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145/204

【145】生きていたのか!?

 いやー、危なかった。


 パリスから式の会場を聞いて乗り込んだのは良いけど、誰一人として顔がわからないからスッゲー不安な気持ちになった。


 普通は攫う予定である花嫁の顔ぐらい知ってるはずなんだけど、俺の場合はほら、死んじゃったというか本人じゃないというかさ。


 それと、花嫁の姿を見たときも間違ったんじゃないかなって思った。だって俺の妹のはずなのに、平凡な俺とは違ってめちゃくちゃ美人さんだったから。


 一応ミル本人か確認する為の口上を用意しておいたんだけど、ツクヨミがゼロごっこを始めるからもうめちゃくちゃだ。


 あと、どさくさに紛れて、クラン【ウンエイ】に【黒の】を付けて広めようとするのやめなさい。いつか冷静になった時、転げ回るぐらい恥ずかしい思いをすることになるんだからね。


 というわけで、まじどうしようかなって思ってたんだけど、まさかの本人から「お兄様」発言! 言質いただきました。非常に助かります。


 あたかも知ったような顔をして、調子の良い台詞を言ったら、ミルは泣いちゃった。


 これって俺は悪くないよね?


 まあ、本人確認は出来たし、あとは攫うだけだから良いけど……。


 俺たちの前には、数人の男女が険しい視線を向けて立ちはだかっていた。


 ギラついたのその瞳は、恐らく歴戦の猛者たちだろう。たぶんね。知らんけど。


 とりあえず、邪魔なんで退いて貰えますかね?


 俺が一歩踏み出そうとしたら、ミルの隣に立つ男が声を発した。


「ブル・ドッグ! 貴様どうやって……」


 生還したのか? とでも言いたかったのかな?


 睨むような視線を送って来るこの人は確か……忘れた。あれだよ。長馬事件の黒幕。パリスに唆されてブルドックを殺したらしい人。


 だからまあ、言えないよね。言葉の先を言ったら、ブルの死に目に居合わせたように思われちゃうもんね。


「ブル! 生きていたのか!?」


 今度は、ダンディなおっちゃんからの発言だ。


 この人は……あ、もしかして俺のパパさんじゃね?


「ブルさん! ほんとにブルさんなの!?」


 こっちは銀髪の可愛子ちゃん。


 髪の色がパリスとおんなじだから、この子がパリスの妹、ハクアかな? 結構可愛いと思うんだけど、こんな子振るとか、ブル・ドッグお前は何をやっとるんだ。


 まあ、ミルを見たあとじゃあ、気持ちもわからなくもないけど、ミルは実妹だぜ? ワンチャンもあっちゃダメなんだぜ?


「ブル・ドッグ……」

「ブル!」

「ブルさん!」


 あーもう、あっちゃこっちゃで呼ばないで欲しい。


 俺は君たちの相手をしに来たんじゃなくて、お兄ちゃんしに来たんだから。まったく。


 俺が呼び掛けに答えず一歩踏み出すと、道を塞ぐように闘士たちが立ちはだかった。


「【召喚サモン】」

「【召喚サモン】」

「【召喚サモン】」


 一斉に召喚されたモンスターが、俺たちウンエイを囲うように並んだ。


 だけど、俺は立ち止まらない。


「そこで止まっ、チッ、【ボートレーサー】拘束しろ!」


 俺に襲い掛かって来たのは木のお化け。


 触手みたいな枝を伸ばして俺を拘束しようとする。


「えいっ、【破壊デストラクション】」


 だけど、当然パンチ一発で粉砕。


「なにぃ!」


 なにぃ、だって。ウケるー。


「行きなっ【ランドセル】!」


 板状のぬりかべみたいなのが、俺に覆い被さるように倒れて来る。


「【破壊デストラクション】」


 これも当然あっさり粉砕。


「これならどうだ【拘束バインド】!」


 三人が同時に魔法カードを使用した。


 ええい、しつこい。


「デデデ、デストラクショーン!」


 三発拳を放って全部無効化してやった。


「あいつっ! 何枚所持してるんだ!」


 ごめんね。【破壊デストラクション】は一枚も持ってないんだよ。だけど、相手は俺が複数枚【破壊デストラクション】を所持していると思ったみたいだ。


 更に追い討ちを掛けるように、魔法カードを使用して来た。


 だが。


「……全部無効化だと……そんなカードの使い方があるか」


 俺の拳を前に、全ての魔法は無効化された。


 どんなもんじゃい!


 更に魔法と召喚モンスターをけしかけて来ようとしたところで、黒い狼と金色の狼が横から、召喚モンスターの喉元へ噛み付いた。


 おっと、これはフェリちゃんにあげた召喚モンスターだね。


 一番やる気なかったはずなのに、誰よりも早く援護を出してくれるなんて……好きです。


 続けて山羊の顔をしたモンスターが、相手のモンスターと組み合った。これはパリスか。前【ロードデーモン】って悪魔を使ってたから、パリスは悪魔デッキを編成してるのかな?


 敵さんも黙ってはいない。


 追加で何匹も召喚モンスター出してくる。


 すると、召喚されたモンスターたちを巨大な尾の一撃がなぎ払った。


 振り返るとでっかいトカゲ……いやドラゴンが立っていた。その後方で得意気に腕を組んでいるのはレイン。


 おお、レイン。


 この世界で見た召喚モンスターの中で、一番かっちょいいカードやん。


 俺の仲間たちが戦いに参加してくれて、俺も【破壊デストラクション】で処理していく。


 ……そこでふと思ったんだけどさ。


 うちの【LG】たちがなんにもしてないんだが……。

読んでくださりありがとうございます。


仕事で報告するには微妙だけど、黙っているのもなんだかなって事があって、一つのプロジェクトみたいなモノを管理している人に一応報告したわけ。

そしたら、「大丈夫。何かあったら俺が怒られるから」って返されました。


一見カッコ良い台詞だったんだけど、そうじゃなくて、あんたが怒られないように報告してるんだってば!

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