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拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
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【057】【偶然】

 ツクヨミとセンがウシドーンの気を引いている内に、俺とエディナは一歩、また一歩と着実に歩を進めていた。


 その巨体が徐々に近付くにつれて、視線が上へと向いていく。


 うわあ、ほんとにデカイ。


 ピクピク動く筋肉と浅黒い肌。臨場感抜群である。


 危機感のない俺はいいけど、エディナはほんとに怖いだろうに。


 握った手にギュッと力が込められたことで、エディナの心情が伝わってくる。


 そう考えると、ウシドーンと対峙したAランク戦隊は、凄い胆力を持ってたんだな。もしかしたらただの阿呆だったのかもしれないけど。


 俺たちはなるべく気配を悟られないように歩いていたが、ついにウシドーンの瞳がギロリとこちらを向いた。


 うわあ、こっち見てるんだが……。


 俺たちへ……正確には俺へ向かって動き出そうとしたウシドーンの背に、センの【天雷】が落ちた。


 グモッと唸ってウシドーンは振り向く。


 ナイス、セン!


 ウシドーンが振り向いた直後にツクヨミの【胡蝶】が閃く。


 棍棒を持った手に向かって。


 容易く斬り裂いたウシドーンの腕であったが、棍棒は取り落とさない。


 直ぐにモクモク煙を上げて、斬られた腕を修復していく。


 チッ、棍棒さえ持ってなければ簡単にケリがつくのに。


 だが、俺たちの存在に気が付かれてしまっている現状では、もう悠長にはしていられない。


「エディナ、走るよ!」


 俺はエディナの手を引いて走り出した。


 巨大なウシドーンへグングン近付いていく。


 そして、振り下ろせば棍棒が届くというぐらいの場所まで辿り着き、俺は叫んだ。


「エディナ!」


 俺の声に透かさず反応して、エディナが声を上げる。


「【偶然ピタゴラス】!」


 エディナの手に持つカードが強い輝きを放った。


 これできっと、俺たちにとって都合のいい何かが起きるはず!


 さあ、何が起きる?


 シーン。


 辺りを静寂が支配した。


「ブ、ブル!?」


 エディナが不安げな声を上げる。


 まあ、落ち着きなよ。


 今に何か起きるから……。


 シーン。


 大丈夫、あと少しで……。


 シーン。


「ぐあああ! なんもおきねえ!」


「え? 失敗? ねえ、失敗なの?」


 危機感が足りない俺でもしっかり動揺はするらしい。


 俺とエディナは慌てふためいていた。


 そんな俺たちに対して、ウシドーンは待っちゃくれない。


 巨大な棍棒を俺たちへ向かってドーンして来たのである。


「ツクヨミ!」


 今回ばかりは、俺の叫びにツクヨミが素直に反応してくれた。


 【天竜】のバフが付いたツクヨミは、ウシドーンのスピードにも負けることはない。


 寧ろ速すぎるその速度で俺とエディナを衣で包み込むと、棍棒の直撃位置から移動させてくれる。


「ざどぅがづぐぼび!」


 速すぎる故に、当然俺はまともに叫べない。


 でもエディナにはしっかりコーティングが施されて、風除けをしているらしい。


 だから、なんでだよ!


 つか、このままウシドーン側まで運んで貰えば良くね?


 そう思った俺はツクヨミへと指示を出そうと試みた。


「づぐぼび、ぼでぼあびづどぼどばではどんで!」


 はい、ダメでしたー。


 ツクヨミは何言ってんだこいつ、みたいな目で俺を見て首を傾げるも、一向に速度を緩めてくれない。


 お願い、いいから一度止まってよ。


 俺がそう思っていると、突然地震が起こった。


 揺れは次第に大きくなり、ウシドーンも立っているのがやっとになる。


 今がチャンス!


 そう思ったが、立ち止まったツクヨミは、おっとっと、たたらを踏んでドテッと転んだ。


 なんでここで転ぶの! 揺れてるけども!


 この揺れは【偶然ピタゴラス】が引き起こしたものだ!


 多分、ツクヨミとかセンとかウシドーンが引き起こした振動が共鳴して偶然地中に埋まっていた鉱石とかなんかがその振動を増幅させて地殻とか断層とかなんだか知らないけどその辺に影響を及ぼしてずり込ませるような何かが起きたんだと思う。


 はぁはぁ。


 とにかく! この地震が収まる前になんとかしなくちゃいけない!


 そう思い、俺がツクヨミに指示を出そうとした時、大地がパカッと大きく割れた。


 綺麗に俺たちを避けて、ウシドーンの足元を崩落させる。


 グモーッと雄叫びをあげて暴れ回るウシドーンであったが、逃げる先逃げる先が崩落していく。


 そして、しまいには亀裂に落ちそうになって、両腕で崖となった地面を掴んで動きを止めた。


 俺たちの目の前で……。


「………………」


 俺は揺れが収まった地面をスタスタ歩いてウシドーンへ近付く。そして、プルプル震えるその手に向かって拳を振るった。


「ていっ、【破壊デストラクション】!」


 グモッ?


 俺の拳が当たると、間抜けな声を上げたウシドーンは光の粒となってあっさりと消えていった。


 うむ、よくわからんが一件落着である!

読んで頂きありがとう御座います。


よし、ウシドーンをドーンできたぜ!

強い【偶然ピタゴラス】!

因みにこのカードは使った本人にとって都合のいいことが起こる効果ではなく、作者にとって都合の良いことが起こる最強のカードだったのだ! べんべん!

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