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拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
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【004】熊さんに出会った

 誰かが戦うような音がしたから、怖いんで逃げて来たんです。


 そうしたらもっと怖いのに会いました。


 俺氏終了のお知らせです。


 目の前には、俺の三倍はありそうな熊みたいな生き物がのそりと立ちはだかっていたのだった。


 マジどうしよう。


 ちょっとハードモード過ぎませんかね。


 序盤はゴブリンとかスライムとか、弱そうなのが出てくるべきじゃあないでしょうか?


 まあ確かに作品によっては、ゴブリンもスライムも強敵だから、一概にそれが良いとは言えないんだけどさ!


 というか、熊ってどう対処するんだっけ?


 寝たふりも実は駄目らしいし、眉間にコークスクリューブローを放てば倒せる?


 いやいや、漫画の見過ぎだわ。でも俺好きなんだよね。バトル漫画とか。ちょっとやってみようかな?


 そういえば、俺のチート能力は【破壊デストラクション】ってのだったな。拳の絵が描いてあったし実は結構いけんじゃね?


 そんなことを考えていたら、熊みたいなのが二つ足で立ち上がって、ぐわーってして来た。


 俺は構えていた拳を素早く収めると、踵を返して来た道を戻るように走り始めた。


 森の木々をデンプシーロールのように躱す躱す。

 いや、そんなカッコいいものじゃなかった気もする。


 実際は、どひゃーっと諸手を上げて、八の字に逃げ惑っているだけだった。


 森が下っていたのと、木々の間隔が狭かったお陰でなんとか追い付かれずに済んではいるが、このままだとやばい気がする。


 というか既に息が切れ始めていた。


 この軟弱な体め!


 この体の前の持ち主に、文句を言いたくなったがやめた。


 あまり正確には覚えていないが、前世での俺もそんなに努力家だったわけではない気がしたからだ。


 というか、絶対面倒臭がりだったと思う。だから、気持ちはわかるんだ。努力って面倒臭いよね。あれが出来る奴を俺は尊敬する。


 そうこう考えていると、先程聞こえた金属の打ち合う音が再び聴こえて来た。


 もう仕方ない。どうなるかわからないが、あそこで争ってる連中に擦りつけてしまおう。


 そう思い、俺は全力で森を駆けた。


 そして、遂に森が開けた場所に飛び出す。


 ガサッと大きな音を立てて突然飛び出した俺。


 そんな俺の姿を見て、打ち合いを続けている者たちの動きが止まった。


 そして、俺の動きも止まった。


 何故なら、打ち合いをしていたのは人ではなかったのだ。


 さっきの熊みたいな奴より大きい鎧の塊。全身甲冑といえば人に見えなくもないが、そのサイズが異常だ。あと目とか光ってるし。ロボじゃん。ガン◯ムとかザ◯じゃん。


 それとやり合ってるのが、これまた人じゃない。


 狼みたいな顔と毛むくじゃらな上半身。両手から伸びる鋭い爪。二足立ちした下半身には、がっしりとした鎧を着込んでいる。その耳には当然ながら立派なフサフサ耳が付いている。


 ロリさまよ。まさかコイツがケモミミとかいうんじゃないだろうな。だとしたら俺はガッカリだよ。


 くだらないことを考えていたら、後ろの茂みがガサッと動いた。


 遠吠えを上げて登場したのは、俺を追いかけていた熊さん。


 や、やべえ。


 状況もやべえけど、この世界がやべえ。


 異世界っていうか、ただの人外魔境なんだが……。

読んで頂きありがとう御座います。

二時間後の五話目で本日は最後です。

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