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158/204

【158】勝負あり?

 【LG】たちが敗退したあと、まだ死んでないフェリちゃんとパリスは一斉に走り出した。


 フェリちゃんは、ツクヨミが使用していたスナイパーライフルへ。パリスはペトリーナが使っていたハンドガンへ向かってである。


 まだ撃ち切ってない二つの武器には弾……もといマチオカが残っている筈だ。


 【LG】たちがいない以上、あとは自力での戦いとなる。そして、この二人ならば身体能力は獣人であるフェリちゃんの方が上なのだが……。


 スナイパーライフルの落ちている位置の方が随分と遠い。


 これは流石にパリスに分があるかな、と思ったら。フェリちゃんは物凄い勢いでダッシュした。


 獣のように両手両足を使った全力のダッシュは、めっちゃ速い。パリスが驚いて僅かに動きを止めてしまった事もあり、二人が銃を拾い上げたのはほぼ同時だった。


 ジャキンッと音を立てて、互いに銃を向け合う二人。


 ガンアクションモノの映画を観ているようで、中々様になっていた。


 しかし、銃口を向け合ったまま、二人は撃ち合う素振りを見せず、動かない。


 おそらくだが、ここで撃ち合ったとして残ったレインとスズネちゃんを一人で相手するのは難しいと考えているのだろう。


 ……そんなことないか。


 フェリちゃんのスナイパーライフルがあれば、遠距離からズドンで片がつくもんね。


 じゃあ、なんでだろう?


 よく見るとフェリちゃんは、既に指をカチャカチャやってる。


 ……ああ、セーフティロックがかかっちゃってるんだね。ツクヨミが乱暴に放ったから、その拍子で……。


 つか、そんなもんまで付けてんの?


 そんなことを考えていたら二人が会話を始めた。


「……フェリナス。組まないか?」


「組む?」


「ああ、相手は残り二人。俺たちが組めば丁度、二対二だ。相手を倒したあと、俺たちは決着をつける。どうだ?」


「へっ! 信用出来ねえな」


「そうかもしれないが、このまま撃ち合っても互いにマチオカが当たって勝ちを譲ってやることになるぞ」


「……まあ、その通りだが」


 フェリちゃんは何やら頭を働かせてるみたい。


 まあ、強がってるけど、セーフティロックの解除方法がわからないと圧倒的に不利だもんね。


 ここは一時休戦した方が、フェリちゃんにとっても都合は良いだろう。


「……良いぜ。その話、乗ってやるぜ」


 フェリちゃんが頷くと二人は銃を下ろした。


 下ろした直後にフェリちゃんはツクヨミのところへ行って、セーフティロックの解除方法を聞いている。


 あーあ、パリスやっちゃったね。


 これでフェリちゃんが有利になっちゃった。


 けれど、フェリちゃんは約束を守る気があるみたいで、パリスを撃とうとはしなかった。


「センチームの二人を倒した直後から俺たちは敵。それまでは味方だ。いいか?」


「ああ、わかったぜ」


 了承すると、フェリちゃんは直ぐにスコープを部室へ向けて覗き込んだ。


 なるほど。


 フェリちゃんはちゃんと、約束を守るつもりなんだ。


 パリスはあのスナイパーライフルが空間を飛び越える事は知らない。だから、この場でレインとスズネちゃんを撃って倒してしまえば、パリスは二人が倒された事に気が付かないわけだ。


 そうなれば、約束通りフェリちゃんとパリスは即敵同士に戻るわけだから、不意打ちしてもルール上なんの問題も無い。


 賢いね。


 フェリちゃんがスコープを覗き込んで、二回引金を引いた。


 そして何故か、三回目の銃声も鳴った。


 見ればフェリちゃんが肩を押さえて、スナイパーライフルを取り落としていた。


「ぐ、てめえ、裏切ったな!」


「いや、裏切って無い。相手が倒された瞬間、俺たちは敵に戻ると言っただろう? 気付いてなかったと思うが、俺たちはずっとフェリナスたちの動きを見ていたんだ。だから知ってるのさ。その武器が、壁もすり抜けて、敵を攻撃できるということを!」


 おおー、やるなパリス。見てただけで、あのチート武器がどんな現象を引き起こしていたのか把握してたんだね。


「お前は今、二度それを撃った。つまり、既に相手を倒したということだ」


 これ以上は言わなくてもわかるだろう?


 パリスはそんな視線を向ける。


 悔しそうに俯くフェリちゃん。その顔には『私は死にました。おしい!』と書かれていた。


 死ぬ順番によっては色々バージョンがあるんだ。それ。


「ゲームは俺たちワタツミチームの勝ちだ!」


 パリスが高らかに宣言した。


 だが、その宣言に【LG】たちの反応は無い。


「どうしたんだ? ゲームは終わったんだろう?」


 パリスが不思議そうに問い掛けるが、それを受けてツクヨミが眠たげな瞳を向けて首を振る。


「は?」


 次の瞬間だった。


 屋上に目を開けているのも大変なぐらい、強烈な風が巻き起こった。


 その暴風の中、薄っすらと目を開けてみると、そこには巨大なドラゴンが飛び上がっていた。


 そのドラゴンの上に見える小さな影。


 ピンク色のツインテールを風に踊らせた少女―――レインの顔には、私は死にましたマークは浮かび上がっていなかったのであった。

読んでくださりありがとうございます。


早くこの勝負終わったらいいのに……って書いてる自分も思ってしまう今日この頃。


いやね。無計画に進んでるから、途中で引き返せないのがこの話なんですよ。

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