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【196】鬼ごっこするよ

「そういうわけで、明日からの二日間、ブルはエディナと鬼ごっこをすることになったよ」


「え? なんだって?」


 自室で甘えてくるミルをなでなでしていたら、学園で姿を消したセンが突然帰って来てそんな事を言った。


 だから俺は難聴系主人公のごとく聞こえない振りをする。


『エディナと鬼ごっこをする事になったの』


 あーあーあー、聞こえなーい。


『そんなわけないでしょ。脳に直接話しかけてるんだから』


 なんだと、脳に直接……ってんな事考えてる場合じゃない。この悪狐は何やってくれちゃってんの?


 俺言ったよね? エディナには関わらないようにって!


「とはいえ、黒のウンエイが全員参加とは、どういう意図があるのですか?」


「エディナが面白そうな事を提案して来たから、もっと面白くしようと思って」


 ああ、なるほど。とミルは落ち着いた様子で一人納得している。


 ミルさんや、何を納得してるのか知らないけど、全然合理的な説明じゃないからね。センが悪ノリしてるだけだからね。


「でも、何故センだけ参加しないのですか?」


「まあ、私がいると空間移動とかで絶対捕まらない方法も取れるから、面白くなくなっちゃうし。何よりエディナは最初、それを考えて【LG】抜きでやろうって言い出したのよ」


「それを突っぱねて、セン抜きの総力戦を提案したわけですか。ですけど、そんな事をお兄様の意見も聞かずに決めては駄目ですよ」


 ミルが凄くまともな注意をすると、センは狐ミミをシュンとさせて項垂れた。


 この狐、普段は誰かれ構わず噛み付く癖に、ミルにだけは物凄く甘いし言う事を聞く。


 俺の言う事は聞かない癖に、ミルの言いつけはちゃんと守るのである。


 何故なのか!?


「しかも、エディナさんはお兄様の元恋人なのですよね? そんな方と勝手に取り決めをしてしまっては、お兄様が心労を負う事はわかり切っている事ですよね?」


 ミルが少し強めに言うとセンは、シュシュシュと小さくなって行く。


 いいぞ。もっとやれやれー!


 センもたまには怒られないと調子に乗っちゃうからね! でもね、エディナとは付き合ってないから、元恋人ってのは間違ってるんだよなぁ。


 そこんとこハッキリさせなきゃなと思っていると、突然ミルがむむむと唸りだした。


「……え? ですが、むう。そうですか、それほどまでに……」


 え? なになに? どうしたの?


「わかりました。それなら仕方ないですね」


 待てぇい! 俺の目の前で脳内で密談してやがったなこいつら! つか、ミルもなに言いくるめられてんだよ!


 お兄様大好き。どんな時もお兄様の味方で妹の鑑だったミルは何処へ行っちゃったの!


「というか俺は会わないって言ったよね?」


「だから逃げるんだけど?」


「いやいや、なんでゲームみたいに鬼ごっこが始まっちゃうのさ」


「エディナにはブルがこの街にいるってバレちゃってたし、あの子絶対会うって頑固だったからルールを敷かなくても結局同じ結果になったと思ったけど?」


「ルールを敷くことで俺が不利になってるんだけど!」


「そうでもないんじゃない? いざとなれば【実装】で手数が増やせるブルが圧倒的に有利なルールだし、みんな魔王ともやり会えてブルが手を出すなって理由もちゃんと納得出来ると思うけど」


 ぐぬぬ、この狐め口ばっか達者で困るんだが。いや、能力も達者だけども。色々優秀だけれども。


「でしょう」


 センがモフっと俺に抱き着いて来る。


 ぐぬぬぬ、このおっぱいも非常に優秀だ。程よい弾力と柔らかさ。破壊的なサイズ。


 スゲーよセン。性格が捻じ曲がってなけりゃ完璧じゃん。


「セン、話し合いは既についているのですよね?」


「そうよ。だから何もしなくても、明日には鬼ごっこが始まっちゃうんだから」



 かくして、俺たち黒のウンエイと緑の魔王の鬼ごっこ対決が幕を下ろす。


 ルールは至って単純。二日以内にエディナが俺に触れるか、触れさせずに逃げ切るかである。


 その間、互いにどんな手段を用いてもオーケー。カードの使用制限も無し。ただし、俺はセンの力を借りることだけは禁止されている。


 俺以外のメンバーも同様、何をしても良い。


 つまるところ、クラン対魔王のデスマッチみたいなもんだ。


 決着の仕方が俺に触れるかどうかの違いしかない。


 因みに俺が勝った場合、エディナは二度と俺に近付かないという約束をしているそうだ。そして、エディナが勝った場合は、ちゃんと彼女の話を聞いてあげる。それだけだった。


 話を聞いてあげるくらいこんな事をしなくても出来るんだけど……でも、やっぱりあまり顔を合わせたくない。


 このモヤモヤした感情はなんなのか。俺にはそれがわからなかった。


 しかし、匙が投げられたと云うならば全力でやるしかない。


「セン、明日までに【白無垢】を集めるよ。エディナを足留めする為に、みんなにカードを支給する」


「そんなに全力出さなくても良いと思うけど」


 だーまらっしゃい。


 俺はやる時はやる男、ブル・ドッグなのである。


 例え相手がエディナであっても、勝負に敗北は許されない。全力を出さなきゃ相手に失礼だ。


 ……たぶん……俺の選択大丈夫だよね?

読んでくださりありがとうございます。


実は私、友人には先生と呼ばれています。


ただそれは、私が教師だったとか、文豪であったとか、政治家であったとかそう云うことでは無い。


なら何故そう呼ばれているのか。


その理由は……。


教えません! 気になって眠れなくなると良いでぇす!

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