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【165】その日の晩餐

 その日の夜。


 マーガリさんの計らいで、夕食をご相伴にあずかることとなった。


 なんならメンバーの皆さんも呼んでくれと言うから、センに連絡したらオッケーって軽い感じで返事が来た。


 一応、結構食べるよとは注告したんだけど、マーガリさんにはきっと伝わってないだろう。


 ここはパンナコッタの隣街に位置するミルフィーユ。


 センたちがやって来るとなると、どうせワープしてくるわけだから、エネルギーを使ったセンは普段以上に食べるだろうと予想してる。


 もうちょっと、真剣に注告した方が良かったかな?


 なんて思ったけどもう遅い。


 程なくして、クエストを終えたみんなを引き連れ、センが空間を捻じ曲げてやって来た。


 マーガリさんはビックリ仰天してたけど、ルティルは大興奮である。


「凄いです! 私の常識が全く通用しません!」


 喜ぶポイントが良く分からないけど、楽しそうなルティルはまじ可愛いから問題はない。


 やはり、可愛いは世界を癒す。眩しい笑顔が、温泉に浸かるよりも疲れを吹き飛ばすから不思議である。



 そして、一頻り紹介が終わると、みんなで長テーブルを囲んで晩餐が始まった。


 さすがと言うべきか。貴族様が人様に提供する料理はランクが違う。


 俺の泊まってる宿の料理もそこそこ豪勢だったけど、それよりも質が高いから驚きだ。


 肉とかスッとナイフが入って、口の中で溶けるように味が広がっていく。なんだこれ? 何の肉か分からないけどきっとA5和牛に違いない。


 黄金色のスープに混ざってるゼラチン質のこれは……うん、きっとフカヒレだろうな。コリコリした肉厚な食感のこれは……うむ、アワビだ。


 俺が夢中で食事をしていると、パリッとした格好の執事がやって来て、グラスにスッと赤い液体を注いだ。


「ヴェンティエノートの二十年ものでございます」


 いや、ワインの銘柄とか聞いてもわかんないから。


 あと俺、酒飲むと記憶無くしてとんでもないことやらかすから、お断りしたいんだけども!


 とは思ったけど、一杯ぐらい良いかなって口にすると、深みのある香りが鼻を抜けて行く。


 うまぁ。


 しかもこれ、結構飲み易いかも。


「いかがですか? 私の一押しなのですよ」


「美味しいですね! 渋みをあまり感じさせないのに、凄く香りが深い」


 ワインの飲み比べなんてしたことないからわからんけど、それっぽい返事をしたらマーガリさんは満足そうだった。


 みんなにも勧めていたみたいだけど、結局そのワインを口にしたのは俺とレインだけ。


 学生はお酒飲んじゃいけないんだってさ。こっちの世界でもその常識は変わらないみたい。


 どうやら、俺とレインは不良学生だったらしい。



 因みにレインやパリス。それとミルはこういった状況にも慣れてるみたいだから落ち着いていたけど、フェリちゃんとペトリーナは興奮気味だった。


「おいペト、これは何の肉だよ?」


「わからないの。こんなの食べたことないの」


「ペト、俺の知ってるスープは、こんな透き通る色じゃねえんだけど?」


「薄そうなのに、凄く味がしっかりしてるの」


「なあ、おかわりして良いのか?」


「私もこのツブツブが乗ってるのが食べたいの!」


 そんな感じでマナーとかはなってないけど、美味しそうに食べるからマーガリさんもニコニコだ。


 この人は他の貴族と違って、ホントに穏やかな人らしい。



「しかし、本当にお若い方ばかりですね」


 お腹も満たされて、食後の紅茶を入れてもらっていると、マーガリさんが変わらぬ落ち着いた表情で言った。


 おいおい、凄いなこの人。


 実は、俺たちの食事は終わってるけど、ツクヨミ、セン、ワタツミの三名はいまだにパクパクモグモグしてる。


 もう随分食べてるのに、まだ入るのかよ。と、俺ですら呆れ顔なのに、マーガリさんったら頰をひきつらせることもなくニッコニコなんですが。


 ルティルも食べてる量なんてきにする様子もなく、ツクヨミの隣に座ってポーセージをフォークで突く。それをツクヨミの口へと運ぶと、ツクヨミがそのままパクリ。モグモグ。


 自動で運ばれてくるポーセージにご満悦の様子。


 ルティルも動じなさ過ぎだね!



「え、はい。最近結成したものですから……というか大丈夫なんですか?」


「と言いますと?」


「いや、この子ら既に結構な量を食べてるというかなんと言うか……」


「ああ、それについてはご心配なく。想定の範囲内ですので」


 え? こんだけ食うのを想定出来てたっての? 貴族ってそんな想定でいつも準備してるわけ?


 俺が疑問に思ってると、マーガリさんは補足を入れてくれる。


「彼女が教えてくれたのですよ。ブル様がわざわざ大量とおっしゃるからには、それはもう予想できない程の量であると」


 え! ルティルってば、今日出会ったばかりなのに、そこまで俺の事把握してんの!


 俺が驚いた顔をしていると、目が合ったルティルは恥ずかしそうに頰を染めた。


 ……その表情、写真に収めたいんですけど!

読んでくださりありがとうございます。


ビールを美味いと言って飲んでいる人たちがいる。


味は苦いが、コーヒーのブラックもいつの間にか好きなったし、飲んでいれば美味しく感じるようになるだろう。


そう思って数年後の感想……


ビールは苦い!


何故なのか!?

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