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【195】バレてますね完全に

 新参クランの一代表者に会わせろ。


 魔王という立場に居る人物からすれば、それは大した要求ではないでしょう。


 寧ろ魔王がわざわざ足を運んでいるというのに、何故代表者自ら応対しないのかと問われれば試合は即終了。直ぐに頭を下げて首根っこ掴んで、代表者を引きずって来るのが正しい対応だろう。


 けど、私にそんな事は出来ない。


 何故なら我がマスターは、力付くでどうにか出来るような人物ではないからだ。


 というよりも、私の中では目の前のエディナさんよりも偉い人だし、計り知れない知識と能力は尊敬に値する。


 なんなら、エディナさんの【LG】や妖精も、ブルさんが【実装】したんじゃなかろうかとまで思ってる。


 だから、ブルさんが会わない、関わらないと言っている相手だとするならば、例えそれが魔王であったとしても引き合わす事は出来ないのである。


 話が通じるのであれば良いのですが……いやー、でもブルさんの昔の女らしいし、きっと代表者がブルさんだってわかって来てますよね。そうでなくちゃ新参のクランに問い合わせなんてしないだろうし……。


 色々考えは巡らせてみたけど、ここはひとまずお断りする方向で行かせて貰いましょう。


「マスターはお忙しいので、お会いにはなれないです。魔王という立場の方に対して失礼かとも思いますが、何せ我々はまだクランとしての活動を本格的に行ってはいませんので」


「……彼が、私とは会いたくないと言ったの?」


 はい、言いました。ってかこの人やっぱりわかってるー!


「さて? 私はただ誰も取り次ぐなと指示されているだけですので。先日幾つかの問い合わせにマスターが対応された際、随分と不快な思いをされたようでして」


 その時、問い合わせたのは、私も含まれてるんですけどね。ごめんなさいブルさん。でも私は会ってくれて凄くラッキーでした。


「会うも何も、後ろの【LG】はこの前マスターと話をしてたでぇす」


 カラドボルグさんがボソリと言った言葉に、室内は「えっ?」と凍りついた。


 エディナさんの視線が後ろに控えている【LG】へと向けられた。あ、視線逸らした。まじですかっ! というかブルさん、会うなって言っておいて自分は接触してるじゃないですかやだー。


 ってか、余計な事言わないでくださいよカラドボルグさん! この空気どうするんですか!


「ティターニア、この前何処かへいなくなったと思ったら、ブルと会っていたの?」


 ティターニアと呼ばれた【LG】は答えない。相手の召喚モンスターを口止めするとか、我がマスターはとんでもない技量をお持ちのようだ。カラドボルグさんが余計な事を言わなければ、ティターニアはブルさんと会った事を主人に報告しないで闇の中へと葬っていたことでしょう。


「……そう。あなたが何も言わないという事は、ブルは私に会いたくないと言ったのね」


 エディナさんは視線を窓の外へと向けて、哀しそう表情をした。


 けれど、その瞳には直ぐに強い決意の色が宿る。


「ルティル、私はこの街にあと三日ほどしか滞在できないの。だから、彼に伝えて欲しい。絶対に会いに行くから、嫌なら全力で逃げてって」


「……えーっと」


 なんか話の流れで、ブルさんが黒のウンエイのマスターである事が確定してるんですけど、私は何と答えたら良いのでしょうか。


 委員会の登録書を確認すればそれはわかるんだけど、うちはまだ非公開にしてるから委員会の職員が不正を働いてなければ外部の者にはわからない。


 まあ、魔王の権力で強制されたらそれまでだけど、エディナさんはそういう事やらなそうだし、というか調べるまでもなく確信してた感じかな。


「ごめんね、答え難いよね。うーん、なら互いに【LG】を使わないで鬼ごっこをするってはどうかな? それなら見ている方も楽しめるんじゃない? センちゃん」


 エディナさんが恐ろしく唐突な提案をされました。それをこの方は当然のごとく聞いていたのでしょう。


 センさんがヌッと壁から姿を現して、その様子にカラドボルグさんだけあわあわしています。


「なんじゃ、我の能力を知っているとは……なるほど、デカい蛾が口を滑らせたということか」


「滑らせたとは心外な。ケダモノの些末な能力など隠しておくほどの事でもないでしょう」


 睨み会う二人の【LG】をエディナさんが止めに入った。というかセンさん。出て来ちゃったらブルさんの存在が確定しちゃうから駄目なんじゃないですか? もうバレてるみたいでしたけど、建前ってものがありましてね……。


「安心しろペタンコ二号。ブルはこのくらいじゃ怒らん。そもそもペタンコ一号は、淫乱ピンクがチビじゃり二号を使った時点で確信しておる」


 悪口が雑になってますよ! アイデンティティが崩壊してますから、せめてもう少し捻ってください! あと分かりにくい。


「センちゃん、私の提案はどうかな?」


 期待を込めてエディナさんはセンさんにそう言った。


 それに対してセンさんは。


「面白い提案ではあるな。だがなペタンコ一号、その提案は却下じゃ」


 エディナさんの提案をあっさりと否定したのでした。

読んでくださりありがとうございます。


台風の影響で旅行がキャンセルになりました。


まあ、それは仕方ない。けれど、当日宿に営業出来るのか連絡したら、ゴニョゴニョ言われてらちがあかない。問い詰めると停電で食材が駄目になったらから営業は難しいとのこと。


向こうからキャンセルされたからキャンセル料はかからなかったけど、どうやらこちらから言わせてキャンセル料を取るのが目的だったみたい。


なるほど、世の中は悪意に溢れているようだ。せめて物語の中だけでも、優しい世界でありますように!

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