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念願のお菓子

 冒険者登録から数週間が経った日のこと。

「〜〜♪」

 私は鼻歌を歌いながら台所に立っていた。

 登録した後レンリさん達とダンジョンに行ってきたおかげでそこそこいい金額稼げたんだよね。しーかーもー、蜂蜜が手に入った!ダンジョンは階層ごとに別れていて、それぞれ違うエリアになっていたの。それで、森林エリアで運のいいことにリトルビーの巣を見つけたの。リトルビーは蜜蜂を大きくしたみたいな魔物で蜂蜜を溜め込んでいるの。と、言うことで巣を襲撃して蜂蜜大量ゲットしました。ちょうどレンリさん達とはぐれてた時だったから大量の蜂蜜は全部アイテムボックスにこっそり収納しちゃった☆この世界はアイテムボックスなんて存在しなくて、高位の空間魔法使いがほんの小さな収納用の空間を作れるだけなんだって。だからアイテムボックスの存在はバレないようにしないとね。


 今私はダンジョンでゲットした蜂蜜とその他のドロップ品で稼いだお金で買った砂糖を使ってマドレーヌを作ろうとしている。焼き菓子と言えばマドレーヌ!…って言ってるのは私だけかもだけど美味しいからいいじゃん。ちゃんと魔法で(こっそり)型も作ったから準備万端!ちゃんと貝殻の型を作ったよ。やっぱりマドレーヌは貝殻の形だよね!……まあ、普通に紙のカップ?で焼くとそっちにもお金かかるとか丸いカップケーキ用の型だと何故か噴火するからとかそういう理由もあるけどね。なんで一緒に作った友達は噴火しなかったのに私のマドレーヌだけ噴火したのかが未だにわからない。


 今回は蜂蜜入りのマドレーヌだけど次はキャラメル味のマドレーヌも作りたいなぁ。でもキャラメルクリームを作るのに結構な量の砂糖がいるからもうちょっと稼いでかな。

 さて、なんやかんや考えている間に生地は出来たから一時間程寝かせますか。本当は一晩寝かせた方が美味しいらしいけど今食べたいし一時間だけでも十分美味しいからね。細かいことは気にしなーい。…その代わり分量とかはちゃんと気にしてるけどね。



 〜 一時間後 〜


 型にバターを塗って生地を流し込んでオーブンに入れて焼く。その間に片付けをしているとお母さんがやってきた。

「いい匂いねえ。今度は何を作っているの?」

「マドレーヌだよ。もうちょっとで焼けるから」

「そう。じゃあ出来たら少しお店に持ってきてくれるかしら?お客さん達にこの匂いは何か聞かれて困っちゃって…」

 あーお店の方にまで匂いがいったのかぁ。

「わかった」

 まあ、大量に作ったしこれからたまに売り出す予定だから試食ってことにしときますか。


 焼けたら型から外して籠に入れて持っていく。勿論自分用は持っていかずに置いていく。ついでに味見もしちゃおっと。

「……うまっ!」

 外はサクッとしてて中がふんわりしっとりしてて美味しい〜。しかも蜂蜜のほどよい甘さがまた美味しい!私はレポーターじゃないから表現がちょっと変かもだけど大目に見てね。それにしても、この世界でも私のマドレーヌは外がサクッとするんだなぁ…。前世でも他の子は全体的にしっとりふわふわだったのに私のだけ外はサクッと中ふんわりっていう謎なことが起きてたよなぁ。……まあ別にいっか。これはこれで美味しいし、あの時みたいに謎物体作り出したわけじゃないからおっけーおっけー!



「お母さん持って来た……なにこれ」

 お店に行くといつもより沢山の人がいた。おかしいなぁ、この時間帯って人が少ないはずなんだけど。

「ふふっ、皆ルーチェが何を作ったか気になって集まっちゃったのよ」

「こんなにいい匂いなんだ。きっと美味しいんだろう?」

 にこにこしながら喋る両親の後ろでお客さん達(特に女性や子供)が期待の篭った目で見てくる。

「……まあ取り敢えず食べてみて」

 籠をレジに置いた瞬間沢山の手が伸びてくる。何これ怖い。

「美味しい!」

「ほんとだ!あまくておいしい!!」

 食べた人達は口々に感想を言い合う。美味しい、甘い、ふわふわしてると好評だ。

「実はこれ、マドレーヌって言うお菓子なんですけど、もしこれからたまに売り出すって言ったらどうします?」

 売れるなら後で両親と値段を相談して決まったら売る予定なんだけどどうかなぁ?まあ、もし売れなかったら私のおやつになるんだけどね?

「買うわ!」

「いつ売るの!?」

「お小遣いで買えるかなぁ」

 チラッと両親を見ると二人とも笑顔で頷いてくれた。よし、販売許可降りた!

「いつ売るかとか値段はこれから決めるのでなんとも言えませんねえ。なので詳細が決まったら周知しますね」

「絶対よ!」

「私暫く通おうかしら…?」


 と、まあこんな感じで定期的にマドレーヌを売ることが決まった。これをきっかけに他にもお菓子増えないかなぁ…

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