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【176】暗殺者かと思ったら忍者でした

「おいっ、お前ら!」


 突如登場したワタツミとセンに驚きながらも、セバスチャンは部下へと指示を出すと鉤爪を取り出して装備した。


 他の人たちもクナイだったり、分銅の付いた鎖鎌だったりをいつの間にか手にしている。


 パリッとしたスーツには似つかわしく無いが、察するにスズネちゃんと同じ忍者なのではなかろうか。


 暗殺者の方じゃなくて、そっちか。


 スズネちゃんもそうだけど、忍者って生身で凄い動きするんだよね。それが街中に潜んでいて、俺のことを狙ってるとなると相手さんは相当本気なのかもしれない。


「やれ」


 躊躇うことなくセバスチャンがそう指示を出すと、部下たちはみんな一斉に動き出した。


 もう人なのかも怪しいぐらい凄い動きで、俺との距離を一気に詰めてくる。


 だが、俺にはその動きが見えていた。


 何故だ!?


 よくわからんが、コマ送りのような映像が脳内に流れて、素早い動きを全て把握することが出来る。


 一斉に仕掛けられた攻撃。


 ワタツミが応戦しようとしたのを手で制し、俺が一歩後ろへと下がるとふわりと体が浮いて相手との距離を取ることができた。


 付き添うようにワタツミも下がり、俺たちのいた場所へ攻撃が仕掛けられる。


 容赦の無い一撃。何もせず立っていたら、格好の的になっていただろう。しかし、その攻撃は全て空を切った。


 だが、部下たちへ攻撃を促したセバスチャンは、ただ一人俺の背後へと回り込んでいた。


 セバスチャンの鉤爪が俺に迫る。


 それを背後から抱き着いたままのセンが、【緋扇華】で受け流し、横合いからワタツミが軽く蹴りを入れる。


「なっ! ぐふっ!」


 セバスチャンは、苦しそうに呻いて吹き飛ばされるが、クルクルと宙を回って壁へ静かに着地。凄い身体能力である。


「何もんだ? 俺たちと互角にやり合えるだと?」


 セバスチャンの言葉を、センとワタツミは無視して俺に声をかけて来た。


「主君、やはり八割程殺した方が良いのではありませんか?」


「んー、手加減するの面倒だから、消し炭にするとかどう? それなら証拠も残らないし」


「なるほど! 主君、私も細切れにして全て洗い流してしまう事も出来ますよ!」


 あのね! 君たち物騒な事言わないでくれる!


 そんな倒し方したら後々に遺恨が残るでしょ。


「……なるほど。お嬢様が気にかけるわけだ。お前ら手加減する必要はねえぞ!」


 こっちは手加減しろって言ってんのに、セバスチャンたちは本気を出すみたいだ。


 あのさ! 結構気遣ってるんだから、空気読んでくれますか!


 なんてことを言ったところで、相手には通じないだろう。普通に考えて相手が【LG】を使用してるなんて想像出来るわけも無い。しかも二枚もあるとか、これが想定出来るようなら、世の中で何にもできないと思う。


 セバスチャンたちが、カードを取り出して召喚モンスターを呼び出していく。それに対して魔法カードでバフをてんこ盛り。


 忍者もカードを使ったりするんだ。


 そんなことを考えていたら、召喚モンスターたちが一斉にこちらへ向かって来た。


 体が羽のように軽く感じ、普段なら出来ないような事も出来る気がする。背中くっついたままのセンも重さを感じないし……ああ、そうか。これもセンのバフか。


 センがバフをかけてくれる時は、いつも体が痺れるから気が付かなかったけど、密着した状態でこんな事も出来るのか。


 ……つか、だったらいつもそれやれよ! って思ったけど、そうも言ってられない。


 迫り来る召喚モンスターたちは待ってはくれないのである。


「【破壊デストラクション】!」


 俺は先頭にいた召喚モンスターを破壊し、距離を取る。


 しかし、召喚モンスターに紛れて忍者さんたちも接近していたのだ。俺の【破壊デストラクション】で、召喚モンスターは破壊出来るけど、生身の人間は破壊出来ない。まあ、出来たらそれはそれで問題だけど、とりあえずカードを使用しない攻撃に対して、俺は凄く無防備なのである。


 攻撃を仕掛けられ、それをワタツミが弾くかなと思ったけどそんなことはない。


 直ぐ眼前に迫った忍者刀が、俺の喉を突き刺そうとした時、体が勝手に動いて反応していた。


 忍者刀を弾き、腹部に強烈な蹴りを入れる……俺!?


 その手には、水で創り出された剣が握られていた。


 どういう事!?


「私たちがやっつけるより、こっちの方がカッコ良いかと思って」


「私も主君が無双する姿を見たいと思いまして」


 よくわからん事を言ってくるセンとワタツミ。


 あ、いや、わかった。


 体の自由が利かない。


 けれど、俺は迫り来る召喚モンスターを【破壊デストラクション】で破壊し、忍者たちに剣で対抗して鮮やかに戦っている。


 側から見たら俺はキツネ耳の獣人を背中に背負ったまま、とんでもアクションをする凄い奴に見えるだろう。


 しかし、俺を操っているのは、背負ってるはずの獣人。


 本体は後ろの悪いキツネでしたー!


「俺たちとこれほどまでにやり合えるとは……前言を撤回しよう。お嬢様が入れ込むわけだ」


 いや、ちょっと待って。君たちなんか色々勘違いしてませんか?

読んでくださりありがとうございます。


無理矢理バトルに突入させたけど、結の展開を考えてないのでした。


さて、どうなる! ブル・ドッグ!

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