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(乙女ゲームから)脱線中3

 光が強くなりそうだったからすぐに手を離したんだけどまだ光続けていた。しかも凄いカラフルに。

「なん…だと…」

 驚いた声がしたから振り返るとギルマスがいた。ここにもついて来てたんかい。

「シュナ、登録書にはなんて書いてある」

「えと、光属性の魔法とだけ書いてあります」

「それだけか!?」

「はい」

 え、なに?なんかダメだった??

「ルーチェ、よく聞けよ」

「はい」

 屈んで私に目線を合わせて真剣な顔をされたから姿勢を正す。

「あの水晶はな、使える属性の色に光るんだ。水属性なら青に、炎属性なら赤とかにな」

 へぇ〜そうなんだ。……て、あれ?てことはまさか

「あの色を見る限りお前は全属性の魔法が使えるようだ」

 まじか!?ってあ!そういやステータスに大量に魔法が表示されてたの忘れてた!!うわぁ、やっちゃった…

「いいか、これはとんでもないことだ。お前みたいな子供が全属性の魔法が使えることがバレれば狙われる。だから絶対に言いふらしたり迂闊にバラすんじゃねえぞ?」

「はい」

「お前らもここで見たことは口外すんじゃねえぞ」

「はい」

「おう」

「わかってるわ」

 思ってたより大事になりそうだなぁ。

「言いふらす気はねぇが俺はギルマスとして国の上層部に報告するがそれは理解してほしい」

「わかってます。でももしそれで国に何かされそうになった時はギルドを頼るので匿って下さいね?」

「勿論だ。国が不当な理由で手を出そうとした時はギルドがお前を守る」

「その言葉忘れないで下さいね。あとちゃんとそのことも国に報告してくださいね?」

 国に利用されそうになった時に助けてくれると言質頂きました〜!これでとりあえず私に手を出す=ギルドを敵に回すって思ってくれるよね。まあ、実際はギルマスが言ってるだけで冒険者が動いてくれるって保証はないけど安易に私に手を出そうとするおバカさんは気づかないだろうしいっか。



「じゃあ次は実技試験だ。剣も扱うってあったからどの程度のものか見せてもらうぞ」

 今度は体育館くらいの広さの建物に連れてこられた。ここで魔法や剣の試験をするらしい。今は木刀を持ってギルマスと向かい合っている。

「じゃあ打ち込んでこい」

「はい!」

 さて、どのくらい体が動くかな?取り敢えず一気に距離を詰めて上段から振り下ろす。が難なく受け止められるから下がって死角に移動し今度は下から剣を振り上げる。

 暫く剣を振っている間に感覚を取り戻してきた。ゲーム内と同じでイメージ通りに動けるのが有難い。


「よし、もういいだろう」

 あれから暫く打ち合い完全に感覚を取り戻した所で終わった。

「文句無しの合格だ。つーかお前本当に十歳か?」

「十歳ですよ〜」

 どこからどう見ても十歳でしょうが。まあ中身はもうちょっといってるけど。

「だよなぁ。この歳でそんだけ出来るなんて大したもんだ。レンリと互角じゃないのか?」

「まじですか」

「いやいや、俺の方が経験の差で勝つに決まってんだろ」

 経験の差って言われても私フルダイブするタイプのVRゲームやってたからそこまで差はないと思うんだけどなぁ。まあ仮想の敵と実体のある敵とじゃ気の持ちようとか色々違うし実戦になったらまた変わって来るのかな?


「今度は魔法だ。ここでは全属性の魔法を使って貰うが外では余程の事がない限りは使う属性は三つに抑えておけ」

「なんで三つなんですか?」

「三つならちょくちょく使えるやつがいるからそこまで目立たないんだ」

 なるほど。でも三つかぁ。光属性はバレてるから使うとして後二つは何にしようかなぁ…

「考えるのは後にして取り敢えず使ってみろ。攻撃魔法はあの的に、身体強化や回復魔法は俺にかけろ」

「わかりました」

 ん〜何で破壊しようかなぁ?ゲームの魔法ってこの世界だとどのくらいの威力か分からないし取り敢えず簡単なのでいこっと。




「…………」

「…なあルーチェ色々聞きたいことはあるんだが、何か言うことはないか?」

「…ごめんなさい」

 転生or転移あるあるの威力を抑えたつもりが思いっきり全然抑えられてなくて破壊してしまうをやってしまった…。

 いや、最初はすっごく気をつけてめちゃくちゃ抑えてたんだよ?でもさ、人って上手くいくと調子に乗っちゃうよね…。うっかり抑えるのが甘くなってやっちゃった☆あ、回復魔法とか支援魔法による身体強化は調子に乗る前にやったからギルマスは無事だよ!



 あの後ちゃんとえぐれた地面はちゃんと土属性魔法で直したからちょっと怒られるだけて済んだ。いやぁ、登録初日から施設破壊で借金とかそういう事態にならなくてよかったよ。

「はい、ではこちらがルーチェさんのギルドカードになります」

 渡されたギルドカードは前世のポイントカード見たいな感じだった。

「いきなりDランクか。まああれだけ出来ればそうなるわな」

「いきなりDランクっておかしいんですか」

「おかしくはないけどめったにないわね」

 そうなんだ。

「ランクはABCDEFって順になっててな、普通はFからなるもんだ。まあ、俺らはEからだったけどな」

「でもルーチェの戦闘能力はBの下位になってもおかしくないわよ?」

「そうなんですか?」

 それなら最初からBでよくない?まあ、下からの方がランクを上げる楽しみが出来るからいいけど。

「戦闘だけならBランクだが何も知らない新人のうちから高ランクになってたら危険だろうが」

「ごもっとも」

 なるほど。私の安全面を考慮してか。

「てなわけだからとりあえずDから頑張れよ」

 笑顔で告げるギルマスに私も笑顔で返す。

「はい!ありがとうございます」


「暫くはレンリ達と依頼受けて勉強しとけよ」

「はい!…って、え?」

「ほんと心配性だよなギルマスって」

「うるせえ」

 レンリさん達とって、私としてはありがたいけど迷惑じゃ…

「驚いた?」

 口喧嘩を始めた二人を放っておいてシャナさんが話しかけてくる。

「ギルマスってあんな顔だから誤解され安いけど実は物凄い過保護で心配性な子供好きな人なのよ」

「…まじですか」

「独身で自分の子供がいない分冒険者の子供達を可愛がるのよ。まあだいたいあの顔に怯えられて落ち込んでるんだけどね。だから怯えなかったルーチェを構いたいのよ」

「…ロリコンですか?」

「ロリコンではないから安心して。あれは暫く会ってなかった孫にあって構いたいけど素直になれない不器用な頑固爺みたいなものだから」

「ロリコンじゃないならいいです」

 ロリコン全員がダメってわけじゃないけど危ない人もいるからね…。


 まあとりあえず、冒険者登録をして頼りになる先輩やギルマスと知り合えたしよしとするか。

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