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【187】勝負しなさい!

 ざわざわと騒がしい人混みの中、俺は姿を透明にしてもらいフェリちゃんに腕を組まれていた。


 まるで恋人同士だね。


 って言いたいところだけど、現実はそう甘くない。


 反対側の腕はルティルにガッチリホールドされている為、甘酸っぱい体勢ではなく、むしろ連行されているような感じになっている。


 しかも、消えているのは俺だけだから、二人は不自然に肘を張った体勢になってる。人混みで二人の間だけが透明になってると、見えてない誰かが突っ込んで来る可能性もあるわけで。それ回避する為にワタツミが俺の後ろから抱きついている。


 最早俺に逃げ場はないのである。


 そして、大通りを遠巻きに眺めていると、大きな歓声が上がった。視線を向けてみると、七色の羽を持つ純白のワンピースに身を包んだ妖精の姿が見えて来た。


 あー、久し振りに見たけど間違い無い。俺の【実装】した【LG】ティターニアである。


 ティターニアがいるという事はやはり……。


 そう思い、その後方へと視線を向けるとピクシーたちに囲まれてゆっくりと歩いて来る人物の姿が目にとまる。


 前よりも高そうな服を着ているけれど、金色の髪、緑の瞳、ペタンコの胸は健在。


 見間違える筈も無い。そこにあったのは俺のよく知る人物、エディナの姿であった。


 チクリと胸の辺りが痛む。


「へぇー、綺麗な人だな。つか、あの妖精が【LG】なのかな?」


「恐らくそうですね。周りを飛んでる妖精も【SSR】だって聞いてますよ。というか、あんな綺麗な召喚モンスター見たことないです!」


「つか、何しにこの街へやって来たんだろうな?」


「さあ? エルフの里でダンジョン管理をされていた筈ですけど、突然どうしたんでしょうね?」


 興奮気味に会話をする二人とは対称的に、沈黙したまま聞き耳を立てる俺。


 ダンジョン管理? あー、そう言えばエディナっていいとこのお嬢様だって言ってたな。ロリさまに実家へ帰ったって言われたし、そこで管理をしていたのかな?


 つーか、エディナの実家が何処にあるかは知らないけど、まじで急にどうしたんだろうね。まあ、俺には特に関係のないことだろうけど。


 人々が騒がしく囁き合い、時折手を振る人たちへ愛想を振りまきながらエディナは通りを歩いて行く。


 良く見れば、エディナの後方からは護衛なのか、エルフの一団がぞろぞろと続いていた。


 なんか偉い人になっちゃったんだなぁ。なんてことを思い、その姿に寂しさのようなものを抱いていると、通りに小さな子供がちょこちょこと飛び出して来て突然クルリとターンした。


「がおっー!」


 バシッとドラゴンのポーズを決めたのは、金色に近い茶色髪に二本の角を生やした少女……つーか、リンドブルムじゃねーか! ママ様は何やってんの!


 通行を妨げられて、エディナ一行が足を止める。


 そして、前を歩いていたティターニアが、薄っすらと目を細めて手をかざした。


「ちょ、ティターニア! 子供相手に何をするつもり!」


 慌ててエディナがティターニアの腕を掴んで止めに入った。


「エディナ、この子はただの子供ではありません。召喚モン―――」


 ティターニアがそう言い掛けた時、リンドブルムが口から炎を吐き出した。


 周囲からは悲鳴が上がり、渦を巻いた炎がティターニアとエディナへ直撃しようというところで、その炎は壁に当たったかのように遮られる。


 しかし、見えない壁が空間に亀裂が入るようにヒビ割れると、直ぐに砕け散ってしまった。


 ムッと顔を顰めたティターニアは、即座にエディナを抱えると空高く舞う。


 それを追うように上空へと軌道を変える炎は、そのままエディナたちへと迫った。


 迫った炎がエディナたちを包み込もうとした瞬間、その炎が全て氷の塊へと変化する。


 吐き出していた炎が口元まで凍り付こうとして、リンドブルムは後ろへ飛び退いて回避した。


「なんなの、あの子!?」


「エディナ、あれは召喚モンスターです。そして、人に近しいあの姿。私の守りを突破出来る破壊力。間違いありません、レアリティは【LG】でしょう」


「【LG】! ということはまさかっ!」


「さて、どうでしょうね」


 上空からチラリと視線を向けて来るティターニア。その視線の先は、透明になっている俺へと向けられた気がした。


 直ぐに視線を外したティターニアは、自分よりも更に上空へと視線を向ける。


 そこへ現れた巨大な影。ドラゴンの背で仁王立ちしている少女はもちろんこの方。


「三位階級の魔貴族にして、イーヴィル家の次期当主、レイン・ゼノ・イーヴィルとは私のことよ!」


 あーはっはっは! と高笑いをして悪役顔負けの登場をしたレイン。


 つーか、レイン。先日三位階級とかどうでも良いような事言ってたでしょう。その口上が気に入ってのかは知らんけど、負けも認めちゃったし次期当主とか気安く名乗んない方が良いよね。


「緑の魔王! 私と決闘をしなさい!」


「お断りします!」


「そう、ではルールを……って、え!?」


 エディナってばナイスゥ!


 キョトンとしてるけど、レインは何がしたいの? ちょっと勝手なことしないでくれるかな。そもそもだけど、魔王に挑める権利なんて、レインはまだ持ってないと思うんだよね。

読んでくださりありがとうございます。


頭痛が酷かったので、原因とか治し方を調べてたら、運動して体を温める方が良いとあったので直ぐに筋トレ開始。


暫くすると、症状が悪化して吐き気がして来ました。


どうやら緊張型頭痛だと思ってたら片頭痛だったらしく、首の後ろを冷やすのが正解だったみたい。


ちくしょう、無駄にマッチョになっちまったよ。

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