表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/204

【151】もう最終手段

 部員があと一人足りない。


 とはいえ、ぶっちゃけ入れるだけならなんとかなる。


 俺が教室で話していた内容を聞いていた誰かが、ウンエイ部が部員を必要としている事を広めてしまったらしい。


 噂は瞬く間に広がって、結構な数の生徒がその話を知っていた。


 俺はこれでもモテる。


 主に男に!


 パリスとの決闘で見せたワタツミ効果は今もなお健在で、学園の廊下を歩くと執拗に声を掛けられるのである。


 というわけで、入部希望者が殺到した所為で辟易してしまった。


 これが全部女の子だったら、楽しかったのかもしれないけど、希望者は全員男である。


 なので当然、全部お断りした。


 こんだけ噂が広まってるんだから、女子の一人でも来いっての!


 そんなこんなでプリプリしながら、俺は事務室へと向かっていた。


 こうなったら最終手段である。


 別に何かしらの策を講じたわけじゃないけど、もう最終手段を使う事にした。


 事務室に到着した俺は、机の上にバンッと銀行のカードを叩き付けて言った。


「ミルの入学を今週末にして下さい!」


 突然言われた言葉に事務員さんはポカンである。


「あのですねえ、ブル君。入学手続きにはそれなりに時間がかかるですよ」


「今週末にして下さい!」


 俺の我儘に対して、事務員さんは困り顔で話を続けた。


「入学金は昨日お支払い頂いてますけどね。処理に少し時間がかかるんです。申し訳ないですが、最短でも来週からという事に……」


「失礼ですが、お給料はどの位ですか?」


「え? いやー、あんまり口外して良い事では―――」


「倍お支払いします。なので死ぬ気で残業して、間に合わせてください」


「そう言われましても……え? 倍!?」


「はい。人手が必要なら、手助けしてくれた方全員に倍額お支払いします。なので間に合わせて下さい」


 事務員さんがゴクリと生唾を飲む音が聞こえた。


「全力で取り組ませて頂きます!」


 現金なものである。


 やはり金は絵の具のようだ。


 この世というキャンバスに、好きな色を塗る事が出来る。


 銀の王様。いつぞや、塗れないじゃんって否定したけど、すまん。やっぱ塗れたわ。


 ちょっと強引なやり方だったけど仕方ない。


 どの道ミルは入学したらウンエイ部に入るだろうし。そうなると、部を存続させる為だけに最後の部員を集める事になってしまう。


 入って貰ったからには、クランの方にも所属して貰いたいし。後々は魔王候補にもなって貰いたい。


 まじで適当に入部させると後々自分の首を絞め兼ねないから、ここは強引でもなんでも余計な人材は集めない方がいいのである。


 たぶんね!




「はい、というわけで部員の確保が終わりました」


「おー」


 パチパチと拍手するレインとフェリちゃん。


 顔に、出る幕が無くて良かったと書いてある。


 こんにゃろう。


「あと一人は誰なの? 今日は来ないの?」


 ペトリーナが、首を傾げて聞いてきた。


「週末に妹が入学するから、その日の内に入部して貰う事にしたんだよ」


「ブル君には妹さんがいたの!?」


「そうだよ。攫っ―――げふんっ! 実家からこっちに来る事になったんだよ」


「まあ、攫って来たんだがな」


 おいっ、パリス! 速攻でバラすんじゃねえ! 踏み止まった俺の努力を返せ!


「攫って来た?」


 ほら、ペトリーナが困惑してるじゃないか!


「ブル、あんまり口外したくないのはわかるが、ペトリーナは俺たちの仲間になったんだ。下手に隠し事をするのは良くないと思うぞ」


 あのねえパリス君。全くもってその通りなんだけど、君がさも当然のように俺の仲間になってるのはなんでかな?


 俺はね。男には厳しくするスタイルなんだよ。知ってる?





 というわけで、ペトリーナにも一通りの事情を話した。


「凄いの! 私にはそんな事出来ないの!」


 うん、まあ俺にも出来ないよ。


 結婚式当日に貴族の花嫁を攫うとか、【LG】たちやレインが居なけりゃ大問題ですよ。


 要するに俺は何もやってない。


 いや、【破壊デストラクション】たくさんやったわ。


「基本的にはウンエイ部というより、クランの方で闘士として活動する事になると思う。あ、でも必要な物とかはこっちの経費で用意するから心配しないで」


「闘士? 私たちはまだ学生なの」


「委員長、そいつに普通の事を言っても意味ねえぜ。常識がねえんだ。そいつには」


「ブル君は変な人だったの?」


 フェリちゃんも! 話がややこしくなるから余計な事言わないで!


 色々と困惑するペトリーナであったが、親切丁寧に教えてあげたら一通り納得はしてくれた。


 けれど、説明を聞き終えると、ペトリーナの中で、俺は変な人で定着してしまったらしい。


 言っとくけど、おかしいのは【LG】たちの性能であって、俺じゃないだからね!


 いや、俺っておかしくないよね?

読んでくださりありがとうございます。


最近一人称が統一できてない気がする。

でも、自分っていうと堅苦しいし、私って言うと女性っぽくなるし、俺って言うとちょっと高圧的だし、僕って言うとなよなよしてる気がする。


うーむ、ワシで行こうかな……おじいちゃん!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ