第一話
初投稿作品です。
作品を読んだ人の心に響くものを作ってみたくなり、作成しました!
至らぬ点もあるかと思いますがご容赦下さい。<(_ _)>
「課長、今日の昼ご一緒してもいいですか?」
そう言って話しかけてきた部下に視線を投げ、また昼飯を奢らせる気だなと呆れつつ返事を返す。
「あぁ、いつもの蕎麦屋でよければな」
「なんだ斎藤、また山城さんに奢ってもらう気か?」
今度は斎藤君の先輩であり、私の後輩でもある近藤君が話しかけてきた。
「いや、今月ピンチなんですよ!近藤さん頼んでも奢ってくれないし」
「お前なぁ、だからって課長にたかるなよなぁ・・・」
と、呆れる近藤君をなだめつつ昼飯に誘って3人でいつもの蕎麦屋へ行くことにした。
「山城さん連れてってもらって何なんですけど、こんな頻繁に奢ってて大丈夫なんですか?」
「気にするな、嫁も彼女も居ないから金もそんな使わないんだよ」
「へ~、意外です。課長モテそうなのに!」
信号待ちをしながらそんなやり取りをしてる時にそれは起きた。
ふと車道の方を見ると目と鼻の先に車が走っていた。
車道なのだから車が走っていても、何も問題はない。しかし、車の向きが明らかにおかしい。
(こっちに、突っ込んでくる!?)
部下二人は気づいておらず、動けるのは自分だけ。もはや一刻の猶予もなく、私は咄嗟に二人を突き飛ばした。
「うわ!」
「きゃ!」
二人の声が聞こえた瞬間、身体に走る衝撃とともに宙を舞い、地面に叩きつけられた時私の意識もそこで途切れた。
・・・・~い
お・・・き・・・か~?
(声が・・・聞こえる・・・?)
お~い、おきろ~、きこえるか~?
その声と共に私の意識は徐々に覚醒し、身体を起こし何をしていたのかを思い出だそうとする。
(そうだ、車に引かれて・・・)
頭を整理しようとした束の間、声によってそれは遮られる。
「やっと起きたな?あまり神を待たせるものではないぞ?」
「はぁ、すみません。それで、失礼ですがあなたは何方様で?それと、ここは一体何処でしょうか?」
見渡すとそこは白い壁に覆われた広い部屋だった。天井も高く、病院と呼ぶには広いだけで何もない部屋は、あまりに歪に思えた。
「確認だ、お前の名前は山城竜馬、会社員で独身。歳は三十五歳で間違いないな?」
「はい、そうですが・・・」
なぜ人の事を色々知ってるのか若干気味が悪い。まだこちらの質問にも答えてもらってないので、もう一度聞こうとしたが、その前に男が話しかけてきた。
「そうか、お前はまだ自分が死んだことにも気づいておらぬようだな。ここは精神界、肉体を失った者のたどり着く場所だ。」
何を言っているんだと、言い返そうとしたが身体が動かず声も出なくなっていた。
「パニックになられたり色々反論されても面倒でな。一時的に動きを制限させてもらったぞ?」
身体は動かず声も出ないが不思議と心は落ち着いていた。
「私はお前たちの言うところの神であるからな。これくらいは造作もない」
「・・・しかしこれでは話が進まぬか、お前も状況を理解できたようだし自由にしてやろう」
そう言うと金縛りにあったように動かなかった身体は自由になり、声も出るようになった。
「あの、私が死んだのは理解しましたが、一緒にいた部下は無事だったのでしょうか?」
「ほう、この状況で自分の事より部下が気になるとは、思った通りの人間よな。それでこそ選んだ甲斐があると言うもの」
そう言いながらこの男、もとい神は、手を翳すと何もない空間からモニターのような物を出した。
(おぉ、流石は神様。まるで手品のようだ)
そんな事を思いながらモニターに映し出された映像を見ると「貴方の死亡後」と言うテロップが出てテレビのドキュメンタリーのような映像が流れだした。
その映像をみるに、件の交通事故で私意外は誰も死ななかったようで、その後の葬式、会社の業務移行など私の気にしていた事が流れていった。
「以上がお前の死後の様子である。少しなら質問も受け付けるぞ?」
「あ、いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
「そうか、では本題に移ろう。本来ならば人の死後に神が係わる事はないのだが、ちと頼みたい事があってな」
「嫌とは言わせんぞ?対価は先ほど見せた自分の死後だ。本来ならば知ること能わぬ事だからな」
そう言いながら先ほどのモニターに新しい映像が流れだした。「原初世界へようこそ!」というテロップと共に・・・
まだまだ話は始まったばかりでこれだけ?と思われるかもしれません。
実際書いてみて、小説を書くことの難しさを噛みしめています・・・
週2~3回のペースで上げていきたいと思います。
こんな素人の小説ですが、読んでいただきありがとうございました。また、ご意見ご感想などございましたら、コメントの方よろしくお願いします!