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桃太郎は、英雄の名ではない  作者: 鹿藤伸仁
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僕の、決意をかき消すかのように皆があざ笑い、争うことのできない自分の無力さと、自分の生まれた環境を憎み、このままどこか遠くへ逃げたいと心の底から思ってしまう様な切ない空気の中で


暖かい風が僕を包み込む


「わかった‼︎今日からお前は俺の弟子だ‼︎よろしくなシルバー‼︎」

そう…ジィちゃんだけは、あまりに無謀な僕を受け入れてくれた。

だが周りの人達が、あざ笑うのもおかしくはなかった、ジィちゃんは、僕の父と、現在のポリフェ国の王、ジョン・ショコラ王を、以外の弟子は今まで誰一人として受け入れてはいなかったからである…


寛大なジィちゃんと何十年も一緒にいるバァちゃんは動じる事もなく、優しく僕に微笑んだ。


その微笑みと同時に、どんな事があろうとも、動じることの無い父が、取り乱した。

髪の毛をクシャっと掴み、僕の所まで駆け寄ってくる

「父さん‼︎母さん‼︎ギンは俺の子だ‼︎俺が立派な戦士にする‼︎」

「ギン‼︎お前もわかったか?」


少し父の思いを僕なりに感じた瞬間だった…


「シルバーの人生は、シルバーの物だ‼︎父親であろうと、母親であろうと、人の人生に口を出すのは違うんじゃ無いか?ボイス‼︎」

「親は黙って子を信じろ‼︎」


ジィちゃんが、父に意見を通す姿を、僕は初めて見た…

そしてこの、大陸を束ねる父に意見などする人などこの大陸には、存在しない…ジィちゃん以外いないのだ

と僕は、確信した。


ジィちゃんの言葉で静まり返った広間で、父が心の内に秘めていた思いを僕に捧げた

「ギン…私は、お前を愛してる!兄とは違う生き方を選ぶギンを、生きたいように育てていたつもりだ…本当にジィちゃんの所に行くのか?」


心を閉ざし、背を向けていたのは僕だった…

「ごめん…父さん…行くよ‼︎父さんと兄さんに負けないくらい強くなりたい‼︎僕だって男だ‼︎強くなりたいんだ‼︎」

「そして僕は、僕の正義を貫き通す‼︎」

「そして、いつか僕も王になる‼︎小さな島の王になる‼︎」

「王になったら…同盟国に加えてください…父さん…」


自分の思いを初めて父にぶつけた

不良、出来損ないと、影で散々言われてきた…

涙が止まらない…心の汗が溢れてくる、全身がジィーンと痺れ、本当の僕が顔を出す…


「わかった‼︎気をつけてな‼︎たまには顔見せに来るんだぞ‼︎」


そんな僕は、父の偉大さを受け止められずにいた…


その後の事を、僕は、あまり覚えていない…

ただジィちゃんに出された課題をクリアしてジィちゃんの住む鬼ヶ島まで行かなければならない


1.仲間を集める


2.森の上級魔討伐


3.舟の調達


僕は、とりあえず大陸の各国を旅することにした。


まず向かうはロード国‼︎

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