【066】なかなかどうして女王様
ティターニアに見限られないようにと、エディナは表情を引き締めている。
うーむ。
ちょっと、失敗したかもしれない。
ただでさえ、ロリ様にプレッシャーを受けて固くなってるエディナだったが、【LG】を渡した事で更に固くなってしまった。
気を張り過ぎて疲れ果ててしまわないだろうか?
俺がそんな心配をしていると、ティターニアが透かさず指摘をする。
「エディナ様、そのように気を張っていては疲れてしまいますよ」
「わかってるわ。でも、私はまだ強くないから、気持ちだけでも引き締めておかないと……あと、やっぱりエディナ様はやめて欲しいわ」
「では、なんとお呼びすれば?」
「普通にエディナって呼んで。ブルだってツクヨミちゃんやセンちゃんにそんな呼び方させてないし、ティターニアとは対等でいたいの」
「ふふ、それではエディナ。もう少し肩の力を抜いてください。わたくしが一人いれば、勝負であなたが負ける事はないのですよ」
「そんなこと……いえ、ティターニアの力を疑っているわけじゃないけど、相手の手札がわからない内に油断は出来ないわ」
「大丈夫です。手札がわからなくても、負ける事はあり得ませんから」
自信満々にティターニアは告げる。
なんというか、ツクヨミやセンとは違った感じで扱いが難しそうだな。
【LG】って実は使い勝手悪いんじゃね?
そんな事を考えていると、後ろからセンがガシッと抱き着いて来て、膨よかな胸を押し付けてくる。
うむ、【LG】って凄く良いです。
「ふふ、そうでしょう?」
あー、こいついっつも俺の心の中をのぞいてんのな!
でもまあいっか。
読まれて困る事考えてないし。つか、大体アホな事考えてるから、覗いてると馬鹿になるよ。気を付けてね。
「大丈夫よ。私が見てるのは表面的な思考だけじゃないんだから」
ならスケベな妄想で埋め尽くしてやる!
ロリ様ですら赤面させた俺の想像力を舐めんなよ!
俺があんな事やこんな事を想像し始めると、センの息遣いが荒くなった様な気がする。
あ、駄目だ。コイツどスケベ野郎だ! そんな妄想しても喜ばすだけですやん。
「あーん、もっとちょうだい」
くっ、センめ! 中々手強い!
だが悔しい事にスケベな女の子は結構好きだったりする。つか、その卑猥な台詞をやめろ! 色々想像しちゃうだろっ!
「ところで、創造主様」
ティターニアに呼ばれて俺は我に返った。
エディナが主人となったのにその呼び方は変わらないんだ。
「なんだい?」
「いくつかカードをお創りいただけないでしょうか?」
「別に良いけど、何が欲しいの?」
「はい。一つは【地形】のカードで、【幻想】をお創り願えないかと」
「理解していると思うけど、俺のやっていたゲームに【地形】カードはなかった。だから、失敗する可能性もあるよ?」
「創造主様の知識をお使いいただければ、おそらく問題ないかと思われます。わたくしたち妖精の住まう、幻想的な世界を想像していただければ良いのです」
「うーん、まあやってみるよ。他には?」
「妖精王、オベロンの召喚。それとわたくしの小間使いとして、ピクシーを数体いただきたいのです」
おおぅ。急に女王っぽくなって来たよ。召喚モンスターが小間使いって、この子もカードに戻る気ゼロじゃない。
まあ、確かに意思を持ってたら、カードに何てしまわれたくはないのもわかるけど……。
「良いけど、オベロンは何に使うの? 銀の【白無垢】がないと、【LG】は召喚出来ないよ?」
「承知しております。ですので、彼は【LG】の前に実装されていた【SSR】でお創りいただきたいのです。【SSR】の状態でも、彼のサポートアビリティは有効ですので」
そういえば、使ってなかったから忘れてたけど、オベロンはサブに編成しているだけで、妖精族のステータスを増加させるサポアビが付いてたな。妖精族って限定的なアビリティだったから、使えなかったけど、エディナの編成には有効か……。
「あー、まあ良いよ。どの道エディナのデッキは妖精デッキにするって決めてたし」
「ありがとうございます」
そう言ってティターニアは美しい動作でお辞儀をした。
さて、じゃあ他のカードもとっとと【実装】しちゃいますか。
読んでいただき、ありがとうございます。
普段外出する時は鞄に折り畳み傘を入れて行動しているのですが、その日は特に持っていく物もなかったので、手ぶらでスタジオへ向かったのです。
そしたら何と、降りましたよ雨が。
天気予報見ろよって話なんですが、常に折り畳み傘を持ち歩いてるとそんな習慣なくなるんですねぇ。
書いてて思ったけど、この後書きつまんないわ。
でも、書き直さない勇気!




