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拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
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【014】ツクヨミ

「つまりは、どんなカードも創り出せるのが【白無垢】のカードなのよ」


 エディナは得意気にそう言った。


 エディナの説明によると【白無垢】のカードには、白銀、鉄、銅と三種類があるらしく、それぞれのレアリティに応じたカードを生み出す事が出来る物らしい。


 そこに制限はなく、魔法カード、召喚カード、罠カード、地形カードどれでも好きなものに変化させることが出来るとのことだ。


 ただし、高レアリティのカードを精製しようとすると成功率は著しく下がり、ほとんどが失敗に終わるらしい。


 言ってしまえば、ガチャを引くような感じかな?


 他にもレアリティを一つ下げたカードをコピーすることが出来るらしく、普通の人は冒険なんてしないで、欲しいカードをコピーして使うんだとか。


 うーん。そうなると、俺はカード自体を一つも持っていないから、難しいんだよな。


 となると、ガチャで一発勝負しかないか。まあ、三枚もあるし、一つぐらい当たるかな?


 そう思って、俺は【白無垢】のカードを一枚手に持って想像を膨らませる。


 今引いたとして、当たりは何だろうな? 馬みたいなやつかな? いや、それより恐竜みたいな方が後々便利そうだな。ああー。あの狼男みたいな獣人系も結構好きなんだよなぁ。ん? つか、あんなむさいのにするんなら、モフモフの可愛い女の子の方がテンション高まるな。


 そこで俺はハタと気がつく。


 そういうのもありか?


 俺の手持ち三枚で、エロ可愛い女の子モンスターを召喚出来れば、簡単にハーレムを構築出来るのではないだろうか!?


 三枚とも当たりを引ければ、直ぐにでも三人の美女に囲まれることに! いや待て、冷静になれ!


 当たりが入ってるとも限らない。この世界の召喚モンスターは、ふざけた名前のモンスターしか見ていない。そもそも女の子モンスターがいるかもわからない。


 だが、冷静になろうとすればするほど、俺の期待は膨らんでいく。


 創り出せるっていうくらいだから、完全オリジナルとかできないのかな? 出来るなら、俺には心に決めてるキャラがいる。


 ソシャゲで三十万も課金して手に入れたあのキャラ。前世で自分がどういう人間だったのかも思い出せないけど、あの子ことだけは鮮明に思い起こせる。


 眠たげな表情。闇に溶け込むような漆黒の衣を羽織ったあの子。叶うのならば、俺はあの子をもう一度手元に置きたい。変化に乏しいあの表情を眺めていたい。


 そう思っていると、エディナが慌てたような声を上げた。


「ちょ、ちょっとブル! 何やってんのよ!」


 考えにふけっていた意識が、引き戻された。


「え? 何が?」


 そう言うと、エディナが俺の手元を指差して、引きつった顔をしている。


 つられて手元を見ると、俺の手に握られていた【白無垢】のカードが淡い光を放っていた。


 え? なにこれ? やっちまったか俺?


 ガチャを引く前には、誤ってポチらないように必ず注意喚起が出る。しかし、現実にそんな機能は搭載されていないわけで。


 どうやら俺は考えごとをしながら、ガチャを実行してしまったようだった。


「なにやってるのよ! 【白無垢】は普通、想像力を高める為に相応の儀式を行ってするものなのよ! それをこんな道端で!」


「え? ガチャを引くのにそんな大袈裟なことしなくてもいいでしょ?」


「ガチャってなによ! 良い! 【白無垢】っていうのは何も描かれていない真っさらなカードなのよ! そこに描く為に必要なのは想像力。どんなカードを創りあげるか心に決めて、忠実に描ききることが出来れば自分だけのカードが手に入る希少な物なのよ!」


 ええ! ガチャじゃないですやん!


「こんな適当に使っちゃって……一枚二千万イェンはくだらないっていうのに……」


 二千万イェンってどのくらいの金額なんですかねえ。なんか、急に胃が痛くなってきたんですけど。


 俺が胃痛に悩まされ始めると、手の中で淡い光を放っていたカードが黒ずんでいった。


 エディナがあーあ、って顔をして、俺の顔も青ざめた。


 しかし、次の瞬間。


 俺の手元に黒い稲妻が落ちた。


「どわぁ!」

「きゃっ!」


 手に持ったカードを投げ出して俺は尻餅をつき、エディナも頭を抱えて丸くなる。


 そして、巻き上がった砂埃が晴れると、そこには闇が広がっていた。


 いや、正確には宵闇のような漆黒の衣を羽織った、黒髪の少女がそこにはいた。


 そう。見間違えようのないその姿は、俺の愛して止まない究極のキャラクター。


 【ツクヨミ】の姿がそこにはあったのだ。


 ツクヨミはやる気のない、眠たげな瞳を俺に向けて言った。


「あなたが私のマスターか?」


「それはだめえっ!! やり直し!」


 俺は反射的に腕で大きくバッテンを作って叫んだ。


 こいつなんて危ないことを言うんだ! 俺の想像で創った所為か、ギリギリでアウトなことを言いやがって!


 ぜいぜいと息を漏らす俺に対して、ツクヨミは不満そうに頰を膨らませた。

読んで頂きありがとう御座います。


友人が苦しむ幼女の為にお薬を探していたら、オムツ入れを開けたところで幼女に見つかってしまい言われたそうです。「何してるの!この変態!」って。

この話を聞いた時には爆笑したのですが、冷静な状態で文章にしてみると思ったほど面白くなかったことにショックを隠しきれません。ちくしょうっ!いいネタ仕入れたと思ったのに……。

だが、よかったな友よ。リアルラノベ主人公になれて。

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