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転生公爵令嬢は悲劇の運命しかない推しを守りたい!  作者: Karamimi
本編

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第17話:クラウド様とイチャイチャしたい!

授業中トイレに行くという、令嬢としてあるまじき行動をしてしまった私は、恥ずかしすぎて机に顔を伏せていた。


「ミレニア、大丈夫かい?トイレは自然現象だ。そんなにショックを受ける事は無いよ」


そう言って私の頭を優しく撫でてくれるクラウド様。いいえ、クラウド様、令嬢が授業中トイレに行くなんて、物凄く恥ずかしい事なのです!それに、きっと大きい方だと皆思っているわ!


もう恥ずかしすぎて消えてしまいたい…


その時だった。


「あの…ミレニア様!先ほどは助けていただき、ありがとうございました」


ん?この声は…


ゆっくり顔をあげると、目の前にはソフィー様の姿が。


「私、何かしたかしら?」


ソフィー様の言っている意味が分からず、首を傾げる。


「あの、お手洗いで他のクラスの令嬢が私の悪口を言っている時、止めて頂いた時です!あの時、実は私もトイレに入っていて…あの令嬢たち、私が入っているのを知っていて、わざと私が出られない様に悪口を言っていたのです!そこにミレニア様が来てくださったのです。、悪口を止めさせてくださっただけでなく、令嬢たちまで追い払ってくださり、本当にありがとうございました。でも、そのせいでミレニア様がおトイレをする時間が無くなってしまい、申し訳ございません」


皆に聞こえる様、ご丁寧に大きな声で伝えてくれたおかげで、私の大きい方をしていた疑惑はどうやら晴れた様だ。


「こちらこそ、わざわざ伝えてくれてありがとう。ソフィー様のおかげで、私の大きい方をしていた疑惑もきっと晴れましたわ!」


「大きい方って…」


私の言葉で、なぜか一斉に笑いが起きた。えぇ、どうしてここで笑いが起きるの?


「ミレニア、いくら何でも、令嬢が“大きい方をしていた”と言うのは良くないよ」


クラウド様が苦笑いをしながら教えてくれた。しまった!ついうっかりと口に出してしまったわ!恥ずかしくて、一気に顔が赤くなる。私は一体何をしているのかしら…



この恥ずかしすぎる空気をぶった切ったのは、王太子だ!


「顔を赤くしているミレニアも可愛いね。どうして婚約していた時にこんな可愛らしい姿を、俺に見せてくれなかったんだい?もし見せてくれていたら、婚約なんて絶対解消しなかったのに!」


こいつ、一体何を言っているのだろう。そもそも、あんたが浮気をしたから婚約解消になったのに…でも、笑いは収まったわね。


空気の読めないバカ王太子のおかげで、教室中が静まり返った。でも、これはこれで辛いわ…何とも言えない空気の中、授業が始まった為その場は収まった。


本当に、あんなバカが王太子で良いのかしら?真剣にこの国の未来が心配になって来たわ!


午前中の授業が終わり、クラウド様と2人でお弁当を食べる為、校舎裏へと向かった。空気が読めるクラスメートのおかげで、2人きりだ。本当は中庭で食べたかったのだが、なぜか私を探す王太子の姿を見つけたので、慌てて校舎裏へと避難したのだ。


本当に、一体あのおバカはどんな脳みそをしているのかしら?いい加減にして欲しいわ!


校舎裏はイスや机が無いので、敷物を敷いてお弁当を食べる。なぜか敷物を用意してくれていたクラウド様のおかげで、制服が汚れなくて済んだ。


「クラウド様、今日は私がほんの少しだけお弁当を作って来ましたの。と言っても、卵焼きだけですが」


本当はおにぎりも作りたかったのだが、生憎この国にはお米というものが無い。仕方がないので、卵焼きだけ作って来たのだ。と言っても、形がかなりいびつで、どちらかと言えば、スクランブルエッグの固まってしまったバージョンみたいになっているが…


「へ~、これ、ミレニアが作ったのかい?」


「はい、見た目は悪いですが、味は美味しいはずです!」


何度も何度も味見をして、料理長にも食べてもらって“美味しい”の言葉を貰った。ちなみにこの国には卵焼きと言う物がないので、私が作った時、皆興味津々で集まって来ていた。


でも、やっぱりクラウド様の反応が物凄く気になる。フォークで卵焼きを刺し、口に運ぶクラウド様。緊張の一瞬である。


「うん、これとても美味しいよ。でも、甘いんだね。なんだかお菓子みたいだ!」


そう言いつつも、全て食べてくれた。お菓子みたいか。ちょっと砂糖を入れすぎたかもしれないわね。


その後も2人でお弁当を食べて行くのだが、せっかく付き合い始めたのに、これじゃあ以前までと変わらない。そうだわ!


「クラウド様、お口を開けてください!」


私の言葉に、首を傾げつつも口を開けてくれたクラウド様。すかさず食べ物をクラウド様の口の中に入れた。


その瞬間、真っ赤になるクラウド様。


「クラウド様、美味しいですか?」



「うん、とても美味しいよ」


照れながらも、そう言ってくれたクラウド様。調子に乗った私は、次々とクラウド様の口の中に食べ物を入れて行く。


結局お弁当が空になるまで、クラウド様にご飯を食べさせた。食べ終わった後は、まったりタイムだ。せっかくクラウド様と付き合いだしたんだ。出来る限りイチャイチャしたい!


そんな思いから、クラウド様にギューッと抱き着いた。


「ミレニア、急にどうしたんだい?」


明らかに動揺するクラウド様。


「私たちは恋人同士ですのよ。少しぐらい、イチャイチャしたいわ!」


そう言うと、クラウド様の膝の上に向かい合わせになる様に座り、再びクラウド様に抱き着いた。足を開く形になって少しはしたないが、誰も見ていないしいいよね。


「ミレニアは甘えん坊だね」


クスクス笑いながらも、抱きしめ返してくれたクラウド様。あ~、物凄く幸せだわ!もっとクラウド様を感じたい!そう思って、クラウド様にさらにすり寄る。


クラウド様って、男性なのにとてもいい匂いがするわ。この匂い、物凄く好き!


「ミレニア、くすぐったいよ!何をしているんだい?」


クラウド様の匂いを嗅いでおりますの!なんてさすがに言えないわよね。


「何でもありませんわ」


そう言って、再びクラウド様に抱き着いた。そんな私を、ゆっくりと離すクラウド様。あら?さすがにベタベタしすぎたかしら?一瞬不安になったものの、どうやらそうではなかった様だ。


ゆっくりとクラウド様の顔が近づいて来た。これはもしや!急いで目を閉じる。


その時だった。


ヴーヴー

クラウド様の通信機がなり出したのだ!もちろん、グラディス先生からだ!急いで私を敷物の上に置くと、通信機をONにしたクラウド様。


“やあ、取り込み中のところ悪いね。クラウド殿下、ちょっとお願いしたい事があるんだ。すぐに研究室に来てくれるかい?”


「はい、分かりました。今から行きます」


“それじゃあよろしく。ミレニア嬢、そんな鬼の様な顔で睨むのは止めてくれ。イチャ付くのはいつでも出来るだろう。それじゃあ”


そう言うと通信は切れた。誰が鬼みたいな顔よ!本当に失礼しちゃうわ!それも、めちゃくちゃ良いところだったのに!あの研究オタクめ!


「ごめんね、ミレニア。ちょっと研究室に行って来るよ。1人で教室に戻れるかい?」


「ええ、大丈夫ですわ」


私の言葉を聞き安心したのか、おでこに口付けをして去っていくクラウド様。やっぱりクラウド様は素敵だわ!

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