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ギルドマスターとサブギルドマスター

 帰宅した後着替えると直ぐにギルドに向かった。


「シュナさんギルマスいますか?」

「いますよ。何か御用ですか?」

「はい。ちょっと〆ようと思いまして」

 笑顔で告げると溜息をつきつつもギルマスの部屋に案内してくれた。


「ルーチェさん、くれぐれもやり過ぎないようにしてくださいね」

「はーい」

 私が返事したのを聞くとドアをノックした。

「ギルマス、ルーチェさんです」

「おう、入っていいぞ」

「失礼しまーす」

 中に入るとギルマスだけでなくサブマスもいた。サブマスは元ギルマスで今年六十歳になるおじいちゃんだ。本当は引退してしまいたかったらしいけど今のギルマスに泣きつかれてサブマスとしてまだ仕事をしているらしい。

「おや、どうしたのかな?」

「ちょっとギルマス〆に来た」

「ガルドお前何をした」

「何もしてねぇよ!?」

 〆に来たことを言うとサブマスがギルマスを睨みつけた。ちなみにガルドはギルマスの名だ。


「私の事を国の上層部に話しましたよね?」

「そりゃあ話したさ。だがそれはルーチェも納得してのことだろ?」

「そうですね。では質問を変えます。私に関する報告をしたのは六年前のはずです。なのになぜ当時十歳で上層部に組み込まれていないであろう王太子が私のことを知っていていきなり訪ねてきて訳の分からないことを喚くことになるんですか?しかも本人が『ギルドマスターから話は聞いている』と言っているんですがこれはどういうことでしょうか?」

 まじで何言いやがった。内容によってはその毛根死滅させてやる。

「あー…そりゃ多分こないだの事だな」

「こないだとは?」

「ほら、ヴェネレの方にワイバーンの群れが湧いただろ?そんとき丁度近くにいたお前が全滅させたことを報告しに行った時に会ったんだよ」

「ほう」

「で、王太子に光属性の魔法を使う少女のことを知っているかって聞かれたから知っているって答えたんだよ。その後なんか質問されたんだがなんだっけな」

「その質問について聞きたいんですけどねぇ」

「全く、お前は肝心なことを覚えとらんの」

「しゃーねぇだろ。ルーチェがやったことの隠蔽工作とかを陛下と相談している時の休憩中に来やがったんだから」

 つまり私が目立ったのが悪いと?いやいやこれは聞かれたからって素直に答えたギルマスが悪い。


「ただルーチェに興味を持ったから聞いたということかの。じゃが何故それだけでわざわざ訪ねてくるんじゃ?ルーチェ、王太子は何を喚いていた?」

「えっとね、」

 いきなりクラスのご令嬢達を虐めっ子扱いして私やご令嬢達が否定しているのに聞く耳を持たず私を守るとか抜かしてたことを話した。

「…意味が分からん」

「何故話を聞いただけで一方的に責めて令嬢達を敵に回そうとするんだ?そんなことしたら本当にルーチェが虐められるじゃねえか」

「それもそうじゃが『私が貴女を守る』じゃと?何故ワイバーンの群れを一人で全滅させるルーチェが実戦経験のないお綺麗な宮廷剣術を習っただけの雑魚に守られるなどという発想ができるんじゃ?どう考えても逆じゃろ」

 サブマス王太子を雑魚扱いか。まあそれはわかるけどね。強そうには見えないし何より頭が弱いみたいだからね。

「まあ守る発言については私の戦闘力を把握していないからじゃない?あんな頭弱そうなやつに王様がペラペラ機密情報話すとは思えないし」

「だとしてもルーチェに迷惑をかけ弱者扱いしたことは許せんのぅ。わしの孫が雑魚如きに守られるほど軟弱な訳がなかろうに」

「いや孫じゃねえだろ」

「わしにとっては孫も同然じゃ。のぅルーチェ」

「うん。サブマスがおじいちゃんだと嬉しいもん」

 この世界の魔法教えてくれたりお菓子くれたりして可愛がってくれるからね!しかも今生ではおじいちゃんもおばあちゃんもいないからサブマスがおじいちゃん代わりになってくれて嬉しいもん。


「……二人ばっか仲良くなりやがって」

 小さい声でボソッと言ってたけど無視無視。羨ましいなら自分で輪に入ってこんかい!

「まあその件については俺からも陛下に報告しておく。多分説教で終わるだけだろうけどな」

「廃嫡しちゃえばいいのに」

「それはこれからによるの。おぉ、そうじゃルーチェ。これを持っておきなさい」

 そう言ってサブマスはブレスレットを渡してきた。

「ブレスレット?」

「ただのブレスレットではないぞ?それはな、記録用の魔法を刻み込んでおってな魔力を込めると自動的に記録されるんじゃ」

「つまり証拠を集めておけと」

「うむ。自分の言動がどんな影響を及ぼすか思い至らない上にルーチェに迷惑をかけるような阿呆など王になる資格はないからな。潰しておくに限るわい」

「あんた絶対後半が本音だろ」

「可愛い孫に迷惑をかけるやつなどいらんわ。王族でなければ消しておる」

 さすがサブマス頼りになるなぁ。

「おじいちゃんありがとう大好き!」

 笑顔で言うとサブマスも嬉しそうに笑って頭を撫でてくれた。ギルマスの顔が引きつってたけどそれは気にしなくていいよね。


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