第4羽 『 塔に入る条件(前編)』
塔のふもと。
4羽の鳥たちは、途方もなく高くそびえる“グラスの塔”を見上げていた。
「やっぱり…何かあるな、これ」
ジールが、塔の入口に近づいても扉は一向に開かない。
門のようなものはあるが、鍵穴すら見当たらない。ただ、奇妙な紋様が描かれていた。
それを、クロメンがじっと見つめる。
「これ……数字、か?」
「数字? なんかの暗号だったりして?」
アカツキが軽い調子で覗き込む。
レコルが、紋様の中央に書かれた文字を読む。
> 「入る者、3羽まで。」
一瞬の沈黙。
「は? ちょっと待って、ウチら4羽なんだけど!?」
アカツキの声が響く。
ジールは苦い顔で塔の扉をノックしてみるが、まったく反応がない。
レコルは腕を組みながら唸る。
「まさか本当に、“選ばれる”とかじゃないよな」
「バラエティ番組かよ……!」
アカツキが笑いながら言うも、その表情は少しこわばっていた。
クロメンがぽつりと呟く。
「この塔、“本音”を見てるかもしれない」
「……って?」
「……『誰が一番、塔に登りたいか』を。」
その瞬間、塔の前に白い光が広がる。
淡い円が地面に浮かび、まるで試すように声が聞こえた。
> 「“求めよ、されば見ゆる”。
この塔にふさわしき“本音”の者、扉を開けん。」
光は4羽を包み込む。
アカツキの羽がピクッと震える。
「うわ、なに!? え、え、オレ、心当たりしかない……!?」
レコルも何かを感じ取ったように、目を見開いた。
「……くるぞ」
次の瞬間、塔の前に突如として**“幻の空間”**が開いた。
4羽のそれぞれの「記憶」…いや、「心の中の本音」が映し出される。




