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201/204

【201】始まったようです。

召喚サモン! 【オイシーカーズ】!」


 学園の門の前で私とカラドボルグさんが配置に着いた。

 学園の外周は広いので、周囲には召喚モンスターを複数放って警戒に当たらせている。


 探索系のモンスターが主体で、周辺には【地形フィールド・夜】を展開してその能力を向上させるそうです。


 空は晴れ晴れとしているけれど、学園の周辺は曇りのようにどんよりとして、なんだか不穏な雰囲気が漂っているかのよう。


 うーむ不安だ。


 相手は魔王であり【LG】を所持する強敵だ。こんな普通の警戒をしているだけで、足留めなんて出来るのだろうか?

 まあ、普通とは言っても忍者の方々が数名、外壁と同化するように潜んでいるし、【トラップ】カードも仕掛けてあるから厳重っちゃ厳重ですけど……。

 ぶっちゃけ空飛んでたし、上空からこられたら学園の外壁なんてあって無いようなものだ。


「カラドボルグさん、相手が空から来たらどうします?」


「撃ち落とすでぇす」


 簡単に言ってくれますね!


「出来ると思いますか?」


「大丈夫でぇす。手段は用意してあるでぇす」


 あー、あるある。味方なのにその方法教えないやつ〜。そういうのは、読者を驚かせる事が必要な商用作品だけにして欲しいんですけど。


 対策を知らされてないと、私何も出来ないんですが?

 というか私、商人だし。闘士じゃないから、対人戦とか初めてなんですけど?


 私のデビュー戦の相手は魔王でした。


 ははは、ウケるー。


 カラドボルグさんは何も教えてくれなかったけど、私の後ろからワタツミさんがスッと出て来て教えてくれた。


「ルティル。これを持っていると良い」


 そう言って手渡されたのは水鉄砲。ブルさんがハンドガンって言ってたやつだ。

 マチオカが飛び出て、当たると結構痛いらしい。でもって当たった人は、私は死にましたマークが浮き出るそうだ。


「……………」


 いやいや、相手は魔王と【LG】ですよ! ちょっと痛いぐらいでマーク付いたからといって、どうにかなるとは思えないんですが!


「マチオカは勿体無いから、ちゃんと鉛の実弾が飛び出るようにパイセンに改造して貰ってある。煉瓦造りの壁も貫通出来る威力だけど、反動は少ないから安心すると良い」


 いやいやいや、なんちゅー物騒な物持たしてるんですか! 人に当たったら死んじゃいますよ! というか原価で考えたら鉛の方が高価なんですけど、勿体無いって食べ物を粗末にするな的な意味ですか?


 私がツッコミを入れようとした時だった。


「オイシーカーズに反応があったでぇす! 二体やられた……間違い無い。魔王でぇす!」


 そう言ってカラドボルグさんの表情が急に引き締まる。

 そして、いつの間にか手にしていた私の持つ水鉄砲よりもゴツい奴を構えると、スコープを覗き込んで二回引き鉄を引いた。


「【L2】の外壁から侵入しようとしてるっす、急ぐでぇす」


 そう言うとカラドボルグさんは、走り出した。




 駆け付けると外壁の近くで妖精に囲まれた魔王が、何やら【LG】と話をしているようだった。


「やっぱり、中には居ないんじゃないかな? 鬼ごっこだって言っているのに、こんな篭城戦みたいなことする?」


「エディナ、やはり創造主様のことをわかっていませんね。あの方の思考は普通ではありません。魔王を相手にしている状況でも、平然と授業を受けるぐらいの事はするでしょう」


「なんか、その言い方不愉快になるんだけど。あたかも戦力を割いているように見せて、実はここには居ないなんて事もあるでしょ」


「ですから、そう思わせて普通にいらっしゃるのが創造主様です」


 ぐぬぬ、あり得るー。と魔王は綺麗な顔を歪ませてました。



「こちらに気が付いてないでぇす」


 カラドボルグさんが呑気そんな事を言ったけど、それは有り得ない。

 普通に相手にされてないだけだと思いますよ。

 というか私たちの役割は足留めですからね。二人が行動を起こす前にこちらから仕掛けちゃ駄目ですよ! ゆっくり話し合って貰った方が時間稼ぎ出来ます。


 けれど、この人は……。


「随分と余裕っすね、緑の魔王!」


 ですよねー。黙ってられないでぇすよね。


「こちらは話し合いを待ってやる義理は無いでぇす。【地形フィールド・海】!」


 カラドボルグさんが【地形フィールド】カードを使用すると、学園の外周と学園内の庭が波打つ水に満たされて行った。


 当然足場も海水で満たされている為、そのままでは溺れてしまう。


 魔王たちは咄嗟に空中へ浮き上がり、私たちはというと……。


 水の上に立っていました。何故なのか!?


「私の力ですよ」


 隠れているつもりもなかったのか、ワタツミさんが姿を現した。


 それを見た魔王たちは、さすがに警戒を強めたのか、真剣な表情となったのであった。

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