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桃太郎は、英雄の名ではない  作者: 鹿藤伸仁
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棒と棒を刀のように交える2人、命を奪い合うわけではないが、2人の目は真剣だった。


お互いの過去を探り合うかの様に、棒を交える2人。


そんな2人は、無邪気に笑っていた。


「僕は、はぁはぁ、国を作る‼︎」

「新たな王になる‼︎」


自分の夢を語るシルバーに、俺は賛同していた…


「なら俺は、王の右腕だ‼︎」

「そしてブラックさんのように、悪名高い戦士になってみせる‼︎」


この日僕らは、2人の道を見つけたんだ…新たな国を創る…

2人の道を…



「馬鹿いってんじゃねぇ‼︎」

騎兵を引き連れた、兄、アーサーが、2人を取り囲む。


「この大陸の、国民を殺しておいて何が王だ‼︎」

「お前は、今から俺様の手で処刑する‼︎」


僕は、今まで、ずっと抑えていた感情が、溢れ出した…

「兄さんは、森でゴブリンが襲って来たら殺すよな?子供を抱えて逃げ回るゴブリンがいても殺すよな⁇」

「兄さんが、奪って来た命と、僕が、奪う命の重さは同じでは無いのか⁇」


国に、父に、ずっと使えていた兄は、正義の塊でしかなかった…


「命の重さだと?」

「お前の強さは、父も、この兄ですら認めている‼︎お前のダメな所は、そうやって国に忠誠の心ざしを見せず、簡単に人の命を奪える所なんだよ‼︎」


僕には、兄の言葉が耳に入らなかった、忠誠?人の命?全てが綺麗事に聞こえる


「兄さん、忠誠とは、王の命令で戦争に行き無駄に命を落とす事か?昨日まで、パンを焼いていたおじさんが剣を持ち、戦場に向かう、その武器は鬼ヶ島で作られその武器で守られているとも知らずに、鬼ヶ島を悪く言い無駄に命を落とす事が忠誠なら、俺は、忠誠など興味ない‼︎」

「あと兄さん、僕にとって命は、平等だ…」


皆が、同じ考えや、価値観が同じだったら争うこともないのだろう

だが、人は皆違う、皆それぞれの夢を持つ


「兄さん…この国が、僕にとって鬼ヶ島だ…僕は、生きるよ‼︎」


刀を抜き、僕は初めて兄に、刃を向けた


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