エピローグ 閉店 2時
AIではなく自身で作成した話です。
理由は本文を見て頂ければ分かるかと思います。
賑やかな通りから一本、そしてもう一本横に曲がった先にある、小さなカフェ&バー。
今日も若きマスターがいるこの店には、ほんの少しだけ、刺激的なお客様が訪れます。
――木製のドアベルが、ためらいがちな音を立てましたが、今夜は内側から開かれました。
「さて、と。そろそろ閉店にしましょうか」
マスターが店の外にある看板をパタンと畳むと、再びドアベルが小さく鳴り、入口の明かりがろうそくの火のように消えました。
店内が特に問題ないことを確かめた後、後ろで指を組んで『ある方』を向いて言葉を紡ぎます。
「ところで、皆さんは何か……違和感を覚えませんでしたか?」
独り言のようにも見えましたが、彼女は明らかに『何か』を見つめています。
「皆さんのことですよ?」
一歩、『何か』に向けて歩きます。
「今まで私の下に来られた方の話を聞き――」
二歩。
三歩目が床についた時に、細くしなやかな人さし指を『何か』に向けました。
「そして今、私の話を文字として読んでいる、あなたたちのことですよ?」
彼女は、今の自分の立ち位置を知っていました。
また、彼女と、彼女と言葉を交わした人たちを見ている存在を、知っていました。
「ごめんなさい、驚かせるつもりではなかったんです。ただ……」
店内を一通り見渡すと、スッと左手の手の平を上にして顔と同じ位の高さにまで上げます。
すると手の平の上に小さな光の球が表れ周囲を照らしていき、その後に店内にあった物が、光の球に吸い寄せられていきます。
「いきなりこの様子を読んでも、混乱すると思ったんです」
一言言い終わったころには、店が「店だった場所」に変わっていました。
そこにはもう何もなく、ただの建物。いえ、廃墟のように古びたむき出しのコンクリートでした。
「そうそう、違和感についてでしたね。例えばドアベルが日によって鳴らずにドアの閉まる音だったり」
この場所が使われていた名残として存在しているドアを指さします。
「初めてお会いした方にも「久しぶり」と言い、相手もそう認識したこと」
カウンターがあった場所を横目で見ながら、話を続けました。
「すみません、こちらも少し急いでいるので簡単にまとめると、「来る人に合わせて店が変わるようにしていた」んです」
誰に言っているのかも、何を言っているのかもわからないかもしれません。
ただこれは、間違いなく『あなた』に対して言っている言葉です。
「色々と疑問が出てくると思うので先に答えますね。「なぜそうする必要があったか」は最後にさせてください」
ちょっとだけ申し訳なさそうに、貴方に対して笑顔を見せます。
「私がマスターとして人と接してきたのは、この世界の人たちの様子を定期的に見ているからなんです。今回はここでしたけど、今までも色んな国、色んな場所でも行っていました」
彼女が懐かしむように目を閉じます。
「来る方によって店を変えたのは、その人にとって最も心の中が表れる場所にしたから。そして何より、そうする必要があったからです」
何故なら――。こうして一度言葉を止めたマスターが光だし、姿が変わっていきました。
マスターの結っていた髪が解け、なんとも神秘的な装いになり、うっすらと全身が光って見えました。
「そうして自分たちの管理する世界の人々のことを理解するのも、私たち『司界者』の役目だからです」
言い終えてから右手を横に伸ばすと、その先がまた光り出し、円形になっていきました。
「私はこれから、大事な所へ向かわなければなりませんので、一度店じまいとさせて頂きますね。またいずれ、会えると思います」
そう言って円形の光を見ると、マスター、いえ、チキュウの司界者は眉を困らせた笑顔で呟きました。
「前回は……意外なことをされましたが、今回も何かありそうなんですよね……。まさか一緒に壇上に立たされるとか……」
いやいやまさか。でもあの方なら……と呟きながら、彼女は光の中へ入っていきます。
チキュウでの時間にして千年に一度行われる、『全司界者会議』に――。
AI作成による試験的な物の最後に持ってきました。流石にこれはAIには作れないと思ったので。
という事で、総合司会者シリーズ第二弾作成中です。
近日中に公開しますので、宜しくお願いいたします。




