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203/204

【203】正位置と逆位置

 【LG】を倒す手段は幾つかある。


 ブルさんが無尽蔵に放つ【破壊デストラクション】のような、消失効果を持つ魔法カードを使うこと。

 罠カードに嵌めて、存在そのものを消してしまうか、カードの所有権を一時的に奪うなどである。


 後者はあまりお勧め出来ない。


 何故なら、ターン制限やマスの制限の無いバトル形式だと、そもそも罠に嵌める事が難しい。

 カードを発動するには発声を必要とする為、使用した事が相手にわかってしまうからだ。

 目に見えている罠にハマるお馬鹿さんはいないだろう。


 となると、【LG】を倒すには、特殊効果を用いた魔法で舞台から退場して貰うしかない。


 とはいえ、一撃で相手の召喚モンスターを無力化出来るカードなど、複数枚所持している人も珍しい。


 物理的なダメージで相手を倒すという手段も無くもないのだけど……うん、それは無理だろうな。


 怪しく笑みを浮かべる妖精を見て、私はサッサとその手段を選択肢から除外した。


 ところが、私以外の二人は……正確には一人と一体なんだけど、とにかくその二人はまだまだティターニアをやっつける気満々って感じだった。


「あのぉ、別に倒す方法考えなくても良いんですからね」


 一応そう言ってみたけど、


「何を言ってるでぇす。倒す気でやるに決まってるでぇす!」


「この場で倒してしまえば、主君の勝利が確定するのですから、倒さない理由がありませんね」


 いやー、倒せるなら良いですけど、カラドボルグさんの召喚モンスター、一撃でぶった斬られてましたよね? ワタツミさんも、回復支援タイプだから相手じゃないって言われてましたけど……。


 私の心配を他所に、それでも二人の指揮は高い。


 そして、カラドボルグさんは再びカードを取り出して叫んだ。


「【召喚サモン】! 【ザ・タワー】」


 カラドボルグさんが声を上げると、海面から迫り上がるようにして大きな塔が出現した。


 うーむ、さっきからカラドボルグさんの召喚モンスターは、身動きの取れないものばかりな気がするんですが?


「愚かな」


 海面から突き出た塔を見て、ティターニアがそう呟いた後、先程同様に手をかざす。すると、風の刃が一斉に【ザ・タワー】へと襲い掛かった。


 そして。


 【ザ・タワー】はその攻撃を全て弾き返したのだった。


 私は思わず「おお」と声を漏らしていた。


 別に攻撃を弾いたからといって、どうなる事でもないのだけど、さっきは一撃でやられちゃったから防いだだけでも凄いと思う。【ザ・タワー】動かないけど。


「【ザ・タワー】は特殊効果を持つ召喚モンスターでぇす。身動きは取れないっすけど、正位置の効果は自陣の召喚モンスターの防御力を十倍に引き上げるでぇす! そして、さっきあんたが倒した【ザ・サン】は倒されると逆位置の効果により、敵陣の召喚モンスターの攻撃力を十分の一に下げるでぇす!

 つまり、今のあんたの攻撃力は本来の百分の一になってるでぇす!」


 説明乙。


 でも、一方の防御が十倍に増えて一方の攻撃が十分の一になっても、攻撃力自体は百分の一にならないと思いますよ。

 そもそも数値化出来ないですし。


「とういうかダメですよ! 確かに何か凄いですけど、なんで相手に効果をバラしてるんですか!?」


「リミットバトルや、オルタネートバトルでは、効果を宣言するのがルールでぇす」


「これはリミットでもオルタネートでもないですよ!」


「黙ってるのは、闘士道精神に反するでぇす」


「どんなこだわりですか!」



 私たちがそんな事を言い合っていたら、


「なるほど。エディナ、デバフの解除を」


「ええ、【妖精の涙(フェアリードロップ)】」


 そう言って直ぐに効果を解除してしまった。


 そして力を取り戻したティターニアの攻撃は、あっさりと【ザ・タワー】を破壊する。


 ほらぁ、教えちゃうから。そんな視線をカラドボルグさんへ向けていたら、その口元から微笑が漏れた。


「因みにっすけど、【ザ・タワー】の逆位置の効果は、倒された時、敵陣の召喚モンスターの防御力を十分の一にすることでぇす」


 解除した直後に再びデバフをかけられて、ティターニアが眉をピクリと顰めた。


 デバフ解除のカードにも回数制限がある為、安易に使い過ぎるわけにもいかない。なるほど、嫌がらせデッキですか。やりますねカラドボルグさん。


 確かに足留めが出来なくても、有用なカードの使用回数を削る事が出来れば、ブルさんたちが戦う時に有利になる。

 その発想は私にはなかった。


 カードの効果を教える事で、相手にカードを使わせ心理的なプレッシャーかける。これも戦術だというのであれば、さすがはSランクの闘士と言えるだろう。


 見直しましたカラドボルグさん!



「【召喚サモン】! 【ザ・スター】!」


 今度は空に舞う無数の星だ。


 といっても遥か彼方で輝いているわけではなく、空の高い位置で小さな何かが複数発光しているだけだ。


 けれど、今度は一撃で倒すには数が多い。


 こんな複数体で一体の召喚モンスターもあるのか……。


「【ザ・スター】が司るのは速度でぇす!」


 つまり先程と同じで、存在する時にはバフを、倒された時にはデバフをかける召喚モンスターなのですね!

 速度が遅くなるのは、攻撃力や防御力が低下するよりもまずいはず。相手は容易に攻撃出来ないと思われます!


 なんてことでしょう。


 カラドボルグさんがまともに戦っている!

読んでくださりありがとうございます。


友達が会社を辞めて突然海外へ留学した。


ほーん、凄いね。ぐらいの感じだったんだけど、LINEで景色と街並みが送られて来ると、高い空、綺麗な海、石造りの建物がとてもファンタジーっぽかった。


すげぇな! 今度は本気で感心した。いや関心を向けたというのが正しいだろうか?


というかトッモ、異世界転移したわけじゃないよね? 何処よそこ!

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