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【199】変身! いや、変体?

 青い毛並み小さな女の子。


 目つきはちょっと鋭いけど、ピコピコ動く尻尾とケモミミがとってもキュート。


 フェリちゃんの為に【実装】した、【LG】フェンリルである。


 フェンリルはスンスン鼻を鳴らしてフェリちゃんの臭いを嗅いだあと、俺の臭いもスンスン嗅いでくる。


 そんでもって俺に対してはなんか違うって顔をして、フェリちゃんにヒシッと抱き着いた。


 あのね。これからフェリちゃんに譲渡するけど、今は俺がご主人様なんだよ? そこんとこわかってる? ユキもリンドブルムもそうだったけど、最近の【LG】は譲渡する前から持ち主に懐き過ぎじゃないか?


 まあ、それ以外はティターニアしか【実装】してないから、サンプルは少ないけど……いや、よくよく思い返せば、あの性格のティターニアがエディナには随分優しかったような気がしなくもない。


 まあいっか。取り敢えず譲渡を完了させると、フェンリルはフェリちゃんの膝の上で丸くなってスヤスヤと寝息を立ててしまった。


「あのよ、確かに可愛いしありがてぇんだけど、なんか違うんだが……」


 ですよね。フェリちゃんが求めてたのはそう云うのじゃないってわかってるよ。なんたって俺はフェリちゃんマスターだから。


 だけど、まさか色々実演して貰う前に、寝ちゃうとは思わなかったんだが……。


 うーむ、どうしたものか。フェリちゃんが命令すればやってくれると思うけど、フェンリルの性格だと無理矢理は嫌がりそうなんだよな。


「チビ犬、挨拶もせずに寝こけておると、主人に愛想を尽かされてしまうぞ」


 俺が困っているとセンが助け舟を出してくれた。なんとも珍しい。明日は雨ですね。


「そんなことないよ。いつも助けてるぞ☆」


 その分悪さもしてるぞ☆



 ともあれ、センの言葉にピクリとケモミミを反応させたフェンリルは、眠そうに薄っすらと目を開けた。


「……めんどくさい」


 うわー、やる気ねー。


 それでも、さすがのフェリちゃんも小さい子には寛容なのか、フェンリルの態度に文句は言わず優しく頭を撫でていた。


 気持ち良さそうに目を細めるフェンリル。


「なあ、せめて何が出来るかだけでも見せてくれねぇか?」


「んー、仕方ない」


 フェンリルはフェリちゃんの膝の上からヒョイッと降りると、窓を開けて縁に足を掛けた。


「ここじゃ狭い」


 そう言うと、フェンリルは外へと飛び出して行ってしまった。


 フェリちゃんの部屋は二階だ。


 フェンリルは二階から簡単に飛び降りて行っちゃったけど、俺たちがそのまま追いかけるのは普通に無理。だから、センに掴まってダーイブ。


 飛び降りた後に、俺たち靴履いてないじゃん! って気付いたけど、そこは安心安定の便利屋センにお任せあれ。


 空間から俺たちの靴を取り出して、着地前には履かせてくれました。無駄に凄いテクニックである。



 外では手足を地面について、グググと伸びをしているフェンリルの姿がある。一応やる気はあるみたいだけど……あ、欠伸した。


 そのままふにゃふにゃと地面に突っ伏す。


 スヤー。


 寝るな!


「おい、大丈夫か? 辛いならまたの機会でも良いけど」


 フェリちゃんにそう言われて、フェンリルは倒れたまま顔を向けると尻尾を振った。


「エンジンがかかってないだけ」


「エンジン?」


「これからかける」


 のそりと起き上がったフェンリルは、大きく息を吸い込むと遠吠えを上げた。


「ワオォオオオーン!」


 街中に響き渡る遠吠え。それと同時にフェンリルの体が眩く発光する。


 そして光が収まると、そこには大きな大きな狼が鎮座していたのであった。


 そう、フェンリルは形態を変化させることが出来るのだ。


 俺のやっていたゲームで女の子ばっかり実装するな! もっと強そうなのも作れと散々叩かれ、運営が苦肉の策で生み出したのが、変身する女の子モンスターだった。


 能力値はそんなに変わらないけど、スキルが多少変化する。その為、使用者が使いたい形態を好きに自由に選べるのだ。


 俺のように女の子しか使わん! といった強いこだわりがある者は、形態を変えることは殆どないのだけど。


「うぉっ! すっげ、そう云うことかよ!」


 巨大なフェンリルの姿にフェリちゃんは興奮を隠しきれない様子だった。


 うんうん、そうだろう。そうだろう。


 喜んでくれると思ったんだ。


「フェリ、創造主、背中に乗れ」


 喋り方まで勇しくなって、フェリちゃんはご満悦。


 フェンリルの背に乗って、何故かフェリちゃんの腰に後ろから手を回すことになっている俺もご満悦。


 フェリちゃんがもぞって動くと、柔らかい感触が俺の腕に伝わってくる。なにせ今のフェリちゃんは、ノノノ、ノーブラだから!


 ひゃっほう!


 テンション爆上げの俺氏。


 けれど、その数秒後、俺は悲鳴を上げることとなった。


 俺たちを乗せて、街中をとんでもない速度で走ったフェンリル。


 背中に乗ってるだけでその風圧がヤバい。


「ぼぉうじょっどぞくどぼどしで!」


 案の定フェリちゃんには風除けが張られているのか、気持ち良さそうだってけど。


 うん、これ知ってる。昔ツクヨミにやられたことあるから。


 どうやら俺の扱いは、【LG】が代わっても変わらないようであった。

読んでくださりありがとうございます。


好きになったVtuberが晩酌配信なるものをやってたらしく、酒を飲みながらその動画を観ることにした。

普段酒は飲まないのだが、なんだか無性に飲みたくなったのだ。


まあ、お店で酎ハイ4、5杯ぐらいまでは大丈夫だから、小さな日本酒一本ぐらい平気だろう。


そう思っていたのだが……。


数時間後、寝付けなくなるくらい気持ち悪くなりました。


日本酒……怖い。

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