を向けたまま側による。
「私に何の用ですか?
できれば手短にお願いします。
ただし攻撃行動や奇襲の場合容赦なく切り捨てます。」
「わかった。
突然の話だが聞いて欲しい。
……どうか貴方様にこのダンジョンの王になって欲しいのだ。」
「ダンジョンの王……?」
私はオグレスの発言に豆鉄砲をくらう。
「そうです。
貴方はいづれ魔王となる存在。
故に貴方の周りには貴方様に仕えたい魔物が寄ってくるのであります。
その濃いドラゴンのオーラは恐らく貴方様の下部でしょう。
拙者にはわかります。」
成程最近ダンジョンやら森で魔物に襲われやすかったのはそのせいだったのかと納得した。
そしてもう一点引っかかる事があった。
「待て、ドラゴンは神獣ではなく魔物なのか?
普通に人間に紛れて生活しているぞ。」
「ええ、魔物の中でも一部の例外は人間社会に紛れ込み生活している者もいるそうです。
中には人間と子を成す者もいるらしい。」
話によれば人間に益になる魔物は神獣として扱われているが人間に有害であれば魔物という扱いになっているらしい。
「魔王の素質を持つ者よ、我々魔物に栄光を——」
「すまない、その話を私は呑めない。」
そして私はオグレスの首に刃を向けた。
「私には既に守るべき家族がいる。
それを捨ててまで君達の王になることは出来ない。」
「そんな……。」
私は絶望するオグレスに伝える。
「君達にはもっとふさわしい王がいる筈だ。
私なんかで妥協するな。」
私は剣を納めオグレスに背を向けダンジョンから立ち去った。
「魔王か……」
昔に見た夢をふと思い出し胸を抑える。
私はあんな風に独り寂しく敵に囲まれながら魔物の様に討伐されて死にたくはない。
「未来、変わっていればいいのだが……。」
そして次のミッションを行う為、私は突き当たりにあるダンジョンの転移魔法陣へと向かった。
to be continued……




