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【150】入部しませんか?

「部員が必要なんだって」


 部室へやって来た俺は、テーブルを挟んで腰掛けているレインとフェリちゃんに向かって告げた。


「増やせば良いじゃない?」

「増やしたら良いだろ?」


 さも当然のように、口を揃えて二人は言う。


 つか、基本的に人付き合い皆無の二人が、当たり前のようにそんな事が言えるのか?


「あのさ、俺はそんなに知り合いとか居ないし、声をかけるにしても限られるんだよね? 二人は誰かあてとかあるの?」


「あるわけねえだろ。そもそも俺に近付いて来る奴なんて、お前以外いねえんだからそのくらいわかんだろ?」


 だったらなんで、増やせば良いなんて簡単に言えるんだよ!


「私が一声かければ、その辺りの有象無象がすり寄って来るわ」


 レインは有象無象を集めてどうするつもりなの!?


 はいはい、わかりました。この二人は、俺が集めるから自分は関係ないとか思ってるな?


「あのね。ウンエイ部に入れるって事は、魔王候補になるって事なんだよ。適当に選ぶわけにもいかないんだよ?」


「それはわかっているけど、ブルが気に入らない人間を入れても仕方がないでしょう? 確実に魔王となるなら、ブルの【実装】が必要不可欠なんだから。あなた、自分の気に入らない人間にも【実装】をしてあげるつもりなの?」


「レインの言う通りだぜ。俺たちがいくら勧めたとしても、ブルの匙加減で決まんなら任せるしかねえだろ」


 ぐぬぬ、ぐうの音も出ない正論である。


 だが、入れる入れないは別にしても、せめて紹介してくれても良いと思うのだが?


 そうでしょう、と鼻を鳴らすレインと尻尾が左右にブンブン振られてるフェリちゃん。


 こいつら、ぜってー紹介する相手がいないから、煙に巻いてるな!


 まあ、良いけど。


 結局ウンエイには、可愛い女の子しか入れるつもり無いし。俺に全権が委ねられているなら、勝手に決めちゃうからね!


 俺はそう決意して、そのあと今後の方針について話し合った。




「……と言うわけなんだよ」


 翌日、俺が凄く困った表情を浮かべて話すと、委員長……ペトリーナは同情するような瞳を向けて来た。


「可哀想なの!」


 その後ろでディーナ、ファイツ、セレナは、ペトリーナに賛同するように頷いている。


「というわけでどうかな? 名前だけでも良いからウンエイ部に入ってくれないかな?」


「うーん、部活はやらない事にしてるの。私頭が良くないから、お勉強しないとみんなについていけないの」


 うーん、そうかあ。委員長なら入ってくれるかなと思ったけど、ダメかあ。俺も人に勉強を教えられるほど頭が良いわけじゃないからなぁ。


「そもそも、ウンエイ部ってなにをするのよ? 名前だけじゃ全然わからないんだけど?」


 無双部のディーナに言われたくない。逆に聞きたいんだけど、無双部ってなにする部なのさ。


「私も芸術の勉強とアルバイトがあるから無理かな」


 セレナはバイトと趣味を優先したいらしい。


「俺は入っても良いよ」


「うん、ファイツはお呼びじゃないんだ」


「ひどっ! 扱いひどっ!」


「バイトで奨学金を早く返したいんでしょ? 邪魔しちゃ悪いよ。このクソイケメン野郎」


「最後の皮肉が無ければ、素直に受け止められた言葉ー!」


 そんなこんなを話していると、俺に近付いて来る奴がいた。


 パリスである。


「ブル。俺は入っても良いぞ」


「ごめんなさい」


「即答かよ! 部員を集めてるんじゃなかったのかよ!」


「集めてるけど、女の子が良いと思って」


「その理由は?」


「え? 目の保養になるし、女の子に囲まれたら単純に嬉しいじゃん」


「清々しいほど欲望に忠実だな! ……わかった。なら、ペトリーナ。ウンエイに入ったら俺が勉強をみてやる」


 突然話を振られて、委員長がキョトンとした顔をした。


「ウンエイ部など、めちゃくちゃな行動をするか暇を持て余すかのどちらかだろう。空いた時間に勉強を教えてやる事も出来る。それと、俺の持ってる資料もいくつか部室へ持って来てやろう」


「ホントなの!?」


「ああ、だが。ペトリーナに勉強を教える為には、俺もウンエイ部に入らなくちゃならない。ブルは男の入部を希望してないみたいだが……」


 チラリとパリスが俺に視線を向けて来た。


 ……なんなの? どうしてそこまでウンエイ部に入りたいの? つか、俺のハーレム部を邪魔しないで欲しい。どんな小細工をしたとしても、男なんて絶対お断りなんだが!


 そう思って声を発しようとしたら、ペトリーナが俺の腕をグイっと引っ張って来た。


「お勉強する時間はあるの?」


「え? 基本的には暇だと思うけど……」


「入るの!」


 パリスに勉強を教えて貰えるのが嬉しいのか、委員長はキラキラした瞳を俺に向けて来た。


 うっ、この純真無垢な瞳を向けられて、パリスだけ除け者とか出来ないんですが……。


「いや、パリスはちょっと……」


 言いかけるとペトリーナの顔がシュンとなった。


 ぐぬぬ!


 俺は溜息を吐く。


「……わかったよ。パリスの入部を認める。その代わり、委員長もウンエイ部に入ってくれる?」


 委員長は大きく頷き、パリスはニヤリと笑みをこぼした。


 この野郎、覚えてろよ。


 そんなこんなで部員を二人ゲットした俺。


 後一人である。

読んでくださりありがとうございます。


最近後書きに残したくなる事件がない。


俺の周囲の人たちは、もう少し頑張って俺を楽しませて欲しいものである。

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