【060】寝覚めは
チュンチュンチヨ
うむ、朝である。
寝覚めは最高だ。
体はバキバキに痛い。だが、最高だ!
空は快晴。鳥の囀りも心地良い。
今もほら、聴こえてくる可愛らしい鳴き声。
チュンチュンチヨ。
……なんか変なのが混ざってるが、まあいいだろう。
そんな些細な事など気にならないほど、俺は気分が良いのだ。
何故なら、昨晩のことである。
就寝前にロリ様の日記に煽り文句を書いて、それに対抗して来たロリ様の『エアプ乙』が無性に腹が立ったもんだから、日記を追記。計三回のやり取りをする羽目となり、メールかよ! ってところで俺怒りが有頂天! とっても面白ろムカつきました。
……って、そんな話じゃない。
その後の話である。
カードに戻らない頑固【LG】が増えたもんだから、俺は宿をベッドが二つある部屋に変えたのだ。
一つのベッドは俺が占拠し、もう一つのベッドでツクヨミとセンが眠る事になった。だが、あの二人はとっても仲が良くて、俺が眠りに就こうとしたらベッドがギシギシ鳴ってうるさいうるさい。
いやもう、色々と妄想が捗ったね。
あんまりうるさいから布団を引っぺがしたら、中で壮絶な蹴り合いが発生してただけなんだけど。
仕方ないから、一人俺のベッドへ移動させようとしたら、何故か二人とも挙手してまた蹴り合いが……。
ちょっとそこは面倒くさかった。
でもね。そこで始まったのは、俺の取り合いだったわけですよ。
俺に対して甘々なセンだけじゃなくて、いつも素っ気ないツクヨミまで、俺と一緒が良いと主張し始めたんですよ!
感動したね。
仕方ないから三人で一緒のベッドで寝たわけ。
俺を中心に、右側にツクヨミ。左側にセン。
召喚モンスターとはいえ、美女に挟まれて寝れるなんてもう至福のひと時と言っても過言ではない。
俺のハーレムうはうは計画が、着実に進行しているのがわかるひと場面だった。
そして、ツクヨミを抱き寄せて、センをモフモフして眠ろうとしたら、俺の体を何かがスルスルと這って来た。
いや、知ってたよ。いつものやつですよ。
ツクヨミは何で直ぐに衣で俺を簀巻きにするんだ!
なんて考えていたら、衣の上から柔らかな感触が!
簀巻きされた俺に、センが大きな胸を押し当てて抱き着いて来たのだ。
ベッドが狭かっただけかもしれないけど、ツクヨミの距離も心なしかいつもより近かった。
俺は身動きがいつも以上に取れなかったけど、それはもう大興奮で眠るどころではなかったわけですはい。
あんまり興奮し過ぎたせいか、息苦しくて寝落ちしてしまったけど、寝覚めはスッキリ爽快。
これほど快適な目覚めは過去に無かったわけだ。
……って。
そんなわけあるかあああ!
目が覚めた今でも、俺はツクヨミの衣に簀巻きにされ、その上からセンに抱き着かれている。
お前ら! いい加減俺を解放しろ! 身動きが取れん。
締め付けがキツ過ぎて昨晩は気絶したわ!
しかも酸素が足りなくて、ちょっとトリップしてた! お陰でなんかおかしなテンションになってたつーの!
俺が声を絞り出しても、二人はスヤスヤと寝息を立ててまるで起きる様子はなかった。
もうさ、この二人カードにしまっちゃおうかな!
読んで頂きありがとう御座います。
グラブルでガチャを引いたらクソ雑魚ナメクジ以下の引きで撃沈。
もう、おこた。ふて寝してやる。




