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【093】学園都市へGO!

 ブロロロロ。


 俺たちは街道を走っていた。


 この世界ではあり得ない機械音を発して走行しているのは、ツクヨミの衣で作ったブルドーザーである。


 プリウスでもハイエースでもない。ブルドーザーなのである。


 何故ブルドーザーなのかって?


 そんなことは知らん。どうせ俺がブル・ドッグだから、それに当てつけたんだろ。


 搭乗席は狭いけど、俺はセンに抱えられるように座りその豊満なおっぱいが俺の頭をガッチリ挟んでクッションの代わりになっている。


 普段一切触らせてくれないツクヨミも、在ろう事か俺の膝の上に腰掛けブルドーザーを運転しているのだ。


 日本で見たものと違い、装甲車のように窓がないから、外からこちらの様子は一切見えない。


 そんな密閉された空間で、召喚モンスターとはいえ、美少女二人に挟まれた俺は至極幸福な状況なのではあるが、気分は深く沈んでいた。


 まあ、失恋したんだから仕方ないね。


 世の中の連中はこんなダメージを覚悟で告白とかしてんのか……まじすげえよ。


 数日前、俺はエディナに想いを告げた。


 時計塔で待ち合わせをして、その答え待っていたんだ。


 しかし、エディナはいつまで待っても現れなかった。しかも、俺の贈ったプレゼントも返却しないで……。


 別に返されても困るから良いけど、エディナがそんな事をするとは考えられなかったのだ。


 何か事情があるのかなとは思ったけど、その日を境に何日待ってもエディナは宿にすら戻って来なかったのだ。


 心配になった俺は、ロリ様に会いに行ってエディナの事を聞いたら、実家に帰ったとだけ言われた。


 何も告げずに? あのタイミングで?


 エディナの事を信じたかったけど、俺は想像を膨らませて都合のいいように捉えるのはやめた。


 あるがままの事実を受け入れる事にしたのだ。


 エディナに振られたという事実を。


 そうなると、もうなんにもやる気が起きない。


 そして、グズグズと過ごしていた俺の様子を心配してか、ツクヨミが他の街へ行きたいと言い出したのであった。


 そこで、俺は俺になる前のブルが持っていた入学許可証の事を思い出した。


 期日とか何も書いてないから、どういう扱いになるのかわからないけど、取り敢えず行ってみようという事になり、俺たちは学園のあるパンナコッタの街へ向けて出発したのであった。


 結構距離が離れているみたいだけど、ツクヨミのブルドーザーは結構スピードが出る。


 途中で何度か馬車とすれ違って驚かれたけど、まあ、別にどうでも良いだろう。


 やさぐれてる俺には何も気にならない。


 寧ろブルドーザーの上に玉座を置いて、そこで踏ん反り返りたいまである。


 俺の心はもはや世紀末だ。


 立ちはだかる者は全てなぎ倒してくれる!


 愛だと?


 ええいっ! 愛など要らぬ!


 帝王は退かぬ、媚びぬ、顧みぬ!


 ……お師さん。


 誰よりも愛深き故に……ちゃららー。


 だああ、死んじまったあああ。


 もうだめぽ。


「ブル、お腹空いた」


 俺が自分の想像に打ちのめされていると、ツクヨミが運転しながら言った。


「うん。じゃあ、休憩しようか」


 俺が言うとツクヨミは首を横に振る。


「ポテサク食べて良い?」


 ああ、そういえば食料も大量に買ったけど、ポテサクもまだたくさん残ってたな。


「いいよ、みんなで食べよう」


 そうして俺たちは、車内でパリパリもぐもぐしながら、呑気にパンナコッタへの旅路を進んで行ったのであった。

お読みくださりありがとうございます。


五年前に買ったズボンの腰まわりがキツく……ならない!


って話をしたら、冷たい目で見られました。

仕方ないから、太らない秘訣を教えてあげたら更に冷たい目で見られました。

効果あるんだけどなぁ。


範馬刃牙式トレーニング。

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