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(乙女ゲームから)脱線中2

「あいつら終わったな」

 ボソッとレンリ?さんが言った。なんか、テンプレ来たと思ったら色々話進み過ぎてフリーズしちゃってたけど助けてもらったんだからお礼言わなきゃ。

「あの!助けてくれてありがとうございました!」

「いいってことよ」

「あいつらと同列にされたくなかっただけだから気にしないで」

「照れんなよ」

「照れてないわよ」

 二人に向かって頭を下げると笑顔で返してくれた。

「冒険者全員があいつら見たいなアホなわけじゃねえから安心して頑張れよ」

「これも何かの縁だし困ったことがあったら相談してね」

「はい!ありがとうございます。えっと…」

「ん?…あぁ、俺はレンリだ」

「私はシャナよ」

「私はルーチェって言います。何かあったらよろしくお願いします、レンリさんシャナさん」

 この二人はいい人みたいだから頼りになりそう。


「俺にはないのか…」

 ボソッとギルマスが言う。

「何がですか?お礼ですか?」

「いや、まあ……うん」

 お礼言って欲しいんかい。

「何故ですか?先程の話を聞く限り彼等は色々とやり過ぎていたんですよね?それで今回のことがなくても処罰される予定だった様に聞こえたのですが。そうだった場合事前にそちらが彼等を捕縛していればこんな騒動は起こりませんでしたよね?つまり今回の騒動はそちら側の過失だと思うのですが何故私が謝辞を述べなければならないのですか?寧ろ不手際に対する謝罪を受けてもおかしくないと思うのですが?」

「うっ……それは、その………すまなかった……」

 なんかこの人見た目厳ついのに中身弱いな。さっきまでの威厳どこ行った?てか見た目とのギャップが酷いな!


「ルーチェ、その辺にしといてやれ」

「確かに正論だけど気を使ってあげて?」

「甘やかし過ぎたらダメになりますよ?」

「それはそうだけどね…」

 ちゃんと言う時は言ってあげないとね。

「まあそれはおいといて登録か依頼受けに来てたんだろ?」

「あ!そうでした!私登録に来たんです」

 危ない危ない、忘れる所だったよ。

「んじゃカウンターで書類を書いてから試験を受けることになるな。シュナ用紙くれ!」

「くれじゃなくて自分で取りに来てよね」

「そうよ。どうせカウンターで記入するんだから行った方が早いわ」

 レンリさんに言い返したお姉さんの方に行く。何故かレンリさんとシャナさんも着いてきた。


「初めましてルーチェさん。私は受付をしているシュナです。ちなみに後ろからついて来ているシャナの妹です」

 そーなんだ。道理で似ているわけだ。姉妹揃って美人かぁ。いいな〜

「ルーチェです。よろしくお願いします」

「こちらこそ。ではこちらの用紙に必要事項を記入してもらいたいのですが…」

 届かないんだよね。カウンターは私の目線くらいの高さだから。十歳児には高いよ…。踏み台ないかな

「ほい」

「わっ」

 キョロキョロしていたらいきなりレンリさんに持ち上げられた。

「こうすりゃ届くだろ」

 いや、届くけどもさ

「その体勢じゃ書きずらいでしょ」

 シャナさんの言う通り。高い高いする時みたいに両脇の下に手を入れて持ち上げられてるから書けないことはないだろうけど難しい。

「ほら、椅子持ってこさせたからこれに乗りなさい」

「ありがとうございます」

 誰に持ってこさせたかは聞かないよ?たぶん後ろで小さくなってもじもじしてるギルマスだと思うから。厳ついオッサンがもじもじしても可愛くないんだけど。


 ギルマスを無視して用紙に必要事項を記入していく。書くのは名前や使う武器や魔法の属性などだけだからすぐに終わった。ちゃんと魔法は光属性の魔法だけにしといたよ。書いた時にシュナさん達が驚いてたけどまあ仕方ないよね。今は私しか使えないみたいだから。

「はい、記入漏れはありませんね。では試験の前に魔法の測定をするので着いてきてください」

「測定ですか?」

「冒険者の中には使えないのに魔法を使えると言う奴がいたり、稀に生まれた時から魔法が使えるのに気づかずに祝福で授かった魔法しか認識出来ていない人がいたりするから確認のためにするのよ。他にも魔法は使えるけど魔力が少なすぎて実践で使い物にならない人もいるし」

 そう言ってシャナさんはレンリさんを見る。

「うっせ。俺は剣で戦うからいいんだよ」

 あー、レンリさん魔力少なくて使えないんだ。なんか可哀想。

「おいルーチェ変な目で見るんじゃねえ」

「まあ失礼な!乙女に変な目なんて言うものじゃありませんよ!」

「そーよー。ほんっとにデリカシーないわねー」

「お前らなぁ」

 つい冗談言っちゃったけどシャナさんものってきたしいいよね。



 シュナさんに案内された部屋に入ると中には水晶が置いてあった。

「あれに触れて魔力を流して下さい。流す魔力は少しだけにしてくださいね」

「はい」

 水晶に触れて魔力を手に集めるイメージをすると暖かい何かが手に集まってくる感じがした。これが魔力かな?ゆっくりと水晶に魔力を注ぐと水晶が光った。

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