表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
8/204

【008】一撃必殺!

「なんて酷いことをするの! この悪魔! ばい菌!」


 エディナに怒られてしまった。しかもばい菌扱いまでされて。


 確かにあのつぶらな瞳を前にして、俺も躊躇しなかったといえば嘘になる。だが、俺は自分の力をどうしても試さなくてはいけなかったのだ。


 俺たちのやり取りを呆れ顔をして眺めている狼男を倒すために!


 俺は左手で顔を覆い、右手をエディナに向けてシュバッとかざすと、含みを持たせて言った。


「……必要な犠牲だった」


「どこがよ!」


 うむ。やはりカッコつけただけでは納得しないか。なら仕方ない。俺の真の実力を見せてやるとしよう。


 俺はふぁさあっとマントを翻すと、狼男へと歩み寄った。


「ちょっとばい菌! 死ぬわよ!」


 俺のことをおとしめたいのか、心配したいのか良くわからない台詞が聞こえてくる。俺はわずかにエディナへと視線を向けると、フッと笑って狼男へ視線を戻した。


 なに、意味なんてない。ただやりたかっただけだ。


「おいっ狼男! こちらの準備が整うまで待っているとは、悪役の鑑だな!」


「どちらかというと、ばい菌の方が悪役っぽいけどね」


「お前の漢気に免じて、引くのなら見逃してやるぞ!」


「召喚モンスターは指示がなきゃ動けないんだから、漢気とか関係ないと思うけど」


 ああもう! せっかくいい台詞言ってるのに、後ろから聞こえてくるツッコミが鬱陶しい。台無しだよほんと!


 俺がエディナへ抗議の視線を送っていると、茂みの一つがガサリと動いた。


 みると、小汚いマントを羽織った冒険者風の男が立っていた。


「お前こそだ小僧。先程お前が【白無垢】を持っているのが見えた。それを素直に渡すなら、見逃してやらんこともないぞ」


 えー。割と距離あると思うんだけど、あいつめっちゃ目良くね?

 というか、俺がモンモンを殴り飛ばしたところは見ていなかったのか?


「あんたなんかに渡すカードなんてないわよ!」


 俺の後方からエディナが叫んだ。いや、俺のカードについて勝手に方針を決めるのやめて貰って良いですかね。まあ、俺も渡すつもりは無いんだけども。


「ふっ、ならば仕方ない。無理矢理奪うとしよう。行け! タイガーウルフ!」


 男がそう声を発すると、狼男が動き出した。


 つーか、タイガーウルフってなんだよ! 虎なの? 狼なの? 見た目は完全にウルフなんですけど! 虎の要素皆無なんだけど!


 そうこう考えている内にも、瞬く間に眼前へ迫った狼男の爪が俺に振られる。


 俺は息を吐いて心を落ち着ける。恐怖心をでは無い。湧き上がる興奮をである。


 よし落ち着いた。行くぞ!


 俺は目を見開き狼男に向かって拳を放った。


「どぅりゃあああ! 【破壊デストラクション】!」


 俺の叫びと共に拳が輝く。


 なんだこれ! やばい! カッコ良過ぎる!


 光を纏った俺の拳に狼男の爪が触れると、触れた先からボロボロと崩れるように霧散して行く。


 そして、俺の拳が狼男の胸に突き刺さると、狼男は軽石のように吹き飛びながら、その体を空中に溶かしていった。


 振り抜かれた拳の先にはなにも残っておらず、拳を放ったポーズの俺がいるだけだ。


 ふっ、強過ぎるぜ俺の拳!

読んで頂きありがとう御座います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ