【062】ロリ様は褒める
俺たちの前に不遜な態度のロリっ子。自称、カードの創造主アウナス。通称ロリ様が腕を組んで立ちはだかった。
「ロリ様さぁ、あんなでっかいモンスター出したら街が酷いことになってたかもしれないんだけど?」
「安心しろ、お前が死んだら消し去る予定だった。何も問題あるまい!」
うわっ! ひどっ、ちょっと日記忘れたぐらいで大人気無い。
「というか、最初と口調が全然違うのはなんでさ。キャラ設定はしっかりした方が良いと思うけど?」
「余計なお世話だ! 世の中にはてぃーぴーおーと言うものがある。それに合わせるのは神としての嗜みだ」
神にも嗜みがあったんだね。
「ねえ、ブル。この方は本当にアウナス様なの?」
俺とロリ様が平然と話をしていたら、エディナが恐る恐る聞いてくる。まあ、確かに。この見た目で神様なんて言っても誰も信じないよね。
「ぺたんこが困惑するもの無理はない。では、そうだな」
ロリ様は言ってパチンと指を弾いた。
つか、ぺたんこの癖にエディナをぺたんこ呼ばわりするのはどうなんだ? まあ、間違っちゃいないけど。
「ぺたんこ。カードを見てみろ」
ロリ様にそう言われ、エディナはホルスターからカードを取り出した。
そして、驚きの声を上げる。
「うそっ!」
「ぺたんこのカードを二枚、レアリティを上げてやった。まあ、どのカードが当たったかは知らんがな」
え? まじ? エディナもそんなにカード持ってないから、【偶然】が当たってたら【LG】になっちゃうけど!
「【ピクシー】と【レッサー・クマ】のカードが……」
どうやら【偶然】は当たらなかったらしい。
「失礼な態度をとってしまい申し訳ありません」
急にエディナが跪いて頭を下げた。
おお、偉そうなロリ様が本当に偉そうに見えてきた。
「ちょっとブル! あなたも頭を下げなさい」
えー、それはちょっと抵抗があるんですけど。相手はロリ様だし。
「うむうむ。ぺたんこはよくわかっているな。そこのクソ犬と違って礼儀がなっている」
「今更それを言う? ロリ様だって神様のくせに結構大人気無いと思うけど」
「ふん、お前の易い挑発に仕方なく付き合ってやっているだけだ」
ほうほう。
「やーい、ロリっ子。ぺたんこのちっぱい」
「ブチ殺すぞ!」
いや、めっちゃ本気で怒ってるんですが?
「もう、ブル! やめなさい失礼よ! 申し訳ありません、アウナス様。この人は……バカなんです!」
エディナさん、それは酷くね? いや、バカだと自分でも思うけどね。
「そ、それよりも、アウナス様。私たちを呼び付けた理由をお聞かせいただけますか?」
エディナがそう言うと、青筋を立てていたロリ様は、ニヤリと笑みを浮かべた。
「理由か。お前たちの今後の目的を直接聞いておこうと思ってな」
「目的、ですか」
「そうだ。ウシドーンを倒した所為で注目を浴びてしまったからな。今までの様にひっそりとした日常で私を楽しませることができなくなってしまった」
「私たちがアウナス様を楽しませる!?」
「そうだ。私は日記を通じてクソ犬の一日を覗いている。その中でも、ぺたんこと後ろの【LG】二人は中々に良い仕事をしているな」
「いやいや、俺は? 結構頑張ってるでしょ!」
「お前は【実装】を繰り返し、スケベな事を考えているだけだろう? そこの三名がいなければお前の物語など見るに耐えん」
ひっどい! こんなに頑張ってるのに! あれ? そんなに頑張ったか?
「兎に角だ。委員会には、それなりに制約が多い。その為に、お前たちがシコシコ資金を貯めて頑張る様子を今後見守るのも退屈だったんでな。お前たちの目的次第では、便宜を図ってやることにした」
「え? それじゃあ、俺がエディナを魔王にしようとしてるって言ったら協力してくれるの?」
「ふむ、魔王か! しかも、お前ではなくそこのぺたんこをすると? なるほど、クソ犬も少しは面白そうなことを考えるな」
全然褒められた気がしないんですが。
「良いだろう。神としてではなく、委員会の代表としてお前に少し手を貸してやる」
そう言ってロリ様はぺたんこの胸を反らして、高笑いをした。
うむ、大丈夫だろうか。
読んで頂きありがとう御座います。
ジョージアの缶コーヒーが好きで良く買うんだけど、近くのコンビニへ行くと123円。ちょっと遠くまで歩くと自販機で110円。もっと遠くまで歩くと自販機で100円。ネットでまとめ買いすると一本63円。
暖かい季節はまとめ買いするけど、寒い時期は温かいのが飲みたいし、遠くまで歩きたくない。
悶々としながら、お湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れる自分。
結局買わないんかーい!




